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AppleがクリスマスCMで語る意味

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

KNNポール神田です!

クリスマスが終わると、海外はひっそりと家族だけの季節がやってくる。反対に日本はバタバタとあわただしく大掃除が始まる頃だ…。今年もまた、アップルはクリスマスのCMに特別なメッセージをもたらした。ほとんど、製品を見せることは行わないこの時期の特別なCMだ。今年は、スティービー・ワンダーと、アンドラ・ディのデュエット曲だった。

こちらの長いヴァージョンで見ると、冒頭でスティービー・ワンダーが、「Logic Pro X」をボイスナビゲーションで操作していることがわかる。テレビのショートヴァージョンだと、目の見えないスティービーが、どうやってMacを操作しているんだろうという疑問が湧いた人も多かっただろう。そして、アンドラ・ディの左手には、AppleWATCHが…。しかし、一度も点灯しないAppleWATCHだ。

このクリスマスのCMは、Appleの企業広告であって、製品を売るためのものではなかったから、製品はクローズアップされない。今年のAppleのCMには、どんなメッセージがあったのだろうか?

この楽曲、「Someday At Christmas」は1967年、スティービー・ワンダーが、17歳の時のカバー曲(デビューは11歳)。当時は、ベトナム戦争の長期化の時代。この「Someday At Christmas」の歌詞をみればわかるが、強力な反戦ソングである。今年のこんな時代だからこそのAppleとしてのアンサーソングだったと思う。

2014年のクリスマスは、「The song」

古い母親の音源を、カヴァーしてプレゼントするというストーリー。

2013年のクリスマスは、「Misunderstood」

家族が集まっても、スマホばかり触っている少年…。実は…。

毎年、この四半期の一番売上が上がる、クリスマス商戦のCMにAppleは、ハイテク企業でありながらも、根底には「人間」が主体のクリスマスというテーマを投げかけてくる。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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