KNNポール神田です。

出典:2021年03月29日WBS
出典:2021年03月29日WBS

2021年03月29日のテレビ東京の『WBS』の23時から22時へ移動したリニューアルの第一回の放送に、ソフトバンクGの孫正義社長が生出演した。この時期にいったいなぜ、突然の生出演?という疑問を抱いたが…『クーパンcoupang』のIPOの話題になったので、社長直営業であることを理解できた。

クーパンの2020年の売上高は、1兆3,000億円 物流拠点は100ヶ所以上

出典:2021年03月29日WBS
出典:2021年03月29日WBS

『クーパン』のIPOと日本での展開は?の質問に孫社長は『ヤフージャパン(ZHD)とは相談している』とリップサービスを聞かせた…。また『WeWork』の『SPAC上場』についても言及された。

クーパンは、IPO直後とWBSの出演後に『クーパン』はGoogleトレンドでは急上昇している。

出典:Googleトレンド
出典:Googleトレンド

■ソフトバンクGの、SPAC上場はすでに3社目 1,000億円超え

『SPAC(特別買収目的会社)』とは、上場する箱となる企業だけを先に上場させる手法で「ブランクチェック・カンパニー(白紙小切手企業)」とも呼ばれれ、東証などでも検討されている。。

2021年01月12日『SVFインベストメント・コープ』6億375万ドル(637億円)調達。

2021年03月09日『『SVFインベストメント・コープ2』2億3000万ドル(230億円)調達。

2021年03月12日『クーパン』IPO 

2021年03月19日『LDHグロウス・コープ』2億ドル(200億円)調達。

第4、第5『SPAC上場』で『金の卵の製造業』としての成果をみせようとしている。

■『クーパン』とはどんな企業か?

https://ja.wikipedia.org/wiki/クーパン_(企業)

ソウル生まれのキム氏は中学時代に米国に渡り、後に米国籍を取得。ハーバード大学で行政を学びながら、大学生ライターのアイデアを議論する学生新聞を始め、2001年にニューズウィーク誌に売却した。その後もベンチャー事業に取り組み、別のメディア会社を09年に売却した後、ハーバード大のビジネススクールを中退。韓国に戻り、共同購入クーポンサイト運営のグルーポンのビジネスモデルに触発され、10年にクーパンを創業した。同社は14年には韓国で初めて企業評価額が10億ドルを超える未上場企業、ユニコーンに成長していた。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-03-12/QPTSMXDWLU6A01

2021年3月12日、韓国のECプラットフォーマー大手の『クーパン』が米国ニューヨーク証券取引所(NYSE)にIPOをした。久しぶりの『Alibaba』以来のメガIPOとなった。

出典:2021年03月29日WBS  
出典:2021年03月29日WBS  

https://txbiz.tv-tokyo.co.jp ビジネスオンデマンドで視聴可能

□韓国の電子商取引大手クーパンのニューヨーク上場初日の取引は、株価が新規株式公開(IPO)価格を上回る水準で推移した。IPOは46億ドル(約4,600億円)規模と、米国でウーバー・テクノロジーズ以来の大型IPOとなった。時価総額は一時、1,000億ドル(10兆円)を超えた。

□ソフトバンクの持ち分の価値は約280億ドル(2.8兆円)となった。https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-03-11/QPTGOGDWX2PU01

■2014年の『アリババ』IPOでは2.5兆円、今回の『クーパン』では2.8兆円調達

ソフトバンクは、2014年のアリババグループのIPOでは250億ドル(2.5兆円)規模だったので、今回の 『クーパン』のIPOはアジア企業の米国上場としてはアリババクラスと考えてもよいだろう。2019年の『ウーバー』は81億ドル(8,100億円)だった。

ソフトバンクGの運用するソフトバンクヴィジョンファンドは、2015年に10億ドルの出資、2018年に追加の20億ドル出資、合計30億ドルの出資をおこなっており、現在では35%の筆頭株主である。

韓国のEC市場規模は2018年時点で500億ドル(5兆円)、2025年には約1,020億ドル(12兆円)と予測されてている。

一方、日本のEC市場規模は2019年時点で10兆515億円と、韓国の約2倍の市場だ。

市場の小さな韓国だけを見込んでの米国でのIPOではなく、世界に深夜のロケット配送を企てているのが、『クーパン』だとすれば、日本の市場ほど、シナジーが活かせる市場はないのではないだろうか?

日本のEC市場は、百貨店の市場規模の約6.3兆円やドラッグストアの市場規模の約6.8兆円を超えており、コンビニの市場規模約12.2兆円に迫る勢いだ(経済産業省「商業動態統計月報)。

https://www.hit-mall.jp/blog/news/column-010.html

■寝ている間に届く『ロケット配送』

出典:クーパン ロケット配送対象商品
出典:クーパン ロケット配送対象商品

クーパンロケット配送対象商品

クーパンの最大の強みは『ロケット配送』と呼ばれる、夜の23時までに注文すると、朝の6時には玄関に『置き配』されているのが『ロケット配送』の強み。

しかも、配送料金が『無料』だという。

これは市場を奪取するための『無料』だと考えられるがかなりのアドバンテージがあるだろう。

食料品や雑貨を中心に、約1億2000万種類以上の取り扱い商品のうちの400万種類の商品(3.3%)は『ロケット配送』が可能であり、深夜の道路の混雑しない時間帯に配達できるところがユニークだ。つまり、眠る前に注文すると、翌朝には届いているという構図だ。

■日本の流通とのシナジーは?

『クーパン』は、ソウルに本社を置き、北京や上海、ロサンゼルス、シアトル、シンガポールにもオフィスを構えているという。日本での『深夜ロケット配送』の可能性はどうだろうか?

従来の日本の流通業者は、すでにコロナ禍ニーズで動けないが、深夜の『置き配』が可能ならば、話は別だ。日本の『UberEats』などの個人事業者としての契約であれば、深夜時間もしくは、超早朝勤務であれば『副業』としての可能性も考えられるだろう。

何よりも、道路が混雑していない時間帯での宅配はメリットがある。しかし、都内のマンションのように無断で入れない、宅配ボックスにも限りがある場合を考えると『クーパン』型の宅配は難しそうでもあるので、一考の余地はある。

ただ、『amazon』や『楽天』を相手に『ヤフーショッピング』『PayPayモール』『ZOZO』を持つ、『ZHD』にとっても、深夜のロケット配送であれば『LOHACO』のようなチャネルともシナジーが合いそうだ。

そう、日本では、牛乳ビンが配達され、玄関口に『置き配』されてきた歴史がある。しかもコロナ禍で置き配がアマゾンなどでも推奨されだしてきている。

特に、高額でない日曜品の食料品や雑貨であれば『置き配』対応でも好まれる可能性はある。

何よりも、朝、玄関口に食料品が届く、くらしを経験すると後戻りできそうにない体験であればソフトバンクGがPayPayのような100億円ばらまきのようなキャンペーンでも『顧客生涯価値(LTV)』が取れるのであれば、ぶちこんできてもおかしくなさそうだ。