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寒さ本格化と木枯らし1号

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
来月初めにかけて、日本海側では寒気の影響を受けやすい見通し(著者作成)

 記録的な暖秋から一転、寒さが本格化する兆しが見えてきた。14日から15日にかけて、東京地方で木枯らし1号が吹く可能性も。冬支度は待ったなし。

寒さ本格化の兆し

 タイトル表紙はこの先1か月の平均気温が平年より低くなる確率を示した図です。北日本ほど確率が高く、札幌は73%、青森と盛岡は65%、北陸や山陰では50%前後となっています。

 50%程度の確率ではさほど可能性が高いと思われないかもしれません。しかし、1か月予報の精度評価(言わば成績表)によると、予報確率が50%を超えた場合、実際に出現した割合は予報確率より10%以上高くなる結果がみられます。つまり、予想した以上にそうなりやすいのです。

 これまで気温の高い状態が続いていて、札幌では平年と比べ10日遅い初雪となりました。しかし、今後は坂道を下るように、寒さが本格化する可能性が高いと言えます。

七五三に木枯らし1号か?

 10月があまりに天気が荒れた反動でしょうか、今月の東京は小春日和が続いています。例年、東京地方の木枯らし1号は11月5日頃、今年はいつになるのでしょう?

 こちらは14日(木)夜の予想天気図です。低気圧が北海道付近で発達し、北・東日本では等圧線が非常に込み合っています。

11月14日夜9時の予想天気図(ウェザーマップ、著者作成)
11月14日夜9時の予想天気図(ウェザーマップ、著者作成)

 

 等圧線の間隔が狭ければ狭いほど、風が強く吹きます。14日(木)から15日(金)にかけて、全国的に風が強くなり、東京地方でも北西の季節風が強まる可能性があります。

 気象庁が発表する木枯らし1号は10月半ばから11月末までと期間が限定されているため、例年よりも早くても遅くても意味はありません。

 昨年(2018年)は期間中に強い北風が吹かず、木枯らし1号の発表はありませんでした。天気ノートを見返すと、12月半ばに木枯らしが吹いたようです。秋が暖かくなればなるほど、季節感の微妙なずれを感じます。

今月半ば 一段と寒く

 暖房器具、冬用タイヤ、コートや手袋などの冬支度はいつまでに済ませたらいいのか、今後の気温予想を見てみましょう。

 こちらは向こう1か月の予想天気図です。平年と比べ気圧が高い所を暖色で、気圧が低い所を寒色で示しています。

地上気圧予測図(11月9日~12月6日)、気象庁ホームページより
地上気圧予測図(11月9日~12月6日)、気象庁ホームページより

 大陸は平年と比べ気圧が高く、アリューシャン列島は平年と比べ気圧が低く予想されています。今後は西高東低の冬型の気圧配置が強く、寒気の影響を受けやすくなることがわかります。とくに、今月16日~22日は北日本の日本海側で雪がかなり多く、北・東日本で気温がかなり低くなる可能性が高い。関東地方でも乾燥と寒さが進みそうです。

【参考資料】

気象庁ホームページ:向こう2週間・1か月の予測資料

気象庁ホームページ:季節予報の精度

気象庁:全般季節予報支援資料1か月予報 予報期間:11月9日~12月8日、気象庁地球環境・海洋部、2019年11月7日発表

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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