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誰でも犬のお散歩代行やペットのシッターをしても大丈夫なの?その行為は法に触れているかも

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
イメージ写真(写真:イメージマート)

全国旅行支援で、犬や猫を飼っている人も旅行に行きたくなります。ペットと一緒に旅行できればいいのですが、ペットNGのホテルや旅館がほとんどです。そんなときに、ペットのシッターを頼むのもひとつの方法です。

犬や猫が好きなので、ペットのお世話をしてあげようと思っている人もいるかもしれません。しかし、動物愛護管理法を知らないですると、法に触れるかもしれないのです。今回は、その点を見ていきましょう。

動物愛護管理法って知っていますか?

犬や猫は、動物愛護管理法で保護されています。

たとえば、犬や猫を預かるペットホテルは、事業所・業種ごとに都道府県知事または政令指定都市の長に第一種動物取扱業※の登録を受けなければなりません。登録されていない人は、ペットホテルは運営できないのです。

ペットのお散歩の代行やお世話は、実は上記と同じように第一種動物取扱業に登録している人しかできないのです。それで、ペットのシッターの法的な詳細について、弁護士の浅野明子先生に尋ねました。

※第一種動物取扱業

第一種動物取扱業は、動物の販売、保管、貸出し、訓練、展示、競りあっせん、譲受飼養を営利目的で業として行う者です。それらを行う人は動物の適正な取扱いを確保するための基準等を満たしたうえで、都道府県知事または政令指定都市の長の登録を受けなければなりません。

□ネットには、犬の散歩の代行業者が掲載されていますが、第一種動物取扱業に登録していない人でも大丈夫なの?

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イメージ写真写真:アフロ

浅野先生:第一種動物取扱業の登録が必要です。

犬の散歩の代行を商売としているのなら第一種動物取扱業(保管業)に登録しなければなりません。

ボランティアで行っている場合も、一定数(犬なら10頭)以上を扱う場合は第二種動物取扱業※※の届け出が必要です。

※※第二種動物取扱業

第二種動物取扱業は、一定の飼養施設(人の居住部分と区分できる施設 )で一定数以上の動物(犬や猫なら10頭以上)を扱ういる動物愛護団体の動物シェルターなどの非営利(ボランティア)の事業(譲渡、保管、展示など) が該当します(ただし一時的に委託を受けて飼養する者は除きます)。

つまり営利を求めていなくても一定の飼養施設で犬や猫なら10頭以上扱うなら、登録しなければならないのです。

□家事代行サービスのひとつとして、ペットのお世話を頼んでも大丈夫なの?

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イメージ写真写真:イメージマート

浅野先生:事業者によって扱いが異なると思いますので聞いてみてください。

基本的には、家事代行サービスの一環としてペットの散歩などのお世話を継続的に行うには、第一種動物取扱業(保管業)の登録が必要です。

動物の取扱業といえるかどうかは

①社会性があること(特定かつ少数者を対象としたものでないこと)

②一定以上の頻度または取扱量であること

③営利目的であること

これら3つをすべて満たすことを行おうとしているかどうかで判断します。

③の営利目的は、ペットのお世話そのものが無料であっても、全体として家事代行サービス業の一環として行っていれば営利目的があると判断します(通常は営利目的があると判断されるはずです)。

①②だけで③の営利目的がない場合は、第二種動物取扱業となります。第二種動物取扱業については、上述を参照ください。

具体的に「業」にあたるかどうかは登録地の都道府県等が個別に判断しますので、判断に迷う場合は事業所の所在地を管轄する都道府県等に相談してください。特に事業者の方は事前に必ず相談してください。

まとめ

犬や猫は、いまや約15年の寿命があります。

ずっとお世話ができればいいのですが、飼い主に以下のようなことが起きることがあります。

・入院するので、お世話できない。

・病気や怪我で、お散歩に行けない。

・急な仕事で、お散歩に行けない。

・旅行のため、お世話ができない。

・出張のため、お世話ができない。

そんなときに慌てないように、ペットのお世話をしてくれる人を探しておくことは、大切です。

犬や猫をお世話してくれる人なら、誰でもいいと思っていた人は多いかもしれません。動物愛護管理法で、ペットのお世話で料金が発生する行為をする人は、第一種動物取扱業の登録の必要があるのです。

ペットのお世話をしてもらう人も、ちゃんと第一種動物取扱業の登録をしている人かを確かめることもお忘れなく。いざというとき、安心して犬や猫を専門家に託したですね。

浅野明子先生 プロフィール

浅野明子先生から提供
浅野明子先生から提供

弁護士。東京都出身。1994年早稲田大学法学部卒業。1999年弁護士登録(第一東京弁護士会)。主に、相続等一般民事事件及びペットに関する法律相談等を扱う。

現在、法務省人権擁護委員、農林水産省獣医事審議会委員、環境省中央環境審議会動物愛護部会臨時委員、東京都公害審査会委員などを務める。

愛玩動物飼養管理士1級。ペット法学会会員。ペット・動物法研究会共同主宰。

主な著書に、『ペット判例集』(大成出版社2016年)、『知って得する!ペットトラブル解決力アップの秘訣38!』(大成出版社2014年)、『わかりやすい獣医師・動物病院の法律相談』(新日本法規。共著)など。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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