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勝つのはどっちだ? 特番『現役力士vs肉体派芸能人 怪力バトルフィールド』8月7日オンエア

飯塚さきスポーツライター
収録で笑顔を見せる横綱・照ノ富士(写真はすべて筆者撮影)

夏の風物詩・名古屋場所が終了し、今日8月5日(金)から2年ぶりの巡業が始まる。そして8月7日(日)には、お相撲さんたちが登場するバラエティー番組、3時間スペシャル『現役力士vs肉体派芸能人 怪力バトルフィールド』が午後6時からTBSにて放送される。

コロナ禍にあって、力士たちが一堂に会してこうしたテレビのバラエティー番組に出演するのはかなり久しぶりといえる。7月場所終了後、2ヶ月に一度の“相撲ロス”に苛まれる真っ最中であろうファンにとっては吉報である。

撮影が行われたのは5月末日。筆者もお邪魔させてもらった。終始リラックスムードで楽しく進められた収録の様子と、出演した力士たちの声を、写真と共にお届けしよう。

力士軍団率いる照ノ富士、7月場所優勝の逸ノ城も登場

現役力士たちと体力に自信のある芸能人たちが、さまざまな種目で競い合う本番組。この日は4つの屋内種目が収録された。

力士軍団を率いる横綱・照ノ富士は、解説の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)と共に、コメンテーターを務める。この日競技に参加したのは、7月場所で見事初優勝を遂げた逸ノ城に加え、若隆景、大栄翔、阿炎、玉鷲、佐田の海、碧山、王鵬の8人(別日に収録された屋外2種目では、若元春、翔猿、妙義龍、輝、平戸海が参加)。対するのは、リーダーの野田クリスタルさん(マヂカルラブリー)をはじめ、元キックボクサーの魔裟斗さん、ボディビルダーの横川尚隆選手などの肉体派芸能人だ。

解説を務めた二所ノ関親方と、司会の東野幸治氏
解説を務めた二所ノ関親方と、司会の東野幸治氏

行われた種目についても紹介しよう。「プッシュ・ザ・マウンテン」は、直径1.5mの土俵に立つ力士を20秒以内に押し出せれば芸能人チームの勝利。「ザ・ストロングポール」は、3mの棒を両端から握って押し合い、サークルから相手を出すか床に倒したほうの勝利となる。「ザ・アタックボム」は、力士が押し込むアクリル板を押し返し、20秒間堪え切れたら芸能人チームの勝ち。「俵さんが転んだ」は、重さ30kgの俵を担ぎ、「だるまさんがころんだ」をしながら先にゴールした人が勝利となる。どれもシンプルだが、白熱するものばかりだった。

「プッシュ・ザ・マウンテン」に挑戦する佐田の海とオードリーの春日俊彰さん。ほかの力士たちも後ろから見守る
「プッシュ・ザ・マウンテン」に挑戦する佐田の海とオードリーの春日俊彰さん。ほかの力士たちも後ろから見守る

白熱の戦いと力士たちの声

力士たちにも話を聞いてみた。まずは、チームのリーダーとして見守った照ノ富士。土俵上での厳しい表情とは打って変わって、終始ほどけた笑顔で、ケラケラと楽しそうに見ていた素の横綱の姿が印象的だった。

終始楽しそうだった横綱・照ノ富士
終始楽しそうだった横綱・照ノ富士

「お相撲さんの強さを見せられるのは楽しいですし、いいですね。ただ、みんな思いっきりぶん投げるからさ、ちびっ子相撲のときみたいにもう少し優しくしてあげたほうがいいんじゃないのとは思ったけどね(笑)」

実際に参加した力士たちはどうだったのだろうか。「すごく楽しくできました」と話すのは、プッシュ・ザ・マウンテンとザ・ストロングポールに挑戦した若隆景だ。「こういう番組から相撲の普及にもつながるので、いいと思いました」と前向きに話してくれた。

野田クリスタルさんを文字通り「ぶん投げる」若隆景
野田クリスタルさんを文字通り「ぶん投げる」若隆景

阿炎は「プッシュ・ザ・マウンテンは、ぶつかりみたいな感じだし、いなしてもOKで力だけじゃないから、自分には有利だったかなって。楽しかったし、相手もケガしなかったのでよかったです(笑)。本当ケガさせないようにってことだけやってました」と、はにかみながら答えた。

相手のケガを心配していたという阿炎
相手のケガを心配していたという阿炎

コメントではなんとも余裕綽々な力士たち。しかし、種目によっては思いもよらない展開が待ち受けている――⁉

「俵さんが転んだ」に挑戦した王鵬
「俵さんが転んだ」に挑戦した王鵬

芸人も興奮! エンタメ界でも光る力士たち

芸能人チームでも、光る活躍を見せる者がいた。その一人が、父が相撲ファンで、自身も子どもの頃からずっと相撲を見ていたと話す、電動スミスというお笑いコンビのしらすさん。興奮気味にこの日の感想を聞かせてくれた。

「小学生の頃から体が大きくて、ちびっ子相撲に参加させてもらったことがあるので、こういう機会で力士の皆さんとご一緒できて本当に光栄です。みんな強いし感動しました! さっき握手もさせてもらったんですけど、やっぱりでかさが違いますね。もう最高です」

「ザ・ストロングポール」で、7月場所初優勝の逸ノ城と対戦したしらすさん
「ザ・ストロングポール」で、7月場所初優勝の逸ノ城と対戦したしらすさん

この日は、大きな体と柔道の経験を生かして大活躍。「なんかわかんないけど、俺の膝が痛い」とぼやく、隣で見ていただけの相方に、すかさず「なんでだよ」と突っ込むしらすさんは、やはり本業は芸人なのだと思わせるが、この日はすっかり相撲ファンの様相を呈していた。

始まる前は、競技の普及に一役買うだろうと、ただありがたく思っていた筆者だったが、収録が始まると途端に引き込まれたのは、単純に見ていてとても楽しかったからだ。力士たちが、その力強さや肉体の素晴らしさを披露できただけでなく、芸能人チームの皆さんの場の盛り上げ方は、やはりプロフェッショナルなエンターテイナーのそれだった。普段あまり目にすることのない、バラエティー番組でのプロの仕事を見る貴重な機会となった。

オンエアは、8月7日(日)午後6時からTBS系列で3時間。新型コロナや猛暑で大変な今夏。楽しそうな力士たちの笑顔を見れば、皆さんも元気がもらえるに違いない。怪力バトルフィールドで、夏の暑さを吹き飛ばそう!

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スポーツライター

1989(平成元)年生まれ、さいたま市出身。早稲田大学国際教養学部卒業。ベースボール・マガジン社に勤務後、2018年に独立。フリーのスポーツライターとして『相撲』(同社)、『大相撲ジャーナル』(アプリスタイル)などで執筆中。2019年ラグビーワールドカップでは、アメリカ代表チーム通訳として1カ月間帯同した。著書『日本で力士になるということ 外国出身力士の魂』、構成・インタビューを担当した横綱・照ノ富士の著書『奈落の底から見上げた明日』が発売中。

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