ペットを半額にするかわりに高額フードの長期契約を条件にしたペットショップ。その問題点とは?
犬の値段を値引きしてほしければ、ショップ指定のフードの長期契約が条件というペットショップがあり問題になっているとまいどなニュースが伝えています。
ペットショップやブリーダーで、ペットを購入する際に値引きする条件に指定のペットフードを長期に購入するというシステムがあります。
ペットフードの定期購入の問題点と対策のお話をします。
「この子は死にそうだから、他の元気な子をオススメしますよ~」というペットショップ
ボーダーコリーのデレクくんの飼い主・デレク&レイラ(@Derek_Layla_)さんは、4年前の購入時のことを振り返ったつぶやきがX(旧:Twitter)に投稿され、大きな注目を集めています。
まいどなニュースによりますと、デレク&レイラさんは、ペットショップで長期間バックヤードで療養していたデレクくんに出会い、抱っこしました。そのとき尻尾を振っていたけれど、デレクくんは痩せていて骨ばっていたそうです。
デレク&レイラさんの夫は帰宅しましたが、どうしてもそのデレクくんのことが忘れられず、日を改めて会いに行くと、ペットショップ店員から「この子は死にそうだから、他の元気な子をオススメしますよ~」と衝撃的なことを言われました。
デレク&レイラさんは、デレクくんと一緒に暮らすと決めていました。デレクくんを購入しようとすると、フードの長期契約をするようにペットショップ側から言われました。
デレク&レイラさんはそれを拒否すると、「死んでも補償出来ないし、他犬との交換もできませんから」と言われました。デレク&レイラさんは構わず子犬を連れ帰ったそうです。
ペットを購入する際に、フードの長期契約が問題になることは珍しくないのです。
フードの長期定期契約の何が問題か?
ペットの値段を割り引いてもらうと、得した気分になるかもしれません。
その一方で、以下のような問題があります。
・嗜好が合わない
猫は特に、今日、食べていたものを見向きもしないなどはよくあります。チワワなどの超小型犬も好き嫌いがあり、食べないフードもあります。
・栄養失調で、そのフードでは栄養素が十分でない
デレクちゃんのようにやせ細っている子は、高カロリーのものが必要な子もいます。
・アレルギーを持っている
ウシアレルギーなどを持っている子は、そのフードを食べている限り、下痢や嘔吐、発疹などは完治しません。
消化器疾患、皮膚病がすっきりしない子は、アレルギーを起こしていることもあります。
・不妊去勢手術を終えて、肥満傾向にある
犬も猫も望まない命を生み出さないために、不妊去勢手術をすることが多いです。そんな子たちは、どうしても肥満傾向になりがちです。そうならないためには、低カロリーのフードが必要になります。
このようなことがあれば、フードの契約を解除できればいいのですが、それができないこともあります。
ペット購入時に、フードの定期購入が条件になっていませんか?
ペットショップやブリーダーからペットを購入する時に、フードの定期購入が条件になっている場合があります。
飼い主は、目の前の子がかわいいので、すぐに購入しがちです。契約書や販売サイトや最終確認画面をよく確認しましょう。
(フードの定期購入が条件になっている場合)
・継続期間や購入回数が決められていませんか?
・支払うことになるフードの総額はいくらですか?
・解約の際の連絡手段を確認しましたか?
・「解約・返品できるか」「解約・返品できる場合の条件」(返品特約)、解約条件を確認しましたか?
最近は、紙ではなくインターネットでフードの契約することがあるので、その場合は、「最終確認画面」をスクリーンショットで保存しましよう。
サイトのチェックリスト
サイトのブリーダーなどでペットを購入するときは以下の点を、よく確認しましょう。
(サイトのチェックリスト)
・日本語の字体、文章表現は不自然ではありませんか?
・通常価格よりも、極端に安くなったり高くなったりしていませんか?
・事業者の名称、住所、電話番号は明確に記載されていますか?嘘の情報ではありませんか?
注意してほしいのは、フードを通信販売で購入する場合
通信販売には、クーリング・オフ制度はありません。
返品の可否や条件についての特約がある場合には、特約に従います。
特約がない場合には、商品を受け取った日を含めて8日以内であれば返品できますが、その場合、商品の返品費用は購入者が負担します。
フードの契約でトラブルになったら消費センターへ
不安に思った場合やトラブルになった場合は消費生活センターなどに相談してください。
*消費者ホットライン「188(いやや!)」番
最寄りの市町村や都道府県の消費生活センターをご案内する全国共通の3桁の電話番号です。
まとめ
この子がかわいい、この子がやせ細っているので命を救いたいなど、心が大きく動いたときに、ペットを購入することが多くあります。そんなときでも、冷静になって、契約書を読みましょう。
愛犬・愛猫に適切なフードをあげることも飼い主の大切な役目です。飼い主が、ペットのフードの知識を持ち、自分で考えて選んでください。ペットショップやブリーダーのいいなりではなく、何が愛犬・愛猫にとって健康な体を作る食べ物か、ということです。
愛犬・愛猫の体は、飼い主が選んだ食べ物で出来ています。