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VR版「進撃の巨人」がネットカフェで体感できる『VR THEATER』開始

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

KNNポール神田です!

ネットカフェでVR体験が手軽となった
ネットカフェでVR体験が手軽となった

2016年04月07日(木)より、ネットカフェでVRコンテンツを視聴できる『VR THEATER』サービスが開始となった(関東地区31店舗)。『VR THEATER』は、VRコンテンツを提供するejeとインターピアの課金・決済システム。一般社団法人 日本複合カフェ協会と協力し、全国のネットカフェなどの店舗内VRを展開中。

日本の良質なVRを紹介する「VR CRUISE」が全国のネットカフェでバーチャルリアリティ映画館「VR THEATER」を上映開始!360°動画ポータル「VR CRUISE」のコンテンツ各種作品をお楽しみいただけます。「進撃の巨人展 360°体感シアター “哮”」は、有料VR視聴サービス(600円)です。また第2弾として世界初公開となる「攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver」(15分)※の公開が決定!※第2弾の公開日時および導入店舗は現在調整中

出典:全国のネットカフェでヴァーチャル・リアリティ映画館「VR THEATER」が上映開始!

自遊空間 BIGBOX 高田馬場店での記者発表4月5日
自遊空間 BIGBOX 高田馬場店での記者発表4月5日

VRコンテンツの制作キュレーションを行うejeの三代千晶氏は、「複合カフェ(ネットカフェ)で仮想現実(VR)コンテンツを体験できる「VRシアター」サービスを2016年4月7日(木)に始めると発表し、年内に1,000ヶ所を作りたい、日本国内VRの接点ポイントへと拡大したい」と語った。VRのデバイスの出荷台数だけではなく、複合カフェなどでのVRコンテンツの消費という面が増えたことにより、コンテンツホルダーやクリエイターのモチベーションが維持できるようになるのだ。

VR THEATERでコンテンツとの接点が増える
VR THEATERでコンテンツとの接点が増える

2016年はVR『視聴』元年

2016年、今年は「VR元年」になると予測されている。しかし、「電子書籍元年」同様に「元年」と言えばいうほど、何年度が元年かがわからなくなる。少なくとも、本日よりVRにおける『視聴』については元年といえるようになった。ネットカフェで600円でVR版の「進撃の巨人展 360°体感シアター “哮”」が体験できる。

進撃の巨人展 360°体感シアター “哮”
進撃の巨人展 360°体感シアター “哮”

筆者のインプレッション

あまりマンガが得意ではない筆者だが、「進撃の巨人」は映画の4DXで体験済みである程度のストーリーはわかっているつもりだ。このVRを体験してみて感じたのが、映画の世界の中に完全に「没入できる」という感覚だ。ミカサやアルミンが目の前に「存在」し、自分の頭上をとおりすぎるエレンの巨人や、あわや巨人に食べられる寸前を体感できる。映画や現実というよりも、まるで夢の中の世界に、「覚醒したまま迷いこんだ」という感覚なのだ。人間はおかしなもので、視覚と聴覚が奪われると、そちら側の世界と脳は認識するようだ。かつてのVRのように、視差によるVR酔いのようなものも少なくなった。頭を横にふれば、左右上下も追従してきてくれる。

しかし、初期の3Dのような「チープさ」はまだまだ感じる。3Dらしさを強調するために、「13日の金曜日」のジェイソンのナイフや槍はやたらと飛び出してこちらにやってくる(笑)。「アバター」のように3Dで奥行きが表現されて初めて3Dは本物となった。VRはそれによく似ている。360度の視点が有効となるように天地と真後ろというコンテンツが、今のところ、てんこ盛りなのだ。頚椎ヘルニア症の筆者としては真後ろに立たれると非常に疲れる(笑)。

VR版「攻殻機動隊」はストーリーは完全に???だったが、メインキャラクターの女性に見つめられて、なんだか「照れる」という反応を初めて感じた。映画や3Dやマンガでキャラクターを「好き」になることはあっても、見つめられて照れる、もしくは、触覚で感じてみたいという衝動にかられたことはない。しかし、VRには、近くで見つめられて恥ずかしくなったり、触れてみたいという、動物的な欲求を感じたのだ。もちろん、キラーコンテントはアダルトになると思うが、それは勝手にブレイクする。重要なのは、アダルト以外でVRが存在価値を証明することなのだ。

百聞は1VRにしかず

むしろ、一度VRに触れてみることによって、現段階での評価よりも、今後への期待が高まることだろう。そう、VRには、AR(オーギュメンテッド・リアリティ=拡張現実)との組み合わせや、グリーンバックのCGとの組み合わせ、4DXなどの映画館や、カラオケボックスとの組み合わせなど、ゲームセンター、テーマパーク、郊外スーパーマーケットなどの複合的なメディアや施設の未来を感じ取ることができるからだ。景色にしても、旅行の再現や、スポーツでのラーニングなどにも有効だろう。成熟したスマートフォンを活用し、さらに未体験なディスプレイと音響システムが成立する。

都心でのスポーツボルダリングスタジオが、エヴェレストやマッキンリーの映像と連動すれば、新たな「eスポーツ」となることだろう。また、ゴルフスタジオにいけば、ぺブルビーチゴルフの中になるなど新たな参加型経験のVRなどもまだまだ考えられる。その意味では「VR元年」という表現はVRという可能性の広さを考えるとあまり意識しないほうが良いと思う。その前に、VRに没入するためにも、荷物の盗難の心配がないことや、女性が盗撮される心配がないなどの環境の整備なども重要だ。

『VR THEATER』実施店舗

自遊空間 BIGBOX 高田馬場店

自遊空間 亀戸店

自遊空間 前橋国領町店

コミックバスター 浅草駅前店

コミックバスター 池袋西口店

コミックバスター 目黒駅前店

エアーズカフェ 両国店

ワイプ 代々木北口駅前店

ワイプ 調布南口駅前店

ワイプ 桜木町駅前店

アプレシオ 新宿ハイジア店

アプレシオ 幕張店

アイカフェ AKIBAPLACE 店

アイカフェ 八潮店

サイバック 中野サンプラザ店

サイバック 龍ヶ崎店

オアジ 水戸店

ゆう遊空間 茅ヶ崎店

グランサイバーカフェバグース 渋谷センター街店

グランサイバーカフェバグース 新宿店

グランサイバーカフェバグース 新宿西口店

グランサイバーカフェバグース 池袋店

グランサイバーカフェバグース 池袋西口店

グランサイバーカフェ バグース 町田 ANNEX 店

Libertyhouse 伊勢佐木町店

Libertyhouse 藤沢店

Moopa! 新橋店

NEWNEW 川崎銀柳店

PAO カフェ 青梅店

ポジション 2 恵比寿店

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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