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【旅行に行きたい】愛犬や愛猫を信頼できるペットシッターに預けるにはどうすればいい?

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
ペットシッターの櫛部優子さんから提供

師走になりました。

全国旅行支援やクリスマスがあるので、旅行に行きたい人が増えているでしょう。コロナ禍でペットを迎えた人は、この子たちをどうすればいいのか、悩んでいるかもしれません。彼らを連れて旅行に行きたいけれど、ペットOKのホテルが少ないのでどうすればいいのか?

今日は、まだまだ日本では、少ないペットシッターについて見ていきましょう。

どんなときにペットシッターを頼めばいい?

すぐに思い浮かぶのが、旅行に行くときです。それ以外にもペットシッターがいれば、あなたの悩みが解決されます。以下のようなときにおすすめです。

・飼い主が病気

・飼い主がケガ

・飼い主が仕事で忙しく散歩や世話まで手が回らない

・ひとり暮らしで出張が多い

・ペットが高齢になり介護がたいへんでひとりではできない

・ずっとペットの世話をしているけれど、休養がほしい

・身内の不幸

・身内の介護

などのときに、信頼できるペットシッターを知っていると、ずいぶんとストレスが解消されるものです。

犬や猫の平均寿命は、約15年なので飼い主がずっと見るのは無理がある時代になりました。

筆者の愛犬は、19年近くまで生きました。最後の1年ぐらいは、文字通り介護生活でぼぼ寝たきりでオムツをしていました。仕事柄、職場に連れていっていてほぼ24時間一緒にいました。そんな筆者でも、犬を連れていけないところに行くときは、信頼できるペットシッターに来てもらい、愛犬のオムツの交換や寝返りなどをしてもらっていました。シニアのペットを飼っていると、このようにペットシッターがいてくれれば、精神的にも肉体的にも楽になります。

どんなペットシッターを選べばいいのか?

イメージ写真
イメージ写真写真:アフロ

ペットシッターはだれでもできそうですが、まずは、第1種動物取扱業(保管)に登録する必要があります。そうしないと動物愛護管理法の法律違反になります。以前、誰でも犬のお散歩代行やペットのシッターをしても大丈夫なの?その行為は法に触れているかもという記事に書いています。

まずは、大切な愛犬や愛猫を預けるのに、第1種動物取扱業に登録している人かどうを確かめましょう。

実際問題、動物取扱業(保管)の許可を得ていない事業者(家事代行、便利屋、ネットのアルバイト)を見かけますので、そのことを確認してください。

ペットシッターの櫛部さんが気をつけていることは?

櫛部優子さん提供
櫛部優子さん提供

実際に、ペットシッターとして開業して7年になる櫛部優子(くしべ ゆうこ 以下櫛部)さんに気をつけていることを尋ねました。

櫛部さんは、ペットシッターの依頼を受ける時、事前にペットに対するカウンセリングを行って、飼い主とは契約書(同意書)を交わしています。 

留守のときに家に入るので、約束事を決めておく必要があります。安心してサービスを利用するために契約書を交わすことは双方にとっては大切ですね。具体的に見ていきましょう。

ペットに気をつけていることは?

櫛部さん:

住み慣れた環境で安心して留守番や生活ができるようにストレスを与えないよう配慮しています。動物それぞれの習性や性格、日常生活について細かく事前にカウンセリングを行います。

具体的には、以下のとおりです。

・留守番の環境が安全か

・ペットが身につけている首輪やハーネス、リードが適切に使用されているか

命を任されている仕事なので、安全であることがなによりも大切ですね。

(散歩中)

櫛部さん:

必要と感じた場合はダブルリードで散歩に行きます。どんなにおとなしくてフレンドリーな犬であっても、他の人や他の犬とすれ違う時は必ずリードは短く持って接触をさせません。

散歩中の犬を近づけてくる飼い主や、撫でようと近づいてくる人も丁重にお断りしています(預かった犬や相手にケガをさせないために)。

(室内のチェック)

櫛部さん:

ドアの開け閉めは細心の注意をしています。たとえば、開けたときに、ペットが飛び出さないように確認してから入室します。

事前のカウンセリングでペットおよびペットシッターの行動範囲を決めていただいております。

留守中のペットに危険だと感じるものは撤去してもらい、改善をお願いすることはあります。

夏場や冬場などは室内環境の温度にも気をつかいます(常に温度計は持ち歩く)。

飼い主に対して尋ねることは?

櫛部さん:

ペットの日常について細かく質問をします。「そんなことまで聞くの?」と言われることも多いですが、ご家庭それぞれの「あたりまえ」は個々に違うので、たとえば以下のことを尋ねています。

(健康状態)

・狂犬病予防の注射接種取の有無

・混合ワクチンの注射接種取の有無

・ノミダニの予防

・かかりつけの動物病院

・病気を持っていないのか?

(食事)

・回数

・1回に与える量

・食べさせ方(水でふやかすか、ドライのままかなど)

・食事のタイミング(散歩の後か、マテをしてからかなど)

・オヤツ(与えてもいいか?また、量など)

・アレルギーの有無

などです。

このように、櫛部さんは以前はホテルの従業員をしていた経験もあるので、お客様のプライベートの保守やマナーなどの知識があるので、飼い主とのコミュニケーションを取るのにも役に立っています。飼い主ともしっかり話し合いをして、ペットシッターをしています。

ペットシッターの選び方

どんなペットシッターを選ぶかは、難しいです。

まずは、第一種動物取扱業を持っているというのは基本です。そのうえ、ペットとの相性、もちろんペットシッターの人柄や飼い主との相性を見て選びましょう。

かかりつけの動物病院に相談する、ペットシッターに来てもらっている知り合いに聞くなどがおすすめです。ネットで調べるというのが、一般的ですが、事前にこの記事で読んだことも参考にして依頼しましょう。

まとめ

コロナ禍で在宅が増えて、新規にペットを飼い始めた人は増えています。そんな人のなかには、どのようにペットと接していいのかわからず、遺棄する人もいます。または、感染者が落ち着いてリモートワークだった時間が減り、ペットと一緒にいる時間が減った人もいるかもしれません。そんな方は、ペットシッターに頼んで少しの時間、愛犬や愛猫の面倒を見てもらうのもいいでしょう。

ペットシッターは基本的には、留守宅に入る仕事なので、信頼できるということが大切です。まだまだ日本にはペットシッターの文化は、根付いていませんが、櫛部さんのように熱心にペットと向き合って仕事をしている人もいます。

飼い主はもちろんのこと、愛犬や愛猫に合うペットシッターを見つけて、約15年は見込まれるペットライフを充実したものにしてください。

櫛部優子さんのプロフィール

櫛部優子さんから提供
櫛部優子さんから提供

ペットシッターといぬのホームステイ「Lima Lima」を運営。

第1種動物取扱業(保管)

(経歴)

1997年  相愛女子短期大学 英米語学科卒業

1997年〜 京都市内のシティホテルに勤務

2006年〜 ペット用品メーカーに勤務 マーケティング・企画・広報宣伝に所属

2015年〜 開業に向けて、保護犬シェルターの住み込みボランティアスタッフとして勤務

2015年8月 奈良県奈良市にてLima Lima を開業

(資格)

ペットトリマーライセンス

愛玩動物飼養管理士2級

ペットシッター士(日本ペットシッター協会公認)

ペットセーバー(ペット救命救急隊)

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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