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朝ドラ『虎に翼』は女性初の弁護士の物語で女子トイレ問題も 昭和後半の獣医学部では?

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
『虎に翼』(番組サイトより)

朝ドラの『虎に翼』は、伊藤沙莉の主演で日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ女性の実話に基づいたドラマです。このドラマは女性が道なき道を切り開いていくものなので、見ていると元気になります。

第2週「女三人寄ればかしましい?」の4月8日放送で女子トイレ問題が放送されていました。

『虎に翼』の法学部の女子トイレは、女子部校舎と図書館だけ

いまの大学で女子トイレが極端に少ないということは、あまりないと思います。

このドラマの時代背景は昭和の初期で、女子が法学を学ぶということが本当に珍しかったので女子学生の数が少なかったです。

そのため女子トイレは女子部校舎と図書館の2カ所しかなかったようです。ドラマの中では、女子部校舎に女子学生が列をなしている映像が映し出されていました。

女子学生が少ないからそれはそうでしょうと思ってご覧になっていると思います。

筆者は獣医師ですが(もちろん、日本初の女性獣医師ではないです)、昭和の後半でも大学での女子トイレが少なかったのを目の当たりにしてきました。

昭和の後半でも、獣医学部の女子トイレが少なかった

小学校から高校まで、男子トイレの隣には女子トイレがあり、対になっているものだと勝手に思っていました。

筆者が、獣医学部に入学したのは昭和の後半で、女子トイレの数は、男子トイレに比べると少なかったです(もちろん、『虎に翼』ほどではありませんが)。

男子トイレは各階にあったけれど、女子トイレはとびとびしかなかったのです。その当時の獣医学部の女子学生は2割ぐらいしかいなかったので、無理もなかったのかもしれません。

女子獣医学生がまだまだ少ないと、トイレの数を見て実感しました。以前、日本初の女性獣医師にインタビューしたことがあります。そのときも女子トイレがほとんどなかったと日本初女性獣医師が言っていました。

いまや獣医学部の女子学生は半分以上いるので、女子トイレはどこの大学も男子トイレと同じ数はあります。

いまでは行政で働く女性獣医師は多いので、食肉検査所では男子更衣室より女子更衣室の方が広いところもあるそうです。

昭和の後半でも女性獣医師は珍しい

6年間の大学生活を終え国家試験に合格して、晴れて獣医師として社会に出ました。女性獣医師は、まだ珍しくなかなか獣医師として認めてもらえませんでした。

診察室にいると、年配の男性の飼い主に「院長を呼んで」とよく言われていました。「私も獣医師なんですけれど」と伝えると、目をみはって「とにかく院長を呼んで」と言われたものです。

昭和の初期に女性初の弁護士になった人は、想像できないほど苦難が待ち受けていたのだろうと思い、毎回楽しみに朝ドラを見ています。

昭和と令和の動物病院の違い

昭和の時代は、令和ほどチワワやトイプードルがいなくて、秋田犬やシェパードなど大型犬が診察にやってきていました。その頃は、犬はフィラリア症になっている子が多く、いまのように犬の平均寿命が約14歳もありませんでした。

令和になり小型犬が増えて、体力的にも女性の獣医師が働きやすくなりました。動物病院に行き女性獣医師を見た際には、昭和の時代はまだ珍しかったということを知っていただくと嬉しいです。

昭和の時代は、まだまだ女性が社会進出していなくて、女性が少ない職種というものが多くありました。時は流れて、いまでは多くの女性獣医師が働いている時代になりました。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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