塩村都議への都議会議場セクハラ事件・都議会は調査委員会を設置して発言者処分を

1 政治家・都議会の見識・人権感覚が問われる。

昨今、人権感覚を疑う、問題発言が横行する日本であるが、これはあまりにひどい。

塩村あやか都議が、晩婚化、晩産化に関連し、出産等の社会的支援に関して質問をしたところ、議場で「お前が早く結婚しろ」「産めないのか」などのヤジが公然と飛んだという。あってはならない、重大なセクハラ発言である。

ところが、これを聞いて議場は笑いに包まれ、舛添知事も笑みを浮かべていたという。

http://www.asahi.com/articles/ASG6M5HK9G6MUTIL031.html

都議会は一体どうなっているのか。人権感覚が全くない、退廃の極みと言うべき状況ではないだろうか。

石原都知事の女性蔑視発言や三国人発言、と言ったことが日常的に繰り返されてきた都政の現場において、こうした人権軽視の差別的意識が根付いたことは残念ながら想像に難くない。

しかし、このようなことで国際都市として、東京オリンピックをホストする資格があるのか。

最近大きく取り上げられている少子化の問題であるが、私もかねて、少子化が、決して女性個人の責任ではなく、社会として責任をもって支援をし、子を産み育てにくい社会の実情を変える社会の責任に焦点をあてるべきだ、と考えてきた。

塩村議員の議論の詳細は把握していないが、出産等への支援は、多角的な視点から議論が深められるべき問題である。

ところが、こうした問題提起を真面目に受け取らず、「早く結婚しろ」「産めないのか」などと個人を攻撃するというのは、少子化問題の根本を理解していないことを改めて示したものだ。

発言者、そしてこれに応じて笑い声をあげた者の資質と見識が大きく問われている。

2 責任者を特定せずに幕引きか?

発言は自民党の席のあたりから聞こえてきた、とされているが、最大会派の自民は、発言者を特定せず幕引きを図ろうとしているという。

http://www.asahi.com/articles/ASG6M5HK9G6MUTIL031.html

そのようなことが許されるわけがない。

塩村都議は20日、地方自治法に基づき、発言者の特定と、発言者の処分を求める要求書を議長宛てに提出したという。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20140620-OYT1T50051.html?from=ytop_main4

ここで都議会がどのような対応をとるのか、注目される。

このような発言が私企業で行われれば、明らかに「環境型セクハラ」(「環境型セクシュアルハラスメント」とは、職場において行われる労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じること) として許されないものである。

私企業であれば、雇用責任が発生する。セクハラに関する事実があれば、企業として調査委員会を設置し、責任者と行為を特定し、謝罪や職場環境改善措置、再発防止のための研修その他の措置、加害者の懲戒処分などが実施されるのは当然である。

ところが、都議会という、都民に選ばれた議員で構成される公的な空間で公然と起きたセクハラについて、発言者を特定しないで済ます、というようなことは到底あってはならない。

3 都議会は、調査委員会を設置して自浄能力を示せ

都議会も、発言者が特定できない、などとあまりにも低レベルの話で、この問題を不問に付すことは許されないであろう。

私企業同様、調査委員会を設置し、責任者と発言内容を特定し、しかるべき懲罰にかけ、都議会全体としての再発防止策を明確にすべきである。

そうでなければ自浄能力を示すことはできない。

また、疑いを向けられている自民党はまず、党内で責任ある調査をすべきであろう。居直りを許し、責任をあいまいにして、その後で、責任者が特定されたら、それこそ信用は著しく失墜するであろう。

仮にも都民から選ばれた都議、良識を働かせてほしい。

4 都議の女性達もがんばってほしい。

塩村議員には是非がんばって責任追及を続けてほしいと思う。そして、都議の女性達にも申入書を出しただけでお茶を濁すことなく、徹底した対処がなされるまで、がんばってほしい。そうでなければ、我々の一票が泣く。

先日、都議会議長(男性)あてに女性議員がこの件で要請をしている映像をちらとみたが、怒ってしかるべき女性議員がぺこぺこと頭を下げ、議長がふんぞり返っていて、大変残念な都議会のジェンダーの構図を見た思いがした。

男女共同参画先進国並みに、誇りたかく、戦ってほしいと願う。

5 舛添知事の責任も重大

舛添都知事は、自ら笑みを浮かべた当事者であるが、自ら真摯に反省し、この件できちんとした責任追及に乗り出すべきだ。

ちなみに、厚労省が私企業に対して課しているセクハラに対する雇用管理上講ずべき措置は以下のとおりである。

元厚労大臣の舛添都知事がよもや知らないはずはない。

私企業並みのセクハラ対策も取らないまま、こうした事態を曖昧にしてはならない。

事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針(抜粋)

事業主は、職場におけるセクシュアルハラスメントに係る相談の申出があった場合において、その事案に係る事実関係の迅速かつ正確な確認及び適正な対処として、次の措置を講じなければならない。

イ 事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認すること。

(事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認していると認められる例)

1 相談窓口の担当者、人事部門又は専門の委員会等が、相談を行った労働者(以下「相談者」という。)及び職場におけるセクシュアルハラスメントに係る性的な言動の行為者とされる者(以下「行為者」という。)の双方から事実関係を確認すること。

また、相談者と行為者との間で事実関係に関する主張に不一致があり、事実の確認が十分にできないと認められる場合には、第三者からも事実関係を聴取する等の措置を講ずること。

2 事実関係を迅速かつ正確に確認しようとしたが、確認が困難な場合などにおいて、法第18条に基づく調停の申請を行うことその他中立な第三者機関に紛争処理を委ねること。

ロ イにより、職場におけるセクシュアルハラスメントが生じた事実が確認できた場合においては、速やかに被害を受けた労働者(以下「被害者」という。)に対する配慮のための措置を適正に行うこと。

(措置を適正に行っていると認められる例)

1 事案の内容や状況に応じ、被害者と行為者の間の関係改善に向けての援助、被害者と行為者を引き離すための配置転換、行為者の謝罪、被害者の労働条件上の不利益の回復、管理監督者又は事業場内産業保健スタッフ等による被害者のメンタルヘルス不調への相談対応等の措置を講ずること。

2 法第18条に基づく調停その他中立な第三者機関の紛争解決案に従った措置を被害者に対して講ずること。

ハ イにより、職場におけるセクシュアルハラスメントが生じた事実が確認できた場合においては、行為者に対する措置を適正に行うこと。

(措置を適正に行っていると認められる例)

1 就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書における職場におけるセクシュアルハラスメントに関する規定等に基づき、行為者に対して必要な懲戒その他の措置を講ずること。併せて事案の内容や状況に応じ、被害者と行為者の間の関係改善に向けての援助、被害者と行為者を引き離すための配置転換、行為者の謝罪等の措置を講ずること。

2 法第18条に基づく調停その他中立な第三者機関の紛争解決案に従った措置を行為者に対して講ずること。

ニ 改めて職場におけるセクシュアルハラスメントに関する方針を周知・啓発する等の再発防止に向けた措置を講ずること。

(了)