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【ジュニアアイスホッケー】ハンボルト ブロンコスのチームバスが衝突事故に遭い15人が死亡

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
チームバスが衝突事故に遭ったハンボルトブロンコスの選手たちを悼む声が各地から(写真:ロイター/アフロ)

 アイスホッケーが盛んなカナダでは、小さい頃から数多くの試合を行って腕を磨き、未来のNHLのスター選手を目指す子供たちの姿が見られます。

 そんなアイスホッケー大国で、悲しい事故が起こってしまいました。

 カナダ中部のサスカチュワン州・ハンボルトを拠点に、サスカチュワン・ジュニアホッケーリーグ(SJHL)に加盟している ハンボルト ブロンコスの選手たちを乗せたバスが、先週末(現地時間6日)衝突事故に遭い15人が亡くなりました。

▼カナダ首相とアメリカ大統領からの哀悼の意・・・

 傷ましい事故の知らせに接したカナダのジャスティン・トルドー首相や、

 アメリカのドナルド・トランプ大統領らからも、悲劇を悼む声が。

▼哀悼ジャージを作製

 さらに、多くのチームがレギュラーシーズン最終戦を迎えたNHLのアリーナでも、哀悼の意を表すセレモニーが行われました。

 なかでも、サスカチュワン州に隣接するウィニペグ州をホームタウンとしている ウィニペグ ジェッツ は、昨夜の試合で、ビジターチームのシカゴ ブラックホークスとともに、選手名を記した部分を、「ブロンコス」のチーム名に改めた哀悼ジャージを作製。

 両チームの選手たちは、このジャージに袖を通して試合を戦いました。

▼カナダの各チームが哀悼の意

 この両チームに限らず、トロント メイプルリーフスや、

 エドモントン オイラーズなどのカナダのチームが、試合前に哀悼の意を表すセレモニーを実施。

 さらに、カルガリー フレイムスは、対戦相手のベガス ゴールデンナイツとともに、ハンボルト ブロンコスのチームロゴが記されたステッカーを、ヘルメットにつけて試合を行いました。

▼カナダだけでなく、アメリカでも

 このような光景は、カナダのチームのホームゲームだけに限らず、デトロイト(下の写真)や、ワシントン、フィラデルフィア、カロライナなど、アメリカのチームのホームゲームでも見られました。

▼メジャーリーグのチームからも

 さらには、競技やプロとアマチュアの違いを超えて、MLBのテキサス レンジャーズの試合前にも、哀悼の意を表すシーンが。

▼二度と悲劇が起こらないように

 シーズン中の移動が多いことから、このような悲しい事故の知らせは、これまでにも各国から届きました。

 なかでも、多くの方の記憶に残っていらっしゃるかと思いますが、2011年9月には、KHLに加盟しているロコモーティブ ヤロスラブリが搭乗したチャーター機が離陸に失敗し、選手、コーチ、チームスタッフ37名全員(加えて航空機のクルー8名)が亡くなった大惨事も・・・。

 このような知らせに触れる度に、二度と悲劇が起こらないよう願わずにはいられません。

<追記>

 ハンボルトのケビン・ギャリンガー社長は、事故に遭った選手のうちの一人が退院したことを、8日午後に明らかにしました。

 この時点で入院中の選手は、13人になりました。

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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