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涼しい7月に オホーツク海高気圧で、気温上がらず

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
7月5日午前9時の地上天気図(ウェザーマップ、著者加工)

 このまま冷夏に?今年の梅雨は雨が多く、涼しい。今後、冷涼な風をもたらすオホーツク海高気圧が居座るため、気温の低い状態が続く見通し。

夏セールに冷ややか

 タイトル画像は5日(金)午前9時の地上天気図です。太平洋側に梅雨前線、北海道の北にはオホーツク海高気圧があり、典型的な梅雨の天気図です。

 東京の今月の日照時間はわずか3時間(5日まで)、ほとんど日差しがありません。昨年(2018年)の今頃は梅雨が明けていたことを思い出すと、今年の多雨冷涼が際立ちます。街では夏のセールが始まりましたが、心なしか盛り上がりに欠けているようです。

このまま涼しい夏になるのでしょうか?

 雨が多いこの時期は気温の変化が小さいですが、それでも気温は8月上旬に向けて、少しずつ高くなっていきます。だから、今の気温がそのまま続くだけでも、平年との差が広がり、気温が低い予想となります。

 では、7月前半の最高気温を昨年(2018年)、平年値、今年(週間予報を含む)で見てみましょう。

【東京】7月1日~12日 最高気温くらべ(7月5日午前11時の週間予報を参考にした、著者作成)
【東京】7月1日~12日 最高気温くらべ(7月5日午前11時の週間予報を参考にした、著者作成)

 5日の最高気温は24.5度と平年を3度ほど下回りました。6日(土)以降も平年を下回る気温が続く予想です。昨年と比べると、その差は歴然です。

さらに、その先は?

 先月から始まった2週間気温予報によると、15日(月・海の日)頃にかけても、気温の低い状態が続く可能性が高い。

2週間気温予報(7月5日発表)、関東甲信地方の平均気温を予想したもの(気象庁予報より、著者作成)
2週間気温予報(7月5日発表)、関東甲信地方の平均気温を予想したもの(気象庁予報より、著者作成)

 夏の高気圧=太平洋高気圧の張り出しが弱く、一方で冷涼な風をもたらすオホーツク海高気圧がしばらく居座る見通しです。

 このような気圧配置は典型的な冷夏型です。この状態が長く続けは続くほど、盛夏はやってこない。そう思いながら時間が過ぎていく。そろそろ答えがわかる頃です。

【参考資料】

気象庁:全般季節予報支援資料1か月予報(7月6日~8月5日)、2019年7月4日

気象庁:2週間気温予報

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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