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VALORANT世界大会で日本代表が初の快挙

平岩康佑eスポーツアナウンサー
円陣を組むZETA DIVISION(提供:Riot Games)

VALORANTの世界大会「2022 VALORANT Champions Tour Stage 1 - Masters Reykjavik」のグループステージ最終戦が14日に行われ、日本代表のZETA DIVISIONが強豪NIP(ブラジル)と戦い2−1で勝利。日本代表として初めての世界大会ベスト8に進出した。

歴史的な快挙に、早朝ながら20万人以上のファンが見守った。

苛烈な接戦からの逆転勝利

延長戦を制すると、ZETA DIVISION(以下: ZETA)ベテランのLAZは静かに立ち上がり仲間と抱き合った。

2本先取で行われた試合、先制したのはブラジル代表NIPだった。続くアイスボックスを日本代表ZETAがしっかり勝ちきり最終第3マップまでもつれ込んだ。

しかし、最終マップでは常にNIPにリードを許す苦しい展開。リズムのいいNIPの攻撃が続いたが、LAZは「絶対に勝てる」と冷静に仲間を鼓舞しスコア9−12まで迫った。ついに12−12に追い付くとそのまま逆転、延長戦のオーバータイムでブラジル代表のNIPを下し、初のプレーオフ進出を決めた。

試合中のLAZ選手(提供:Riot Games)
試合中のLAZ選手(提供:Riot Games)

苦しかった世界の舞台

国内では前身の"Absolute Jupiter"時代から絶対王者として君臨していたが、世界大会では苦しんできた。昨年ベルリンでの世界大会Mastersで日本勢として初の白星を上げたのはライバルのCrazy Raccoonだった。

メンバーの移籍も経て迎えた今大会、初戦のDRX(韓国)には歴史的な大敗だった。しかし、LAZはそれすらも糧にした。今日の試合後のインタビューでは「初戦の大敗があったので(負けていても)対戦相手に自分たちの焦りをさとられないようにした」と振り返った。

時差がある中での連戦、試合後はアドレナリンでなかなか眠れずコンディションも整いきらないという。その厳しい環境の中で、昨日はイギリスの名門チームFNATICにも勝利。ZETAは大会を通じて、かつてない成長を見せているのかもしれない。

会場入りする選手たち(提供:Riot Games)
会場入りする選手たち(提供:Riot Games)

次戦はシードチームでドイツの雄、G2との一戦、日本時間4月15日02:00頃の試合開始予定だ。イギリスのFNATICに続き、ブラジルの強豪NIPも倒したZETA DIVISION。初のプレーオフで勝利を上げ、”世界のZETA”になれるか注目が集まる。

eスポーツアナウンサー

1987年東京生まれ、朝日放送にアナウンサーとして入社しプロ野球や女子プロゴルフなどの実況を担当。2017年には高校野球の実況が評価され、ANNアナウンサー賞 優秀賞を受賞。2018年に退社し、株式会社ODYSSEYを設立。アナウンサーのマネジメント事業やコンサルティング業を展開し、自らも日本最大級のeスポーツイベントRAGEやCRカップなどで実況を担当。テレビ朝日「ReALe」レギュラー、著書に「人生の公式ルートにとらわれない生き方」

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