メルカリNOW、即時買い取り二次市場が激アツな理由

KNNポール神田です!

フリーマーケットアプリ運営最大手のメルカリは(2017年11月)27日、洋服などのブランド品を即時買い取りするサービス「メルカリNOW(ナウ)」を始めた。メルカリのアプリ内で売りたい品を分類して撮影するだけで買い取り金額が表示され、OKすれば数日で登録した銀行口座に振り込まれる。従来のメルカリに比べて不要品を早く換金できるのが特長で、初日からアクセスが殺到。

出典:メルカリの即時買い取り、17分でパンク 初日からアクセス殺到

メルカリが、即時買い取りサービスの『メルカリNOW』を開始した。何よりも、従来のアプリのタブに「NOW」の表示がなされているので、メルカリユーザーであればそのまま利用ができる。『メルカリ』との違いは、出品と同時に、すぐに現金化できるところが最大のメリットだ。登録ユーザーは、すぐに現金化したければ「NOW」で出品すればよい。メルカリアプリは、6000万以上ダウンロードされている。開始17分早々、アクセス不可となったが、1日1,000万円(毎日10時リセット)月間3億円をめどに買い取りを開始した。

メルカリNOWのしくみ

1.「メルカリ」はオークション型でなく、フリーマーケット型(フリマ)なので売れるまでの時間が早い。

2.それでも「質問」や「購入していいですか?」「値下げ可能ですか?」などのコミュニケーションが発生するが、メルカリNOWは出品し、即現金化するので、やりとりは不要。

3.メルカリNOWは、ブランド・製品名、写真、使用程度感のみで、その場で買い取り価格が明示され、その場で入金される。

4.自宅までの集荷も無料。ユーザーは集荷期限までに、梱包だけすればよい。

5.メルカリ100%子会社の「ソウゾウ」が「メルカリ」内でショップとして販売する。

つまり、「メルカリNOW」は

1.膨大な「メルカリ」の販売実績データベースから買い取り査定金額を設定し、

2.現金を先払いすることにより、買い取り価格と販売価格の差「アービトラージ」で稼ぐ。つまり、中古品の買い取りと再販売を同時に行っているからできる仕組みなのだ。

3.同時にメルカリは手数料ビジネスから、仕入れから販売までの一気通貫ビジネスに参入したと言える。

同様のビジネスモデルに、2017年11月21日にDMMが70億円で買収したばかりの「CASH」がある。一時、返金を15%の手数料でキャンセルできることから「貸金業」としての疑惑をいだかれたが、現在はキャンセル手数料は無料としている。2017年8月から再展開し、現在は70億円の潤沢なキャッシュが買い取りを支えている。メルカリNOWとちがいCASHは、販売するプラットフォームは特定していない。また、最低買取金額を1,000円以上とした。この「即時買い取り市場」がアツくなってきた。スマホで撮影するだけで、見積もれるのはゲーム感覚のようで楽しい。

アービトラージと両手の手数料ビジネスモデル

写真を撮影するだけで金額査定がはじまる 出典:メルカリNOW
写真を撮影するだけで金額査定がはじまる 出典:メルカリNOW

「メルカリNOW」の一番ユニークなところは、ブランド品をスマートフォンで写真を撮影しただけで、入金されるところだ。査定金額は、お世辞にも高いとは言えない…。いや、すぐにでも換金したい人にとっては、その換金までの時間や手間のほうが問題だったのだ。簡易の梱包さえできれば、宅配便の代金も発生しない。むしろ

「メルカリNOW」は、「フリマアプリ」に関する手間をすべて解消したサービスといえるだろう。残るは梱包の手間くらいだろう。手数料は無料だが、その分買い取り価格に、それは反映されている。メルカリ側から見れば、単にアービトラージだけではなく、二次流通市場においての販売者からの「片手」だけの手数料10%ビジネスが、先払い現金仕入れ価格で仕入れ、短期であれ在庫を抱え、ユーザーに「メルカリ」で販売するという「仮想店舗」のビジネスに参入したといえる。これは、先行事例の「ゾゾタウン」にも例えることがいえる。

ゾゾの二次流通の錬金術

『ゾゾタウン』の売り上げは764億円(2017年3月期)だが、二次流通品の『ゾゾユーズド(2012年開始)』は約2割の129億円(2017年3月期)を占めている。さらに『買い替え割』の利用が約4割を占めるという。『買い替え割』とは、ゾゾで販売した商品を下取り、さらに新品に買い替える際に割引するというシステムだ。つまり、ゾゾで買って、ゾゾで売って、ゾゾで割引されて、ゾゾを買うというサイクルだ。

 メルカリNOWにもこの手法は考えられるが、金銭が介在することによって「資金移動業者」としての側面で金融庁らが難色を示すという。まさに、旧態依然とした法律が自ら、ニッポンを「シェアリングエコノミー退国」へと落とし込む。

激戦化するリユース市場と二次流通

今まで「リユース市場」というと、店舗型がほとんどであったが、現在はネット型におけるCtoCからネットと店舗というハイブリッド型まで多種多様な「二次流通」の業態が登場している。

2017年11月20日にローンチしたヤフーの『カウマエニーク』は、実店鋪のあるBOOKOFFなどと組んだハイブリッド型だ。現金買い取りだけではなく、最大35%のTポイントを介在することによって、退蔵ポイントによるキャッシュアウト化の防止やTポイント経済圏での流通活性化が期待できる。

『消費者』という言葉が消える

何よりも、フリマアプリの「メルカリ」の売り上げは122億円(2016年7月期第4期決算公告)、昨年だけでも手数料10%とすると、取扱高は、メルカリ単一でも1220億円のCtoC市場である。

これらの二次流通の成長と共に、かつて消費者と呼ばれていた人は、最終消費者ではなくなった。つまり「消費」ではなく「再販者」であり、同時に消費された商品は限りなく「共有」される商品となってきている。アルビン・トフラーが提唱した「プロシューマー(消費生産者)」の概念に近い。

 同一で同様のものを、大量生産、大量消費が支えた時代から、最新製品を必要とする人から、二次流通、三次流通でよい人まで、さらに多様化してきたのだ。そして、流通の流れが、消費者の中でもさらに階層化していったと考えることができる。結果として良いものは、オーナーを変えても価値を持ち続け、質の悪い粗悪なものは排除されるというマーケティングからオーセンティックな製品の時代へシフトしている。マルチなオーナーに支持される製品こそが「ブランド」と呼ばれることにふさわしい時代になった。