Yahoo!ニュース

【NHL】こんな格好をしてますけれどNHLの選手です。オールスターゲームにも毎年出場しています。

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
P.K.スバン(Courtesy:@hockeynight)

 NHLのプレーオフは、カンファレンス セミファイナル(CSF=2ndラウンド)に入り、最初のラウンドを勝ち上がった東西両カンファレンスの8チームが、しのぎを削っています。

▼ベガスの連勝がストップ!

 ウエスタン カンファレンスでは、今季からNHLに加盟した新生チームながら、初年度からプレーオフへ勝ち進んで、アイスホッケーファンを驚かせた ベガス ゴールデンナイツが話題を独占!

 チーム創設後、最初のプレーオフラウンドを無傷の4連勝で勝ち上がるという「NHL史上二度目の快挙」を達成し勢いに乗っていましたが、一昨日(現地時間)の第2戦で、サンノゼ シャークスに敗れ、プレーオフの連勝は「5」でストップしました。

▼昨季のウエスタンの覇者vsカナダ最強チーム

 ウエスタンのCSFの、もう一つのカードは、「ナッシュビル プレデターズ vs ウィニペグ ジェッツ」

 ナッシュビルは、昨季のプレーオフで、ウエスタン カンファレンスのチャンピオンに輝いたチーム。

 一方のウィニペグは、高い得点力を武器にして、カナダをホームタウンとする7チームの中でトップのポイント(勝点)をマークしたカナダ最強チームです。

▼ナッシュビルがリベンジ

 両チームのシリーズは、レギュラーシーズンの順位で上回るナッシュビルのホーム・ブリヂストン アリーナで開幕。

 27日の第1戦では、GKのコナー・ヘルバック(24歳)の活躍が際立ったウィニペグが勝利。

 一転して昨夜の第2戦は、地元での連敗は許されないナッシュビルがリベンジ!

 2ndオーバータイムに及ぶ死闘を5-4のスコアで制して、対戦成績を1勝1敗としました。

▼P.K.スバン

 昨夜の試合で、ナッシュビルの勝利に大きく貢献したのが、P.K.スバン(DF・28歳)でした。

P.K.スバン(Courtesy:@Everything_TN)
P.K.スバン(Courtesy:@Everything_TN)

★1989年5月13日 カナダ・オンタリオ州出身。

★2007年のドラフトで2巡目(全体43番目)指名を受けて、モントリオール カナディアンズと契約。

★4季目からレギュラーポジションを不動のものとして、6季目にはノリストロフィー(最優秀DF賞)に輝く。

★一昨年6月末にナッシュビルにトレード。

★今季も含めて3年連続オールスターゲームに出場

★ベガスに所属するマルコム(24歳・GK)、ロサンゼルス キングスのアフィリエイトチームに在籍しているジョーダン(23歳・DF)は、ともに実弟。

▼攻守で勝利に貢献

 このようなキャリアを誇るスバンは、昨夜の試合で、文字どおりフル回転!

 両チームのプレーヤー(FW&DF)の中で、最も長いプレータイム(39分24秒)を任される中、スバンは主力DFの役割を担うだけに、ペナルティキリング(味方がペナルティをして人数が少なくなる状況)で起用されたタイムは時間も、チーム内で最長。

 しかしながら、タフな役割を託されても、自身がプレー中の得失点差はプラス1。 

 自ら強烈なスラップシュートを放ち、オフェンス面でも勝利に大きく貢献しました。(黄#76)

▼NHLのDFでトップに

 ご覧いただいた昨夜のゴールによって、ここ5年間のプレーオフの試合でマークしたポイント(ゴール+アシスト)は、NHLのDFプレーヤーの中で、ダンカン・キース(34歳・シカゴ ブラックホークス)を抜いて、スバンがトップに立ちました。

 このような働きができるとあって、スバンのプレータイムが、敵地で戦う第3戦以降も長くなるのは必至だと言えるでしょう。

▼パワーの源は?

 「ファンの人たちが喜んでいる表情を見ることが、一番のパワーの源だよ。特に子供たちの笑顔は格別さ!」

 モントリオールに在籍していた頃から、スバンはこのように話しています。

 実際にモントリオール時代には、身寄りのない子供たちなどを喜ばせようと、このような ↓ チャリティ活動を続けてきたのです。

 

 ナッシュビルへ移籍してきた昨季は、ピッツバーグ ペンギンズにファイナルで敗れ、あと一歩及ばなかっただけに、スバンは「今季こそ!」の想いを胸に、スタンレーカップを目指します。

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

加藤じろうの最近の記事