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朝ドラヒロイン「今田美桜の次」は誰になるか 2025年秋以降の候補10人

堀井憲一郎コラムニスト
(写真:つのだよしお/アフロ)

朝ドラ112作目『あんぱん』ヒロインは今田美桜

2025年の春の朝ドラ112作目『あんぱん』の主演が今田美桜に決まった。

次の次の次の朝ドラである。

今田美桜は104作目の『おかえりモネ』(2021年春)に出演していた。主人公の先輩お天気キャスター役、少し野望を持っていたイケているキャスターであった。

このとき、やがて彼女が朝ドラヒロインになるとはあまりおもわなかった。

個人的に、今田美桜が朝ドラヒロインやると似合うだろう、とおもったのはその翌年夏ドラマ『悪女〈わる〉』(日テレ)からである。

ここで今田美桜は、泥臭く動きまわる働く女性を演じて、見事だった。これは朝ドラヒロインも合うだろうと強くおもった。たぶん、そうおもった人もいたのだろう。

朝ドラヒロインは恋愛ドラマヒロインが多い

今田美桜の前のヒロインは橋本環奈、その前が伊藤沙莉である。

そのまま遡ってみる。(男主役の場合はその妻役)

趣里、浜辺美波、福原遥、黒島結菜、上白石萌音、清原果耶、杉咲花、二階堂ふみ、戸田恵梨香、広瀬すず。

民放ドラマでも主演する女優が並んでいる。

だいたい恋愛ドラマの主演ないしはヒロイン役を演じていることが多い。

このラインナップから考えると、今後の朝ドラヒロインもある程度は予想がつく。

いま若手の売れっ子女優を並べれば、そこにヒロインになる子が何人か入っているはずというだけなのだが、予想だといえば予想だ。

朝ドラヒロインは以前の朝ドラに出ていることが多い

そもそも、ヒロインは事前に朝ドラに出ていることも多い。

たとえば、いまの『ブギウギ』ヒロイン趣里は『とと姉ちゃん』の社員役で出ていた。ちょっと生意気で目立つ社員役であった。

次作ヒロインの伊藤沙莉は『ひよっこ』でパンしか食べない米屋の娘を演じて印象的だったし、今田美桜は書いたように『おかえりモネ』に出演していた。

遡っても黒島結菜は『スカーレット』でちょっとあやしい美大生、杉咲花は『とと姉ちゃん』でヒロインの末妹など、ヒロイン周辺の印象的な役を演じた人も多い。

10年近くヒロイン候補だとおもわれる小芝風花

そのパターンから少し名前をあげてみる。

「かつて朝ドラに出ていたことがある」というポイントで、10年近くヒロインになるんじゃないかとおもっているのが小芝風花である。

小芝風花は2015年秋の朝ドラ『あさが来た』でヒロインあさ(波瑠)の娘役を演じた。

このヒロイン“びっくりポン”のあさは、幼いころから結婚相手が決まっており(玉木宏演じる新次郎)ヒロインの恋愛模様は最初期しか展開しなかったので、中盤は清原果耶の演じるふゆ、後半は小芝風花が演じる千代が恋愛部分を担当していた。

なんとなくだが、そういう分担であった。

だからかなり印象的な二人であった。

この二人はいつかヒロインをやるんじゃないかと、たぶん多くの人がおもったはずである。

清原果耶は11作後、『おかえりモネ』でヒロインを演じた。

でも小芝風花はまだヒロインにならない。

朝ドラヒロイン候補だと気になったまま9年が経ってしまった。

まだだろうか。

朝ドラ経験のあるヒロイン候補12人

そのほか、朝ドラに出た人たちのなかからヒロイン候補を考えてみる。

『舞いあがれ!』でヒロインの親友役を演じた山下美月。24歳。

『舞いあがれ!』で五島で働く女性役の長濱ねる。25歳。

『おかえりモネ』でヒロインの親友役の恒松祐里。25歳。

『エール』でダンスホールの踊り子(かつ幼馴染み)役の堀田真由。25歳。

『ちむどんどん』で気の毒な当て馬役だった飯豊まりえ。26歳。

『あさが来た』のヒロイン娘役の小芝風花。26歳。

『なつぞら』のヒロインが引き取られた家の娘(疑似姉妹)の福地桃子。26歳。

『ひよっこ』で集団就職列車からヒロインと一緒だった松本穂香。27歳。

『エール』で主人公夫妻の娘役の古川琴音。27歳。

『半分、青い』でヒロインの親友役の奈緒。29歳。

『あまちゃん』でアイドルグループリーダーだった松岡茉優。29歳。

『おちょやん』の女中仲間だった仁村紗和。29歳。

このなかで可能性が高そうなのは、山下美月、堀田真由、飯豊まりえ、小芝風花、松本穂香あたりだろうか。

『ちむどんどん』と『エール』の姉妹も

ほかにも。

『ちむどんどん』でヒロインの末妹役の上白石萌歌。23歳。(2/28で24歳)

『ちむどんどん』でヒロインの長姉役の川口春奈。29歳。

『エール』でヒロインの妹役の森七菜。22歳。

このあたりはすでに民放ドラマの人たちという印象が強いけれど、でも可能性は十分ある。

ヒロイン芦田愛菜の可能性

そして朝ドラ出演はないが、芦田愛菜も候補の一人だろう。

まだ19歳だし、しばらくヒロイン候補年齢のはずだ。

彼女は朝ドラのドラマ部分への出演はないが、2018年秋の『まんぷく』ではナレーターを全話つとめた。出演はないが関わりは深い。

満を持してのヒロイン、という可能性も高い

大河ドラマで印象的だった女優たち

朝ドラ出演はないが、ヒロイン候補として挙がってるはずだとおもう女優さんたちは、たとえばこのへんである。

原菜乃華

桜田ひより

南沙良

高橋ひかる

山田杏奈

原菜乃華は『どうする家康』で千姫役、南沙良は『鎌倉殿の13人』の大姫役、高橋ひかるは『おんな城主直虎』で高瀬役を演じており、大河ドラマで印象深かった人たちである。

候補に名前が挙がっているのではないだろうか。

あと、ランダムに上げてみるなら、當真あみ、八木莉可子、蒔田彩珠、白石聖、佐久間由衣、白石麻衣、岸井ゆきの、深川麻衣、黒木華などだろうか。

いま可能性の高い候補10人

たくさん並べたので、なかでも可能性が高そうな女優を並べなおしてみる。

芦田愛菜。原菜乃華。桜田ひより。山田杏奈。上白石萌歌。山下美月。堀田真由。飯豊まりえ。小芝風花。松本穂香。

このあたりの10人だろう。

もちろん男性が主人公になったり、意外な女優が登用されることもあるので、今田美桜の次が必ずこの中にいるわけではない。

でも、その後数作のうちに、必ずこの中の誰かがなるはずだ、というのはわかる。

コラムニスト

1958年生まれ。京都市出身。1984年早稲田大学卒業後より文筆業に入る。落語、ディズニーランド、テレビ番組などのポップカルチャーから社会現象の分析を行う。著書に、1970年代の世相と現代のつながりを解く『1971年の悪霊』(2019年)、日本のクリスマスの詳細な歴史『愛と狂瀾のメリークリスマス』(2017年)、落語や江戸風俗について『落語の国からのぞいてみれば』(2009年)、『落語論』(2009年)、いろんな疑問を徹底的に調べた『ホリイのずんずん調査 誰も調べなかった100の謎』(2013年)、ディズニーランドカルチャーに関して『恋するディズニー、別れるディズニー』(2017年)など。

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