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7日は関東で梅雨入りか 夏の降水量は多い予想

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
6月3日午前8時までの24時間降水量(ウェザーマップ作画)

 線状降水帯の威力をまざまざと感じさせた今回の大雨では高知県、和歌山県、奈良県、三重県、愛知県、静岡県の6県に顕著な大雨に関する気象情報が出されました。そのうち、和歌山県、奈良県、三重県は初です。

 静岡県では24時間降水量が400ミリを超え、昨年9月の台風15号以来の大雨になりました。そのときも東海道新幹線は運転を打ち切り、帰宅の足に大きな影響があったことを思い出します。

関東の梅雨入りは?

 今年は先月までに沖縄、西日本、東海の各地域が梅雨入りしました。一方で、関東甲信、北陸、東北はこれからです。次はいつどの地域が梅雨入りするのでしょう。来週の天気図をみてみると、太平洋高気圧が強まり、梅雨前線が本州に沿って、停滞する予想となっています。

【5日間平均図】6/6~10の地上天気図(予想):ウェザーマップ作画、筆者加工
【5日間平均図】6/6~10の地上天気図(予想):ウェザーマップ作画、筆者加工

 関東甲信地方は次に雨が降るときが梅雨入りの可能性が高く、現時点(3日)では7日(水)が有力です。

この夏は雨多い予想

 今回、東京都心も記録的な大雨になりました。24時間降水量が200ミリを超えたのは2019年10月の令和元年東日本台風以来のことです。梅雨に入っていた、いないで区別するつもりはないけれど、梅雨を前にしては珍しい大雨だったと思います。

 これからは一年で最も雨が多くなる時季になるわけですが、最新の3か月予報(6月~8月)によれば、全国的に降水量が平年より多くなる見通しです。

【3か月予報(5/23発表)】6月~8月の降水量予想:ウェザーマップ作画
【3か月予報(5/23発表)】6月~8月の降水量予想:ウェザーマップ作画

 今後、エルニーニョ現象の影響で、太平洋高気圧の西への張り出しが弱くなり、夏を通して、湿った空気の影響を受けやすいとみられています。この湿った空気には台風の影響もあるでしょう。

 沖縄には「片降り(カタブイ)」という言葉があり、晴れていても急にくもって、土砂降りの雨になる現象です。この夏は本州でも「片降り」が頻発しそうな気がします。

【参考資料】

気象庁:3か月予報(6月~8月)、2023年5月23日発表

沖縄気象台ホームページ:沖縄本島の陸上で発生する不安定性降水(方言:カタブイ)について

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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