記録的な雪不足 解消のめど立たず

札幌市内の積雪は10センチ程度で、雪まつりの準備に影響も(写真:つのだよしお/アフロ)

 記録的な暖冬で、雪不足が深刻化している。日本海側の降雪量は12月に続き、今月上旬も記録的に少なくなった。今後も、寒気の影響は受けにくく、まとまった雪は降らない予想だ。

札幌で記録的な雪不足

 今月31日から始まる雪まつりに向けて準備が始まった札幌ですが、今年は例年以上に雪の確保が難しくなっています。札幌の今月上旬の積雪は9センチに留まり、1961年以降で最も少なくなりました。この時期の札幌は平均すると50センチ程度の積雪があり、ちょうど1か月前に、札幌を訪れたときとあまり状況が変わっていないことに驚いています。

 こちらは11日(土)正午の札幌周辺の積雪を示した図です。

1月11日正午の解析積雪深、気象庁ホームページより
1月11日正午の解析積雪深、気象庁ホームページより

 

 黄色で示された積雪50センチ以上の場所は限られ、多くのところで積雪が20センチ程度です。雪像作りに適した雪を、大量に用意するのは大変だと思います。

日本海側の降雪は史上最少に

 雪不足が深刻化しているのは札幌だけではありません。年が明けても、まとまった雪が降らないため、西日本、東日本、北日本すべての日本海側の降雪量は1961年以降で最も少なくなりました。スキーや雪まつりなど冬の観光が本格化するなか、地域を支える経済に影響が広がることが予想されます。

 最近の記録的な暖冬といえば、最大規模のエルニーニョ現象が発生した2016年を思い出します。しかし、この冬はエルニーニョ/ラニーニャ現象ともに発生しておらず、平常な状態が続いています。なにが原因なのでしょう?

北極に留まり続ける寒気

 ひとつは北極付近にある強い寒気が日本列島にやってこないこと。2週間気温予報資料にある北半球極渦指数をみると、年末から寒気が北極付近に留まっていて、日本列島が寒気の影響を受けにくい状況であったことがわかります。

北半球極渦指数(2週間気温予報資料より、著者加工)
北半球極渦指数(2週間気温予報資料より、著者加工)

 もうひとつはユーラシアパターン指数です。これはヨーロッパから日本にかけて流れるジェット気流に着目したもので、シベリア高気圧の強弱に対応しています。低指数のとき、寒気は西・東日本に流れ込まず、冬型の気圧配置が弱いことを表します。こちらも年末から低指数が続いています。

ユーラシアパターン指数(2週間気温予報資料より、著者加工)
ユーラシアパターン指数(2週間気温予報資料より、著者加工)

今月末にかけても冬型弱い

 最新の2週間気温予報によると、北海道は13日以降、寒気が流れ込み、気温が下がる予想です。一方、そのほかの各地は寒気の影響を受けにくく、今月25日にかけて気温の高い状態が続く見通しです。

 今後も、冬型の気圧配置は弱いため、日本海側の雪不足を解消するようなまとまった雪は降りにくい状況にあると思います。

 ただ、一気に雪不足を解消するような降り方となったら、逆に大雪による被害が心配されるでしょう。温暖化の進行は暖冬だけでなく、極端な天気を引き起こしやすくするならば、事態はより深刻です。

【参考資料】

平井雅之、伊藤普悟、2019:2.4 2週間気温予報向けの数値予報資料、平成30年度季節予報研修テキスト 2週間気温予報とその活用、気象庁気候情報課、20-26.

大野浩史、2019:3.2.2 テレコネクション、平成30年度季節予報研修テキスト 2週間気温予報とその活用、気象庁気候情報課、55-58.

気象庁:2週間気温予報資料(FAX図)、2020年1月11日

気象庁:2週間気温予報解説資料、2020年1月11日