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東京は5年ぶりの多雨 7月も雨多い予想 

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
関東地方の降水量は7月も平年と比べ多い見通し(気象庁1か月予報、著者作成)

 6月の東京の降水量は200ミリを超え、2014年以来5年ぶりに多くなった。今後、梅雨前線は本州付近に停滞し、活動が活発に。7月もくもりや雨の日が多くなる見通し。

今年は梅雨らしい梅雨に

 東京が梅雨入りしてから二十日が過ぎました。東京の梅雨期間は例年、40日くらいなので、およそ半分です。毎年、雨の降り方はさまざまですが、今年は梅雨らしい天気が多い印象、その証拠に今月の降水量は213ミリ(27日まで)で、6月としては2014年以来、5年ぶりに200ミリを超えました。

 梅雨全体の雨は約320ミリですから、すでに3分の2に達しています。今年の東京は前半から雨が多くなっています。

【東京】梅雨の降水量(2019年)を示した円グラフ(著者作成)
【東京】梅雨の降水量(2019年)を示した円グラフ(著者作成)

 

7月も雨多い予想

 梅雨の後半も雨は多いのでしょうか?

最新の1か月予報によると、関東地方の向こう1か月の降水量は平年と比べ多いとみられます(タイトル表紙)。

 今後は夏の高気圧が強まるため、梅雨前線に向かって南から湿った空気が流れ込むでしょう。また、オホーツク海にも別の高気圧が予想されています。この2つの高気圧に挟まれて、梅雨前線が動きにくく=停滞しやすく、7月もくもりや雨の日が多くなりそうです。

向こう1か月の地上気圧予測図(気象庁ホームページより、梅雨前線は著者加工)
向こう1か月の地上気圧予測図(気象庁ホームページより、梅雨前線は著者加工)

 

 つまり、梅雨らしい天気がまだまだ続く。梅雨だから、と言われれば、そうなのだけれども、ため息しかでません。

梅雨明けの見通しは?

 例年、東京の梅雨明けは7月21日頃です。7月も平年と比べくもりや雨の日が多いとなれば、梅雨明けはいつになるのでしょうか。

 今のところ、夏の高気圧の影響するフィリピン付近の対流活動は7月後半、不活発とみられています。そうならば、夏の高気圧が強まらず、梅雨明けが遅れることも考えられます。しかし、まだはっきりと言える段階ではなく、状況を注意深く見ていきたいです。

【参考資料】

気象庁:全般季節予報支援資料 1か月予報、予報期間:6月29日~7月28日、2019年6月27日発表

気象庁ホームページ:向こう2週間・1か月の予測資料

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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