Yahoo!ニュース

【NHL】氷上が帽子ではなくネズミでいっぱい!その理由は???

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
勝利を喜ぶ選手と氷上に投げ込まれたネズミたち(パンサーズ公式ツイッターより)

氷上に投げ込まれたネズミたち。

これは、フロリダ・パンサーズのホームアリーナ、FLAライブ・アリーナでの光景です。

アイスホッケーでは、ハットトリック(3得点)を決めた際に、氷上に帽子(ハット)が投げ込まれるのはよく見る光景ですが、FLAライブ・アリーナでは、ネズミが投げ込まれるのです。

ディズニー・ワールドがあるから、ミッキー・マウスに掛けてるのかな?

そうではありません。

それは、1995年、フロリダのゴーリーのジョン・バンビーズブルックの、試合後の一言でした。

「メランビーは、ラット・トリックを決めたのさ」

1993-94シーズンにNHLに新規加入した、フロリダ・パンサーズ。

3季目のシーズンとなった1995-96シーズン、カルガリー・フレームズとのホーム開幕戦を前に、選手たちはドレッシングルーム(選手のロッカールーム)に集まっていました。その時、突然、ドレッシングルーム内に、ネズミが現れ、選手たちは大騒ぎ!そこで、ベテランフォワードのスコット・メランビーが、自らのスティックでネズミを「スラップシュート」!

ネズミを退治したスティックで試合に臨んだメランビーは、なんと2ゴールの大活躍。チームも4-3で勝利し、フロリダの開幕戦を勝利に導いたのです。

つまり、「ハットトリック」ではなく、2ゴールと1ネズミ(ラット)で、「ラットトリック」なのです。

氷上に投げ込まれたネズミ(1996年)
氷上に投げ込まれたネズミ(1996年)写真:ロイター/アフロ

この出来事を知ったフロリダのファンたちは、この試合の後から、フロリダがゴールを決めた後に、プラスチック製のネズミを氷上に投げ込むようになり、それに応えるかのように、フロリダは快進撃を続け、11 月中旬にはリーグのトップに浮上。ディビジョン3位でレギュラーシーズンを終え、チーム創設史上初のプレイオフ出場権を獲得したのです。

このネズミが幸運を運んだかのように、プレイオフでも、フロリダの快進撃は続き、イースタンカンファレンス・ファイナルでピッツバーグ・ペンギンズを破り、スタンレーカップ・ファイナルへ進出!この試合では、氷上に投げ込まれたネズミの数は、なんと「3,000匹」だったとか!

現在のNHLのルールでは、試合中に氷上に投げ込んでも良いのは、ハットトリックを決めた際の帽子のみ。帽子以外が投げ込まれた場合はホームチームにペナルティが課せられるため、現在は、得点時にネズミが投げ込まれるシーンを目にすることはありません。

第3戦を完封勝ちして、スタンレーカップ・ファイナル進出に王手をかけたフロリダ。

フロリダの公式ツイッターアカウントでは、勝利の数を、白星ならぬ「白いネズミ」で表しているところを見ても、ネズミに対する思いが伝わってきます。

フロリダがスタンレーカップ・ファイナル進出を決めた場合、果たして、どれほどのネズミが投げ込まれるのでしょうか・・・

注目の第4戦は、5月24日(現地時間)にフロリダで行われます!

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

加藤じろうの最近の記事