「冷蔵庫を空っぽにする幸せ感」冷蔵庫にも休暇を 食べきる楽しさ、使いきる清々しさ

(写真:アフロ)

2018年8月10日、JR東京駅の構内は、スーツケースを引く人たちで賑わっていた。

JR東京駅、新幹線ホーム(筆者撮影)
JR東京駅、新幹線ホーム(筆者撮影)

お盆の時期、夏休みに入り、長期間、家を不在にする家庭も多いかもしれない。そんな時、冷蔵庫を空っぽにしてみるのはどうだろう。

一日24時間365日、冷蔵庫は休まずに働いている。それなのに、私たちは、しょっちゅう、冷蔵庫の中で食べ物を腐らせたり、ダメにしたりしてしまっているのではないか。

カビてしまったニンジン(筆者撮影)
カビてしまったニンジン(筆者撮影)

「野菜室の野菜は一週間で使い切り、買い足さない」

2016年12月30日付、朝日新聞朝刊の「ひととき」というコーナーに、愛知県春日井市の67歳の女性からの投稿があった。

わが家の朝食は決まってパン食である。野菜サラダと季節のフルーツも必須メニューだ。

冷蔵庫の定位置に並ぶフルーツを眺め、何にも代えがたい幸せを感じる。逆に、満杯に詰め込んだ野菜室が週末に空っぽになるとこれまた違う幸せ感に浸される。

私にはルールがある。野菜室の野菜は1週間で食べきり、決して途中で買い足さない。夫と2人での生活では、キャベツ丸ごと1玉は週の半ばまで来ると少々プレッシャーがかかる。

ありがたいことに、生はもちろん、焼く、煮る、蒸す、包む――と料理の幅が広い。苦戦を強いられるが、達成感はカラダ中で感じられる。「2人分×3食×7日間=クリア」の数式は、長年の主婦業のなせる技と自負している。量に圧倒されながらも、食べられる健康に感謝せずにはいられない。

野菜高騰の折、丁寧にいただく。1週間後に野菜室が空になると、お礼の気持ちを込めて拭き掃除をする。そしてまた、そこは新鮮な野菜で満たされる。

日々、「食べることは生きること」を実感しながら、「医食同源」を深くかみしめている。

出典:2016年12月30日付 朝日新聞朝刊 生活面21面「ひととき」に投稿された愛知県春日井市在住、67歳女性の投稿
イタリア・ベネツィアの市場に並ぶ新鮮な野菜や果物(筆者撮影)
イタリア・ベネツィアの市場に並ぶ新鮮な野菜や果物(筆者撮影)

この方の投稿は印象的で、年月を経ても覚えていた。なぜかと言うと、冷蔵庫に食べ物を詰め込む時だけでなく、それを使い切って冷蔵庫が空っぽになった時にも、同じように「幸せ感」を感じているからだ。

買い物は楽しい。食べ物を買い、お金を払って所有し、冷蔵庫に詰め込む達成感。そこまでは多くの人が味わっているかもしれない。

でも、果たして、それをきちんと使い切っているだろうか。この投稿者の女性のように、一週間のサイクルを作って使い切り、そのたびに、喜びを感じているだろうか。

冷蔵庫に詰め込み過ぎている人も多いのでは(画像:フリー画像より)
冷蔵庫に詰め込み過ぎている人も多いのでは(画像:フリー画像より)

「冷蔵庫にも休暇を」

知人の男性は、フィリピンへ1ヶ月、語学留学をしたり、海外旅行をしたりしている。行く前に、冷蔵庫の中を空っぽにして、電源を切って出かけるという。スッキリ感があって、おすすめだそうだ。

子ども向けには『れいぞうこのなつやすみ』という本がある(ポプラ社、村上しいこ作、長谷川義史絵)。

冷蔵庫にも、休暇を。

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