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大相撲春場所がほぼ通常開催でスタート 新担当の阿武松親方が語る見どころ、阿武咲への期待

飯塚さきスポーツライター
新しく大阪場所担当になった阿武松親方(写真:日本相撲協会提供)

ほぼ通常開催に戻った大阪場所。初日は満員御礼の垂れ幕が優雅にたなびいていた。観客こそマスク姿ではあるが、思い思いに声援を送るその光景は、まるでパンデミック前。大相撲本来の楽しみ方が戻ってきていることに、心のなかで涙する。

賑わい戻る大阪の地

場所のチケットはほぼ完売。大阪場所担当として運営に携わる親方衆のひとり、阿武松親方(元幕内・大道)に話を伺った。阿武松親方は、今年に入ってから大阪場所担当に配属になったばかり。「力士だったときにはわからなかったですけど、こうして場所の運営のサポートをしてみて、本当にいろんな方の尽力があって成り立っているんだなとしみじみ実感しています。何もない体育館に足場を組んで席を作って、呼出しさんたちが土俵築(どひょうつき)をして。その仕事の一端を担えることをとてもうれしく思います」と、感慨深げに話す。

場所前には、大阪市内で春場所のPRを兼ねたちゃんこの炊き出しイベントも行った。

「まだコロナの規制で、なかなかお相撲さんたちが町に出られないので、高崎親方(元幕内・金開山)を中心に、無料でちゃんこを振る舞うイベントを行ったところ、たくさんの人に集まっていただきました。やってよかったですね」

地方場所の運営は、親方衆の「チーム力」が光ると阿武松親方が教えてくれた。

親方注目は「十両の土俵」

阿武松部屋には、先の初場所で大活躍した阿武咲が所属する。初日は会心の相撲で白星スタート。阿武咲らしさあふれる前に出る相撲で場内を沸かせた。

「やはり先場所で優勝争いのトップに立った経験がとても大きく、彼を一回り大きくしてくれたなと感じています。自信がみなぎっていますから、今場所も期待できると思いますよ」

今場所の土俵の一番の見どころは「やはり貴景勝の綱取り」としつつも、親方が注目するのは十両の土俵であるという。

「まずはやはり朝乃山。元大関の実力があるのはもちろんですが、そんな彼も負けることがある。それが相撲の面白いところです。そこに、新十両の落合をはじめ、同じく元大関の栃ノ心、優勝経験者である逸ノ城も加わってくるわけですから、今場所は十両が楽しみです」

横綱不在かつ大本命の貴景勝が初日から敗れる波乱。親方の語る通り至る所に見どころが満載の大阪場所。近隣の方は、現地の賑わいを肌で感じに足を運んではいかがだろうか。“荒れる春場所”、戦いの幕は切って落とされたばかりだ。

スポーツライター

1989(平成元)年生まれ、さいたま市出身。早稲田大学国際教養学部卒業。ベースボール・マガジン社に勤務後、2018年に独立。フリーのスポーツライターとして『相撲』(同社)、『大相撲ジャーナル』(アプリスタイル)などで執筆中。2019年ラグビーワールドカップでは、アメリカ代表チーム通訳として1カ月間帯同した。著書『日本で力士になるということ 外国出身力士の魂』、構成・インタビューを担当した横綱・照ノ富士の著書『奈落の底から見上げた明日』が発売中。

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