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猛暑到来 犬の「サマーカット」は危険なの?

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
(写真:アフロ)

北海道~九州まで朝から真夏の強い日差しが照り付けています。猛暑が到来しました。

「うちのワンコは、汗をかかないし横でハァハァと暑そう。そうだ、短くサマーカットしよう!」と思っていませんか。

今日は、犬や猫のサマーカットの危険性について考えましょう。

サマーカットの落とし穴

元来は長毛ですが、サマーカットしたシーズー
元来は長毛ですが、サマーカットしたシーズー写真:Paylessimages/イメージマート

犬を飼ったことがない人は、サマーカットってなに?と思われるかもしれません。

サマーカットは、毛の長いシーズーやヨークーシャーテリア、それほど毛が長くないミニチュアダックスフンドなどの犬が夏に短く毛を刈ることです。

暑い夏を少しでも涼しく過ごせるようにと、かなり短くサマーカットしますとそこに危険があるのです。それは以下の理由からです。

□紫外線の問題

地肌が見えるほど短くサマーカットをすることにより、皮膚に直射日光があたって紫外線の影響を受けやすくしてしまうのです。特に毛が白っぽい子も注意が必要です。

なぜ、紫外線がよくないの?

紫外線は細胞のDNAに傷をつけます。いまでは、犬も猫も10年以上生きる子はたくさんいます。そのためシニア期になると、表在性の扁平上皮がんなどの皮膚がんになりやすくなるのです。

虫に刺されやすくなる

犬の毛は外敵から体を保護する役割も持っています。肌が見えるほどに毛を短くしてしまうとノミ、ダニ、蚊などに刺されるリスクが高まってしまいます。虫に刺されることで、病気になることもあるので、注意してくださいね。

サマーカットの仕方

皮膚が見えない程度にしてあげましょう。毛も体を守る役目をしています。刈り込むと紫外線が皮膚に直接あたる、虫に刺さるなどもあることも考えてあげてくださいね。

紫外線対策方法

紫外線は7月頃にピークを迎えます。それでも強い紫外線は9月頃まで続きます。散歩をさせるときに、以下のように対策をしてあげてください。

散歩する時間の工夫

10時頃から14時頃が特に紫外線が強い時間帯です。熱中症の心配もありますので、散歩はこの時間は避けましょう。簡単にいえば、太陽がサンサンと輝いている時間はやめておきましょう。

UVカット加工の服を着せる

UVカット加工の素材の服を着せる
UVカット加工の素材の服を着せる写真:アフロ

UVカット加工の服を着せることで身体を紫外線から守ることもできます。サマーカットで短くしたときは、このような服を着せてあげるといいですね。もちろん、日差しが強い時間は、どの子にも着せてあげるのが理想です。

白内障のリスク

写真:PantherMedia/イメージマート

犬や猫は、紫外線を多く浴びると目の病気の発症するリスクが高まります。特に「白内障」が多くなるので、紫外線が多いときはUVカット機能がついた犬用サングラスやゴーグルなどをしてあげるのもいいですね。

飼い主のできる猛暑対策

犬や猫は汗をほとんどかくことができません(肉球あたりは汗が出ます)。そのため、飼い主が、熱中症対策の知識を持っていることは大切です。以前、「もうすぐ夏本番 一歩進んだペットの熱中症対策...愛する犬猫を命の危機にさらさないために」という記事に書きましたので、そちらも参考にしてみてください。

それに加えて、紫外線対策もしてあげてください。まだ、紫外線対策の重要性を知らない人もいます。

犬や猫は長生きになったので、飼い主が科学的な正しい知識を持っていることでがんが予防できたりするからです。

筆者は、犬や猫のがんの治療を多くしていますが、保護猫など外にいる時間が長い(紫外線を多くあびている)猫は、やはり耳や鼻などのがんになりやすいですね。この夏、暑さ対策と紫外線にも気を配り犬や猫たちが健やかな時間を過ごせますように。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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