IKEA(イケア)が8カ月で90万ドル・35万人分の食品ロスを削減することができたFLWスタンダード

(写真:ロイター/アフロ)

2018年7月26日、有限会社チェンジ・エージェント主催の食品ロス削減セミナーで登壇した。

有限会社チェンジ・エージェント主催の食品ロス削減セミナー(学生食品ロス削減プロジェクト撮影)
有限会社チェンジ・エージェント主催の食品ロス削減セミナー(学生食品ロス削減プロジェクト撮影)

1部では筆者が「食品事業者の食品ロス削減のアプローチ20の視点」について、主に食品事業者対象に、お話しさせていただいた。

お話しする筆者(チェンジ・エージェント撮影)
お話しする筆者(チェンジ・エージェント撮影)

2部では、チェンジ・エージェント代表取締役の小田理一郎さんが、世界の食品ロス削減の潮流と、「FLWスタンダード」について説明した。

「FLW」とは、Food Loss and Wasteのこと。日本語にすると「食品廃棄と損失」になるだろうか。英語の「Food Loss」と、日本語の「フードロス」とは、必ずしもイコールではないが、セミナーでは、どのようなものをどう定義するかについて、小田さんから説明があった。

「FLWスタンダード」とは、食品ロスをどのように計測・報告するかの基準を定めるために、世界資源研究所(WRI)など、複数の組織により、マルチステークホルダーアプローチによって開発された、いわば食品ロスの実態をはかるための基準である。チェンジ・エージェントは、この英語版を日本語版に翻訳し、それが参加者に配布された。

チェンジ・エージェント主催 食品ロス削減セミナー(撮影:学生食品ロス削減プロジェクト:高柳剛弘氏、本多将大氏)
チェンジ・エージェント主催 食品ロス削減セミナー(撮影:学生食品ロス削減プロジェクト:高柳剛弘氏、本多将大氏)

IKEA(イケア)レストランが3ヶ月で30%のロス削減を達成

小田さんは、世界でビジネスを展開するIKEA(イケア)の、レストラン部門の食品ロス削減事例について、詳しく解説された。

有限会社チェンジ・エージェント主催の食品ロス削減セミナー(チェンジ・エージェント撮影)
有限会社チェンジ・エージェント主催の食品ロス削減セミナー(チェンジ・エージェント撮影)

IKEAレストランは、2020年までに食品ロスを半減するという目標を設定している。

IKEAは、食品ロス測定にあたり、このFLWスタンダードを導入した。

IKEAは、英国・ロンドンに拠点を置くWinnowの開発した「廃棄物削減システム」を導入している。このようなツールと、測定の考え方を取り入れることにより、導入3ヶ月で30%、導入12週間(4か月)で20%のロスを削減できたとのこと。

小田さんは、この成功要因として、ロス削減の数値目標を設定したこと、モチベーション(やる気)をアップさせたこと、社員で結果を共有したこと、ツールが簡単であったこと、などを挙げられた。

IKEA(イケア)レストランは8ヶ月で90万ドル(35万人分)の食事廃棄を削減

イケアや他社の事例については、2018年2月19日付のIT media NEWSの記事にも掲載されている。

この記事によれば、IKEA全体で、8カ月間で90万ドル分(35万人分)に相当する食事の廃棄(食品ロス)を削減できたそうだ。

体重減量、体脂肪減量でも、まずは「はかる」ことから

日本では、中部地方でスーパーを展開するユニーが、店舗で発生する廃棄物を19分類し、どこで何が発生しているかを特定し、見える化することで、廃棄を減らすことに成功した。

神戸市が実施した食品ロスの実態調査でも、はかることで意識が高まり、家庭でのロス量が徐々に減っていったという結果が得られた。

体重を減らしたり、体脂肪を減らしたりしようとするとき、まずは、自分の立ち位置を把握するために値をはかる。

それと同じように、食品ロスを減らすための第一歩は、家庭でも事業者においても「はかる」ことだと考える。

<参考記事>

7月26日サステナブル・フード・ビジネス研究会特別セミナー 「食品ロス削減を考える」

食品損失と廃棄に関する測定 および報告に関する基準(エグゼクティブサマリー)

2018年2月19日付 IT media NEWS “食品ロス”どう減らす? 「食糧難」解決する世界のスタートアップたちの今