ペットボトル水を利用するのではなく、給水スポットで水筒に給水する

 今日6月16日は「世界リフィルデー」(World Refill Day)。

 プラスチックゴミの問題を解決し、人々がより少ない廃棄物で生活できるようにするための普及啓発の日。「プラスチックを使い捨てるのではなく、容器を用意して詰め替えること」などが呼びかけられている。

World Refill Day 2021の啓発ポスター(https://www.refill.org.uk/world-refill-day/)
World Refill Day 2021の啓発ポスター(https://www.refill.org.uk/world-refill-day/)

 たとえば、ペットボトル水を利用するのではなく、給水スポットで水筒に給水する。最近まちなかに増えている給水スポットは、以下のReffil JapanなどのWEBサイトで紹介されている。

Reffil Japan Map 給水スポットを探そう 〜外出先で、最寄りの給水スポットを探して、のどを潤し、水筒に水を補充しましょう〜

そもそもなぜ使い捨てプラスチックの使用をやめるのか

 川、海などにプラスチックがあふれ、生物に悪影響を与えていることは多くの人が知るところとなった。ペットボトルや持ち帰り用のプラスチック容器などは、世界各地のビーチで見つかるトップ10のアイテムとなっている。

 近年では多くの国や企業がプラスチックの削減を公約したが、新型コロナのパンデミックは、それを後退させた。使い捨てプラスチックの使用は増え、再利用可能なものを禁止しているケースもある。

 日本ではペットボトルはリサイクルされているから問題ないと考える人が多い。自治体の中には水道水をペットボトルに詰め、おいしい水のPRにつかったり、販売したりする動きがある。こうしたペットボトルは1回使用したら廃棄され、リサイクル・・・されるだろうか?

 リサイクルにはコストがかかる。ペットボトルの場合、とくに収集コストが高い。分別収集や自治体の中間処理施設での異物の除去などのための人件費だ。自治体が安易にペットボトル水の販売に踏み切るのは、自治体でゴミとその処理コストを増やす愚行だ。

 そして実際には国内ではリサイクルされず、かなりの割合で海外に輸出されていたが、相手先が輸入を取りやめたため行き場を失っている。

水道水とペットボトル水は何が違うのか

 「世界リフィルデー」では、ペットボトル水ではなく、水道水を水筒で、と呼びかけられているが、両者の違いはどんなところにあるのか。いくつか考えてみたい。

 まず、水質。水道水は水道法で水質基準が定められており、項目数は51。一方のペットボトル水は食品衛生法で水質基準が定められており、項目数は39(だからといって、どちらがより安全ということはない)。

 硬度を考えると、日本の水は7割程度が硬度50以下。多くの地域の水道水も国産のペットボトル水も軟水が多い。

 水道水の原水の場合、石灰岩層などを通過すれば硬度の高い水となる。サンゴ礁の島の地下水は硬度が高い。ただ、水道水については、硬度300以上の水は、法律で供給できないことになっている。なぜなら家庭でせっけんを使うときに泡立ちにくくなるから。原水の硬度が高い場合、硬度を低くする装置で処理してから供給される場合もある。

 ペットボトル水の場合も、通過した土壌によって硬度が変わるという点では、水道水の原水と同じ。たとえばフランス産のコントレックスは硬度1500、ヴィッテルは硬度300だ。だが、かつて日本で最も売れていたボルヴィック(2019年発売終了)は硬度50なので、このくらいの硬度を日本人が好むのかもしれない。

 次に価格。ペットボトル水2Lの平均価格は99円(総務省小売物価統計調査)。東京都の水道水は2Lで0.48円。

 1日に必要とされる飲み水2Lをペットボトル水でまかなうと1日99円、月2970円、年3万6135円、水道水だと1日0.48円、月14.4円、年175.2円。

 ペットボトル水で約2本の料金が、水道水1年分の料金に相当する。最近、水道水の値上げが話題になっておるが、ペットボトル水の比ではない。

写真:アフロ

 最後にエネルギー。水道水は、取水、導水、浄水処理、各家庭まで送水・配水する過程でエネルギーを使用する。一方、ペットボトル水は、容器製造、ボトリング、運搬、販売時の冷却、ごみ処理、リサイクルなどでエネルギーを使用する。東京大学・平尾研究室による試算では、外国産のペットボトルに入ったミネラルウォーターを飲んだ場合と、水道水を水筒に入れて飲んだ場合の二酸化炭素排出量は約50倍あるという。

 水道水を水筒に入れて飲むのと、ペットボトル水を飲むことの差はいろいろある。