『ワクチン予約システム』UIやUXを考えてほしい…。明治時代から誕生年を探す誕生日入力
KNNポール神田です。
ワクチン接種の予約が、電話だけではなくスマートフォンで『簡単に』入力できるというが…。実際に触れてみると…とても『カンタン』とはいえないシロモノだった…。
■『生年月日』をいれるのだけでも一苦労…明治時代から悠久の歴史を指でたどる…
普段、スマートフォンを使いなれない義父(65歳)の予約を手伝うために『ワクチン予約』のための、スマートフォンの遷移を観察させていただくと…。
年号の『プルダウンメニュー』はなんとかクリアできたようだが、『誕生年』を入力するために、120年前の、1901年(明治34年)からの悠久の日本の歴史をなんと、さかのぼっておられたのだ…。ちなみに、日本の最高齢の田中カ子さんは現在118歳だ。
さらに、日本語入力のインプットメソッドが大半の画面を占拠していた画面なので、
明治時代から2年ごとに、歴史を指でさかのぼっておられる…。これは、ご苦労さまである…。インプットメソッドの終了方法まではむずかしいようだ。
なぜに、こんなUIになっているのかという気持ちと、日本の高齢者のみなさんがこのUIの『システムハラスメント』の犠牲者になっておられると思うと胸が痛くなった…。
■誕生日入力の『UI UX』を『DX』すると、生産性がもっとあがる!
誕生日の情報は、西暦と月と日の 8桁の情報さえあればワンボックスで入力できるはずだ。
しかし、『西暦』を『プルダウン』で選ばせようとすると、長々と大変なことになってしまう。
スマートフォンであれば、タップでもかなりスワイプしなければならない。
しかし、8桁の仕様にすれば、すんなりと、西暦を『4桁』入力するだけでいとも簡単に入力を完結することができる。誕生日までは、8桁あれば入力することができる。
https://blog.gaji.jp/2020/06/25/4257/
入力前に、半透明で見本事例があれば容易に理解できるはずだ。
これであれば、西暦さえ覚えていれば、5秒で入力は完了できるはずだ。
むしろ、元号は文化として残し、実務上ではすべて『西暦』にすべきではないだろうか?
■『予約カレンダー』には『○△X』の表示もなし
最終的にはどの日程のカレンダーを押すこともできず、『○△X』も見当たらないカレンダーで押すこともできない…。
『現在、ご予約ができない状況となっております。日時を改めてご確認ください。』
自治体のコールセンターへ、連絡すると、自治体側は更新されているが、お客さまのデータは更新されていないのでしばらくしてからアクセスしてほしい旨をアナウンスされる。
これだと、散々入力してからでないと、結果がわからない状況だ。
インターネットの予約システムとはいいながらも、アップデートされているかどうかが
ローカルのデバイス側でも認知できる方法がほしい。
もしくは、一度入力したものを一時保存できる方法はないのか?
この状況で24時間いつでも予約といわれても、予約したくても予約ができない状態だ。
■IT系デバイスの利用・活用・運用は手法は、全国統一仕様にすべきではないか?
今回のワクチン接種予約のように、65歳以上が一斉に、スマホやPCでネット経由で、操作をするというのはおそらく、日本で初めての試みではないだろうか?
いや、今後の行政サービスを考えたら、このような基礎部分こそ、政府・自治体は自前で構築しておくべきだと筆者は考えている。そんなに何億円もかかるしくみになるわけがない。マイナンバーという国民IDもあるからだ。
基本システムは、政府が主導し、開発し、それを自治体が無償で提供を受ければ良いのだ。それを各地方自治体の『自治』にまかせているから無尽蔵に各自治体でバラバラなシステムが乱立することとなってしまう。
中央集権のシステムにするのではなく、データの持ち方は各自治対にまかせ、仕様やUI、UXを統一すればよいだけだ。それだけで運用は容易となり、予算も人財も削減できる。
ましてや『マイナンバーカード』の発行業務を地方自治体に押し付けたのだから、マイナンバーの活用などは同じ『仕様』で全国共通にすべきではないだろうか?
■なぜ? ここまで 使いにくいウェブ予約システムになるのか?
自治体ナンバーと、10桁の番号をいれて、接種会場の予約日時を取得するだけなのに、どうして、こんなにもむずかしくなってしまうのか?
MRSO新型コロナワクチン接種ポータルサイト
https://www.mrso.jp/portal/covid19-vaccine/web-reserve.html
お住まいの自治体のサイトから予約システムへ遷移していく流れだ。
受託先は マーソ株式会社
https://www.mrso.co.jp/lp/covidvaccination/
一体、誰がいつ、どのようなプロセスを経て、このように受託先が決まるんだろうか?
■『マーソ株式会社』は、竹中平蔵氏が経営顧問の会社だった!
菅内閣の竹中平蔵元経済財政担当相
金融担当大臣
経済財政政策担当大臣
https://www.kantei.go.jp/jp/koizumidaijin/020930/17takenaka.html
パソナグループ会長としても知られる竹中平蔵先生はマーソ株式会社でも、経営顧問として、こちらでも活躍中であった…。
https://www.mrso.co.jp/company/
こういった『利益供与の可能性』についても、『デジタル庁』には深く切り込んでいったいただきたいと期待している。