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亥年はスーパー暖冬? 1月も気温が高い見通し

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
最新の1か月予報によると、1月も全国的に気温が高い見通し(著者作成)

 1月も暖冬の可能性。寒気が弱く、東日本以西では暖かい空気に覆われやすいという。平成になって暖冬続き、前回の亥年(2007年)はスーパー暖冬だった。

年末寒波があっても、12月は暖かく

 先月(12月)は月初めの夏日から年末寒波まで、ダイナミックに天気が変化し、振り返れば全国的に暖かい12月でした。

 そういえば、1か月前の今頃はスキー場の雪不足が話題に。目先のことに注目しがちなのは今に始まったことではないけれど、最近はその傾向が強まったように感じます。

寒気弱く、1月も気温が高い予想

 6日(日)は小寒です。これからが一年で最も寒い時期、今年はどんな寒さになるのでしょう?

 こちらは向こう1か月間(1月5日-2月1日)の気温の予測図です。暖色は平年と比べ気温が高く、寒色は気温が低いことを示しています。

850hPa気温予測図(1月5日-2月1日)(気象庁ホームページより)
850hPa気温予測図(1月5日-2月1日)(気象庁ホームページより)

 日本列島のほとんどが暖かい空気に覆われる予想です。さらに、寒気の出発点である大陸北部もオレンジ色で、シベリア高気圧が弱く、西日本や沖縄ほど寒気の影響を受けにくいとみられます。

 そのため、気温が平年を下回る(一段と寒くなる)確率は北海道で約30%、そのほかの各地は10%程度と非常に低くなっています。もちろん、この時期は寒いのが当たり前ですから、暖かいといっても限りがあります。寒さのなかの暖かさを表現するのは難しいです。

「平成」は暖冬続き

 これまでの冬の天候(東日本)を振り返っていたら、あることに気がつきました。

 冬の平均気温が平年より高くなった上位10年をみると、全体の8割が「平成」なのです。これは1946年(昭和21年)以降をみたもので、背景には年々、気温が高くなっている温暖化の影響があります。たぶん、平成が特別なのではなく、次の時代になれば、また見方が変わるでしょう。

【東日本】冬の平均気温の高い方順位(著者作成)
【東日本】冬の平均気温の高い方順位(著者作成)

亥年の冬は?

 平成は暖冬ばかり、そのなかでもスーパー暖冬だったのは2007年です。そう、前回の亥年です。2007年冬は全国的に気温が高く、西日本と東日本は統計史上最も暖かい冬でした。

 石川県金沢市では1891(明治24)年に観測が始まって以来初めて、1月の積雪がゼロになりました。また、東京では冬の間、雪がまったく降らず、3月16日になってやっと初雪が降りました。3月に降っても初雪と言えるのか、困惑したことを思い出します。

【亥(いのしし)年】冬の平均気温平年差℃(著者作成)
【亥(いのしし)年】冬の平均気温平年差℃(著者作成)

 12月も暖かく、1月も暖かいとなれば、この冬はかなりの暖冬となりそう。亥年は暖冬と限った話ではありませんが、不思議な共通点に興味を持ちました。天気が予想通りに推移するのか、注目しています。

【参考資料】

気象庁:1か月予報(1月5日-2月4日)、2019年1月3日発表

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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