法案成立へ向けて14日食品ロス削減推進法案が衆院消費者問題特別委員会で可決 コンビニ会計にも触れられ

2018年6月13日、食品ロスの削減の推進に関する法律案緊急院内集会(筆者撮影)

2019年5月14日、衆議院の消費者問題特別委員会で、「食品ロス削減推進法案」を衆議院本会議へ提出することを全会一致で可決した。

特別委員会での発言を見ると、コンビニ会計や3分の1ルールなど、食品ロスの要因となっている、食品業界の商慣習にも触れられている。

このあと、衆議院の本会議で可決され、衆議院へ送られ、今回の国会で可決・成立するとみられる。

2019年5月15日付の毎日新聞や日本農業新聞などが報じている。特に、日本農業新聞がまとめている表がわかりやすい。

食品ロス削減の推進に関する法律案のポイント(2019年5月15日付 日本農業新聞)
食品ロス削減の推進に関する法律案のポイント(2019年5月15日付 日本農業新聞)

提言:食品リサイクル法の基本方針でもある「リデュース(発生抑制)」を最優先に!

まだ通過点なので、具体的には、無事に国会で可決されてからの話だが・・・。

可決されたあかつきには、環境配慮の原則である3R(スリーアール)のうち、最優先の「リデュース(廃棄物の発生抑制)」を重点的に、基本方針や具体的な対策を定めていただきたい。

環境配慮のキーワード「3R(スリーアール)」のうち、最優先が「リデュース(廃棄物の発生抑制)」(3Rの考え方をもとに筆者作成)
環境配慮のキーワード「3R(スリーアール)」のうち、最優先が「リデュース(廃棄物の発生抑制)」(3Rの考え方をもとに筆者作成)

メディアの取り上げ方を見ても、「リユース(再利用)」や「リサイクル(再生利用)」に偏りがちであることを痛感する。

それらが悪いのではなく、まずは、食品ロスを減らす際、出どころ(根っこ)で減らすのが、最も、コストとエネルギーの発生抑制に繋がり、働き方改革にもつながるということだ。

マスメディアの方は、リユースやリサイクルの事例を紹介しつつ、最も重要なのはリデュースであることを、一般の人へ地道に啓発していただきい。

2018年6月13日、食品ロスの削減の推進に関する法律案緊急院内集会(筆者撮影)
2018年6月13日、食品ロスの削減の推進に関する法律案緊急院内集会(筆者撮影)

欧米に比べて食の安全性を考慮する日本は食品関連事業者がシェアしづらい

日本の食品ロスは、年間643万トン。これに対して、全国約77のフードバンクの年間取り扱い量は、3,538トン~4,120トン。これは、食品ロス量全体の0.06%に過ぎない。

国内フードバンクによる食品ロス削減量(流通経済研究所、国内フードバンクの活動実態把握調査報告書による)
国内フードバンクによる食品ロス削減量(流通経済研究所、国内フードバンクの活動実態把握調査報告書による)

「だから意味がない」のではない。この現状は、欧米に比べて、食の安全性を非常に考慮する日本の性質が如実に現れていると言える。

米国には、善意で寄付した食品により、万一、食品事故が起きたとしても責任を問わない「善きサマリア人(よきさまりあびと)の法」がある。責任を免れる「免責制度」だ。

また、寄付することで税金が安くなる税制優遇制度もある。食品関連事業者が寄付しやすい土台が整っている。

米国には、余剰農産物を政府が買い上げ、必要とするところへ配分する制度もある。

米国のほか、カナダ、オーストラリアやヨーロッパでは、調理済みの食事を必要とする人へ寄付しやすい仕組みが整っている。日本は、そうではない。免責制度もない。

先進自治体や食品ロス削減先進国は3Rの代わりに2Rを推進

食品ロス削減の先進自治体である京都市や東京都文京区は、3Rの代わりに、2R(にアール、ツーアール)を推進している。

優先順位の高い2つに特化した取り組みである。

イタリア・ピエモンテ州を取材した折にも、行政から頂いた資料には「2Rを優先する」旨が明記されていた。

京都市や東京都文京区、イタリア・ピエモンテ州は2Rを推進している(事実をもとに筆者作成)
京都市や東京都文京区、イタリア・ピエモンテ州は2Rを推進している(事実をもとに筆者作成)

まだ通過点ではあるが、今国会で可決されることを祈り、提言したい。