全米騒然 一般教書演説、最も注目された“世紀の瞬間” ペロシ氏、トランプ氏を“こんまり”か?

団結を呼びかけたトランプ氏に、嫌味なゴルフ・クラップを送るペロシ氏。(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 トランプ氏の一般教書演説。演説内容がオーソドックスでつまらなかっただけに、際立ってしまったある“瞬間”に、全米が騒然としている。それは、民主党下院議長のナンシー・ペロシ氏が立ち上がり、トランプ氏に向けて、エッ!?と思わせるある拍手をした瞬間(タイトル下の画像)だ。

 以下が、注目されたその瞬間の動画。ペロシ氏は、振り返って自分を見上げたトランプ氏に、口角をキュッと上げ、蔑んでいるとも嘲っているとも見て取れるようにニヤっと笑い、不自然に腕を伸ばして拍手を送っている。

 ペロシ氏のこの拍手を“ゴルフ・クラップ”と呼ぶ人もいる。“ゴルフ・クラップ”とは、元々はゴルフ・トーナメントの際などに人々がする拍手のこと。片方の手の指をもう一方の手の手のひらに軽く重ねて、静かに叩く拍手だが、侮蔑の気持ちを表したい時にも、この拍手が行われる。つまり、“嫌味な拍手”というわけだ。実際、この拍手は、ペロシ氏からトランプ氏への“ディスり返し”とも指摘されている。

 絡み合った2人の政敵を捉えたこの画像に、ソーシャルメディアでは「世紀の画像だ!」という感嘆の声もあがった。

団結を呼びかけたトランプ氏に嫌味な拍手

 ペロシ氏が“ゴルフ・クラップ”をトランプ氏に送ったのは当然だ。“ゴルフ・クラップ”を送る直前、トランプ氏は以下のような発言をして、団結を呼びかけたからだ。

「我々は復讐、抵抗、そして報復を行うような政治を拒絶し、協力、歩み寄り、公益がもたらす無限の可能性を大切にしなればならない」

 ペロシ氏は懸案の“国境の壁”をめぐっては、トランプ氏の政敵。“国境の壁”の建設のために、史上最長の政府閉鎖をすることで、壁建設に反対する民主党に抵抗し、協力姿勢を見せなかったトランプ氏に辟易している。ペロシ氏に敵対してきたトランプ氏が、それまでの言動とは矛盾するような“団結の呼びかけ”をしたことに偽善を感じ、思わず、“ゴルフ・クラップ”をして、ディスってしまったのかもしれない。

トランプ氏を“こんまり”したい

 視聴者はペロシ氏の“ゴルフ・クラップ”を見逃さなかった。ツイッターでは“ゴルフ・クラップ”をしているペロシ氏の画像が一気に拡散、様々な声があがった。このジェスチャー、ペロシ氏がトランプ氏を“やっつけモード”に見えたためか、

「一般教書演説のベストな瞬間は、ペロシがトランプを拍手でぶっ飛ばした瞬間だよ」

「ペロシは、トランプを叩いているように見えるね」

「ペロシがボスだね」

という声があがった。

 ペロシ氏を“女王様”に祭り上げる声も。

「ペロシは、一番せこく、最高に嫌味な拍手をした神様だ。女王様(ペロシのこと)の熱狂的ファンだよ」

「ペロシは、“上から目線で拍手する女王様”だ」

 今年の一般教書演説の主役はトランプ氏ではなく、ペロシ氏だったのかもしれない。

 様々な解釈がされているこの場面に、“ママペロシ vs 子供トランプの図”を見てしまった人も多い。

「ペロシは、手に負えない幼児(トランプ氏のこと)を赤ちゃんザメのような動きをして、紛らしているんだね」

「ペロシは、トランプを“大きな幼児”のようにあしらっているわね」

「ペロシは赤ちゃん(トランプ氏)に大丈夫よって言っているふうだわ」

 実際、ペロシ氏の娘クリスティーンさんは、ペロシ氏のこのジェスチャーを10代の頃見たことがあるとツィート。この図は、ペロシ氏の娘のお墨付きをもらってしまった。

 さて、当のペロシ氏は、この拍手についてどう思っているのだろう? 

 「嘲ったんじゃない。トランプ氏にとてもありがたい発言をしてくれたわねと伝えたかったのよ」というのがペロシ氏の反応。嫌味な拍手ではなく、心からの拍手だったというのだ。

 しかし、目は口ほどに物を言う、ともいう。視聴者の目は誤魔化せなかったのではないか。

 ところで、ペロシ氏は手元の書類に目をやるなどして、トランプ氏の演説に関心を持っていない様子も見せた。あるトークショーのホストは、そんな様子について「トランプはペロシをときめかせなかったね。ペロシはトランプをホワイトハウスから“こんまり”したいんだよ」とジョークを飛ばしていた。確かに、ペロシ氏はトランプ氏を“お片づけ”したいところだろう。