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『天皇誕生日』で『ヤフーファイナンス』は本日お休み。これをしっかりと伝えなければヤフーではない!

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
20時すぎても完全復旧できていない 出典:ヤフーファイナンス

KNNポール神田です。

人のミスにはあまり追求したくない。しかし、ヤフーニュースにこのインシデントが、まだ継続中であるのに関わらず、『ヤフー!トピックス』として継続して掲載されていないことに、この組織の危うさを感じている。ヤフーの報道メディア部門だからこそ、自社部門のケアレスミスには最大規模で批判的であるべきだと願いたい。

□ヤフーが運営する金融情報サイト「ヤフーファイナンス」で、日経平均株価や国内株などの指数が一部表示されないトラブルが発生している。

□上皇さまの誕生日(2019年12月)23日は、代替わりにともない休日ではなくなっているが、「システム上の変更を行わず、祝日としていた」という。

出典:祝日と勘違い 金融情報サイト「ヤフーファイナンス」で障害

■本日は『旧・天皇誕生日』で祝日状態であったという稚拙すぎるケアレスミス

twitterを見て、思わずFAKE NEWSかと思ってしまったほどだ。

■シンプルにヤフーファイナンスは『祝日』と勘違いしていた

何よりも、用意周到に、計画的に『平成』から『令和』に引き継がれてきたと思う。システム上のトラブルを避けるために、やるべきことは明確だったはずだ。消費税10%や軽減税率や持ち帰りなどとの超、複雑な勘定系のシステム担当者も大した事故をおこさずに乗り越えてきた。

しかしだ、ヤフーファイナンスは、今日を『祝日』と勘違いしていた…。そして、20時すぎた段階で完全復旧できていない。

■障害情報をアップした時間はいったいいつ?

筆者は情報システム担当部署や基幹システムに詳しいジャーナリストではないが、この障害情報の決定的なミスに、この組織のセクショナリズムに苛立ちを覚えている。

この20時以降にアップされた文書のようだが、どこにもアップされた時刻の打刻がない。また、障害がいつ発生したのかの発生時間の説明が一切ない。そして、問題は、この20時以降のリリース1本だけだったのか? いや、最新アップデートと共に障害情報は時系列にストックしておかなければならないはずだ。

ヤフーファイナンスのページには…現在はこのリリースがあるのみだ

唯一残っているヤフーファイナンスからの障害情報 出典:ヤフーファイナンス
唯一残っているヤフーファイナンスからの障害情報 出典:ヤフーファイナンス

本日の日本株・国内指数における障害について(20時00分現在の復旧状況)

…とあるだけだ。

このような、一分一秒を争う、ファイナンス情報の障害情報なのに時刻の記載のないリリースを出しているのだ。

これを何千人もエンジニアを抱える企業の組織として不思議に思う人はいないのだろうか?

しかも障害理由がこれだ…。

原因は12/23を誤ってシステム上祝日としていたことによるものです。

現在復旧作業を行なっております。ご迷惑をおかけいたしますが復旧まで今しばらくお待ちください。

なお、本日(12/23)株式市場は通常通り取引されております。

https://finance.yahoo.co.jp/feature/information/archives/1223.html

障害情報はこの情報1本のみだ…。そして、ヤフーのサイトにはどこにも障害情報の文字が見当たらない。ヤフーファイナンスだけの責任で良いのか?ユーザーにとっては、ヤフーもヤフーファイナンスもZHDも同じブランドなのに…。

朝からのトラブルなのに20時すぎたこのリリース1本しかない… 出典:ヤフーファイナンス
朝からのトラブルなのに20時すぎたこのリリース1本しかない… 出典:ヤフーファイナンス

休日の変更が、大型の基幹システムとひもづいていたらどれだけ大変なのかは、筆者には想像がつかない。しかし、他の株価情報サイトや証券会社では一切トラブルが起きていないことを鑑みれば、ヤフーファイナンスの失態はケアレスミスとしか言いようがないのではないだろうか?

■すぐにでも責任者が説明すべきである

今、すぐにでも責任者の声でも、直筆でも、現状を説明すべきなのである。

復旧の予測や計画はどうなっているのか? 明日にまで障害が及ぶのか?

これは、有償、無償のサービスに関係なく、いままで、ヤフーファイナンスを使い続けているユーザーに対して、ヤフーファイナンス側のリーダーシップを見せるべきところでもある。

これができない組織は危機管理体制をゼロから構築すべきだ。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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