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突然の地震で怯え、鳴き叫ぶペットたち… あなたができる事後ケアと、事前対策は?

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
(写真:アフロ)

2月13日深夜に福島県沖で地震が起きました。部屋では本や食器が散乱したり、水道停止や停電になっている地域もあります。被災された方、心からのお見舞いを申し上げます。

体調を崩すのは人だけではありません。対処が必要な犬や猫も多くいると思いますので、地震のときなどの災害時になにを注意すべきか、あなたとペットをどう守るかを考えてみましょう。

地震が起きた直後

写真:アフロ

犬や猫は、あなたより先に、異変を感じて不安になり、普段とは違う行動をすることがあります。そのあとに、地震が起きるということがあります。飼い主の安全を確保しつつ、ペットを安全な場所に移動させましょう。

□ まずは、犬や猫が逃げ出さないように、窓や扉を閉めましょう(避難経路は確保してください)

□ ケージに入れて、逃げ出さないようにしましょう

□ そのとき、ケージの位置は、本棚や食器棚の近くだと危ないので、安全なところに置いてください

□ ケージなどがすぐにない場合は、抱っこして部屋の隅に入らないようにしてください

□ リードをつけてどこかに行かないようにしてください

1995年に阪神・淡路大震災が起きました。

そのとき、大阪の筆者の動物病院には、行方不明になった猫、タンスの奥に入り込んで出て来なかった子などが数多くいました。そのため、けがや骨折した子もいました。

地震は、地球が大きく振動するので、犬や猫にとっては、恐怖です。それで、この場所から逃げようとする性質があります。

そのような行動があることを覚えておいてくださいね。

余震にたいして

飼い主は、地震の後、余震があることがわかっていますが、犬や猫たちは、そのことを理解することができないのです。

だから、しばらく不安で仕方がなく、食欲がなくなったり、怯えたりする子が増えます。

外見は、けがもないし、骨折もないので、地震の影響は何もなかったと思わないで、不安なのかもと飼い主は、考えてあげてくださいね。

地震の後、飼い主ができること

もちろん、心配や不安のある方は、動物病院に連れていってあげてくださいね。

そうでなくても、なるべく近くにいていつもより長くスキンシップしてあげてくださいね。以下を注意してくださいね。

□ 食事の時間が長くかかっていないか

□ 食事の時間が長くかかっていないか

□ ウンチが下痢っぽくないか

□ 水をちゃんと飲んでいるか

□ 睡眠時間が短くないか

□ 睡眠時間が小刻みになっていないか

□ 睡眠場所がコロコロ変わっていないか

などを見てくださいね。

上記のことがなくても犬や猫は、緊張状態が続いているかもしれません。

犬は、普段より少し長い時間、お散歩されるのもいいですが、そのとき、地面には、ガラスの破片などが落ちている可能性があるので、お散歩コースは選んでくださいね。動物病院に行けば、抗不安剤などの薬を処方してくれます。かかりつけ医に相談してみてくださいね。

予防

地震は、急にやってきます。そのためには備えが大切ですね。

□ 食器棚、本棚などの家具が転倒をしないように固定しましょう

□ ガラスの飛散防止フィルムを貼っておく

□ 屋外で飼っている場合は、外塀やガラス窓の近くを避けましょう

□ ペットフードなどの食事、水、薬(できれば7 日分以上)

□ キャリーバッグやケージ (猫などの小動物には避難時に欠かせないアイテム)

□ 予備の首輪、リード(伸びないもの)

□ ペットシーツ

□ 排泄物の処理用具

□ トイレ用品 (猫の場合は使い慣れた猫砂、または使用済)

犬の場合

環境省 災害、あなたとペットは大丈夫?人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>より
環境省 災害、あなたとペットは大丈夫?人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>より

□ 首輪と迷子札

□ 鑑札

□ 狂犬病予防注射済票

□ マイクロチップ

猫の場合

環境省 災害、あなたとペットは大丈夫?人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>より
環境省 災害、あなたとペットは大丈夫?人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>より

□ 首輪と迷子札 (猫の首輪はひっかかりを防止するために、力が加わると外れるタイプがいいですね)

□ マイクロチップ

このようなことを普段から備えておくと地震が起きても少しは不安が和らぎます。犬や猫は、人より敏感に自然の変化がわかります。それらのことを理解して、接してあげてくださいね。

以下を参考にしています。

環境省 災害、あなたとペットは大丈夫?人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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