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#前澤友作 』という名のソーシャル時代の『スパム spam』から身を守る方法

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
出典:前澤友作さんのリンク集

KNNポール神田です。

NTTドコモが『迷惑メール展』を開催中である。

NTTドコモは(2022年)2月15日、迷惑メールの実例を展示するWebサイト「迷惑メール展」を公開した。「通販」「クレジットカード・銀行」「携帯キャリア」といったジャンルごとに、迷惑メールの文面と手口、対処法を公開している。期間は3月18日まで。

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2202/15/news099.html

いろんな迷惑メールの手口が公開中だ。

https://www.nttdocomo.co.jp/special_contents/meiwakumailten/

出典:NTTドコモ『#迷惑メール展』
出典:NTTドコモ『#迷惑メール展』

『迷惑メール』は、誰が何のためにと思うことが多々あるが、迷惑メールで一番困惑しながらも浸透している会社は『ランチョンミート』の登録商標『スパム』を販売する1891年創業の米国『ホーメルフーズHormel foodsHRL)』という会社だろう。

イギリスのコメディグループ『モンティ・パイソン』が、レストランで肉の缶詰のSPAMの売りこむために、『Spam!Spam!Spam!』を連呼して、店員が迷惑行為をするギャグを披露してからは『SPAM=迷惑行為』として浸透していた。

それを、モンティ・パイソン好きなハッカーたちが『迷惑メール』のことを『SPAM mail』と表現したことによって、一気に『スパムメール』としても認識されるようになったのだ。

空飛ぶ『モンティ・パイソン』の『SPAM』

出典:公式MontyPython

https://www.youtube.com/watch?v=mBcY3W5WgNU

当のホーメル社は、缶詰の製品は『SPAM』として、迷惑メールは『spam』と表記するようお願いするにとどまっている。

Hormel社の場合、商標を保護する圧力はそれほど顕著ではない。なぜなら、同社の名前が使われているのは、迷惑メールであって、豚肉とは何の関係もないからだ。同社のトップブランドが新たに使われることは、実はホーメル社に利益をもたらすかもしれないと考えた。より多くの人がスパムについて話したり考えたりすることで、より多くの人がSPAMを買ったり食べたりするようになるという理論だ。

https://www.wired.com/2001/05/a-brief-history-of-spam-and-spam/

不名誉な呼ばれ方でありながらも、商標としての『SPAM』が浸透するのはある意味、『ミシュラン・ガイド』としてのタイヤの『ミシュランタイヤ』や『ギネスブック』としてのビール会社の『ギネス』のように、会社にとってもやはり利益の方があるのだろう。

迷惑メールを総称するスパムメールは小文字の『spam』を使うということにとどまっている。

■前澤友作のfacebookはすべて偽アカウント

さて、『宇宙からのお金贈り』…という自論のもとにベーシックインカムを実現しようとしている前澤友作さんも、SPAMのホーメル社と同様に、迷惑spamも、PRの一貫として偽アカウントを放置しているのだろうか?

いや、少なくとも、公式はこのリンク集にあるかぎりで、facebookは含まれてはいない。

https://linktr.ee/yusaku1717

出典:linktree
出典:linktree

twitter

https://twitter.com/yousuck2020

twitter English

https://twitter.com/yousuckMZ

Instagram

https://www.instagram.com/yusaku2020/

YouTube

https://www.youtube.com/c/YusakuMaezawaTV

note

https://note.com/ysk2020/

kifutown

https://www.kifutown.com

このリストに、Facebookは存在しない…。

つまり、膨大なfacebookで検索される『前澤友作』はすべて偽物と判断できるのだ。アイコンや似たような名前はいくらでも細工できてしまう。いくら、公式とか書いてあってもFacebookの前澤友作は偽物である。絶対にシェアなどしないように!

出典:Facebookで検索
出典:Facebookで検索

しかし、一番カンタンなのは、本物の前澤友作ご本人が『facebook』を作り、本人が名乗りでるのが正解だと思うが、それをやらない理由は2つある。

1つは前澤友作さんが、何らかの理由があってFacebookは使いたくない。そして、もう1つは、実名制のリストを公開したくないのどちらかであるだろう。

Twitterや、instagramなどはメールアドレスや電話番号があれば誰にでも簡単に作れてしまう。しかし、それと本人の紐付けは容易ではない。

しかしfacebookでは実名制という本人の実名を基本とする文化があり、その友達も実名である可能性が極めて高いからだ。

twitterの前澤友作さんのフォロワー数1,130万人を見るだけで、『お金贈り』に興味があるリストが世界に大公開されているようなものだ。

そう、お金が欲しい、もしくは、もらいたい人が大挙フォローしているので、カモがネギをしょっているような『カモネギリスト』といえるだろう。

それでなくても、前澤偽アカウントが大量に存在するから、アプローチしやすい。それが、Facebookの実名ともなるとフォローする人だけでなく、偽アカウントをフォローした、たった1人から、その友達全員までが可視化できてしまう。友達の友達は、自分の友達とはいえないSNSの時代だ。

安易に前澤友作Facebookをフォローするような友達は、すぐに友達リストから削除すべきなのだ。なぜならば、その友達のリストもカモネギリストとして悪意のあるものに渡ってしまうからである。

SNSのアカウントだけではなく、実名制のFacebookであればいろんな悪意ある行動の選択肢は増える…。

Facebookで前澤友作さんをフォローする友達を、Facebookから削除するのは、ソーシャル時代の『スパム spam』から自分を身を守る方法のひとつだ。

また、やっかいなのが、このリンク集には、LINEの前澤友作アカウントは存在しないことになっている。

https://linktr.ee/yusaku1717

しかし、『kifutown』の『 #宇宙から全員お金贈り 』に申し込むにはLINE IDを教えておく必要がある。

前澤さん『 #宇宙から全員お金贈り 』で知っておきたいその本当の理由

https://news.yahoo.co.jp/byline/kandatoshiaki/20211221-00273666

そして、そのLINEにも偽前澤友作がたくさん存在している…。

そうかと思えば… LINEしてのTweetもある。

まずは、このLINEアカウントが、前澤友作さんの公式のLINEであれば、まずは公開しているリスト集のLinktreeに事前に加えるべきである。

https://linktr.ee/yusaku1717

偽アカウントの存在から、身を守るために、前澤友作氏がすべきことは、自ら自身が公言しているルールを守ることだ。

我々が、本物かどうかを判断するのは前澤氏のこのリンク集にしか担保されていないからだ。

なぜ?LINEのアカウントを公式のリンク集に掲載しないのか?

インターネット衣料品通販大手「ZOZO」の創業者で前社長の前澤友作氏がLINE公式アカウントをスタートさせた。

https://www.iza.ne.jp/article/20200821-36VRLZ5IL5L6DAIDBKA24KIMMA/

宇宙旅行で、100億円近い金額をロシアの会社に、提供していながら、NO WARのメッセージは伝わりにくい…のと同様、おこなっていることの整合性をここはぜひ、示してほしいものだ。

前澤氏の側近も気づいていることだと思うが、理想の社会を作るためにはお金贈りだけでなく、ユーザーへの気配りの方がもっと大事なのだ。

崇高なヴィジョンがspam化するのはもったいない限りである。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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