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前田敦子さんに見る「離婚しても仲が良い関係」を作る面会交流とは?【弁護士が解説】

後藤千絵フェリーチェ法律事務所 弁護士
(写真:アフロ)

1 はじめに

女優の前田敦子さんは、今年4月に俳優の勝地涼さんと離婚を発表しました。

ただ、離婚後も元夫との関係は悪くはなく、むしろ良好で、子供と3人で動物園の行くこともあるとか。

前田さんは「結婚しているときよりもお互いがオープンになれている感じ」「離婚して何かがいきなり変わったというか、『もっとこうやって楽に考えればよかったよね』みたいな」と語っています。

「DV」「骨折」騒動を経て…前田敦子、勝地涼とは「子供と3人で動物園」に行く関係

https://news.yahoo.co.jp/articles/b437d9007fb061a95f58af9d51e053b545067f0f

一度は好きになって結婚した相手と、たとえ離婚したとしても良好な関係を築きたいもの。

特に子供がいる場合は、両親が離婚したとしても、子供のお父さん、お母さんであることに変わりはありません。

では、子供がいる元夫婦の円満の秘訣とは何でしょうか?

それはズバリ、「面会交流」ではないかと考えています。

今回は「面会交流」について解説したいと思います。

2 面会交流とは

写真:アフロ

面会交流とは、離婚や別居により離れて暮らすことになった親と子供が、子供と直接会ったり、または間接的に電話や手紙、メール等で交流を図ることを言います。

民法上も「父又は母と子との面会及びその他の交流」(766条1項)という表現で明文化されています。

面会交流は親の権利としての側面はもちろんありますが、子供の権利でもあるため、面会交流を認めるか制限するかは、すべて子供の福祉に適合するかという観点から判断されます。

では、面会交流をうまくいかせるための具体的な方法について、別居親同居親それぞれの立場から説明していきたいと思います。

3 別居親の場合

写真:アフロ

別居親にとって昨今のコロナ禍における面会交流状況は決して良いとは言えないものでした。

「コロナが心配なので、子供には会わせません」と言われたら、ワクチンを打っているとか、仕事がリモートなので外出はほとんどしていないとか、毎日熱を測っているなどといった対策を講じていると言ってみても、同居親の意向次第で実現しないこともありました。

コロナ禍で面会交流が難しい状況にあったのは事実ですが、背景として同居親が別居親に対して悪感情を抱いており、子供に会わせない理由に使っていたようなケースも散見されました。

では、別居親の立場から面会交流をスムーズに実現し、継続していくためのポイントとは何でしょうか。

ポイント① 面会交流のための具体的な理由をあげること

別居親は子供に会いたいため、具体的な理由をあげずに「とにかく子供に会わせてほしい」とだけ主張しがちです。ですが、同居親を納得させるためには、できるだけ具体的な理由をあげた方がよいです。

例えば、将来にむけて子供とどのような親子関係を築いていきたいのか、子供のために何ができると考えているのか、それを実現するためにどのような面会交流を希望しているのかを同居親の立場にも可能なかぎり配慮しながら主張していくとよいでしょう。

ポイント② 同居親の立場を配慮して、具体的な面会交流の提案をすること

 離婚しても子供とは頻繁に会いたいし、泊りでの面会を求めたいと願う別居親の方も多いと思います。ただ一方で同居親や子供にもそれなりの用事があり、あまりに頻繁な要求には応じられないと断られるケースもよくあります。

そんな時には、同居親や子供に配慮した具体的な提案をするとよいでしょう。

例えば、子供が小さいときは公園や児童館に連れて行ったり、子供の習い事の送迎を申し出るなど同居親がゆっくり休む時間を持てるような配慮をすると喜ばれます。

小学生や中学生になったら、ショッピングモールで一緒に買い物をしたり、子供のリクエストで娯楽施設に行ったりレストランで食事をしたりするなど、子供の意見を聞くことが大切になってきます。常に子供が喜ぶような情報を収集しておくことも効果的です。

4 同居親の場合

写真:アフロ

同居親の中には、「面会交流は月に一回程度が相場だと聞いたことがある」とか、「別居親が子供に対して良い影響を与えていないから」と言った理由で、なるべく面会交流には応じたくないという方もいらっしゃいます。

酷い場合だと、面会交流をしないといけないと考えるだけで、憂鬱な気分になるという方も…。

そんな時には、次のポイントに気をつけてみてください。

ポイント① 面会交流を拒否する理由を具体的に示すこと

一方的に面会交流を断ったのでは、別居親も納得せず、益々こじれてしまうことにもなりかねません。

面会交流を拒否する理由を具体的に挙げてみましょう。

例えば「別居親の行動に問題がある(ルールを守らない、ゲームばかりさせる、物を何でも買い与える、同居親のことを悪く言う)」、「子供が面会交流を希望しない(友達と遊ぶ方が楽しい、習い事や部活、塾で忙しい)」、「同居親の心情(別居親と顔を合わせたくない、仕事が休みの日は子供とゆっくり過ごしたい)」等がよくある理由です。

何が嫌で面会交流をしたくないのか、書き出してみましょう。

まずは、面会交流を拒否する理由を明確にしてください。

ポイント② 改善案や代替案を考えてみること

その上で、改善できる点があれば、改善し、別居親に理解してもらうことが大切です。

例えば、「別居親の行動に問題がある」ケースでは、別居親に改善を促し、ルール作りをする必要があるでしょう。

子供のスケジュールを別居親に示して、別居親の理解を促すよう努力をすることも重要です。

また、別居親の理解を得るために、具体的な代替案を提示することも大切だと思います。

直接会わせるのが難しい場合(子供が別居親になついていなかったり、同居していた時に問題行動があった場合等)には、間接的な面会交流という方法もあります。メールやLINEでやり取りをしたり、手紙や写真を送ったりして子供と間接的に交流するのです。段階的に様子を見て、直接的な面会交流に移行することを検討する必要はありますが、直接的な面会交流よりはハードルが低いのではないでしょうか。

5 まとめ

写真:アフロ

離婚協議における面会交流の話し合いは、できるだけ速やかにすることが望ましいと言えます

例えば、実際に現場ではよくあるケースなのですが、男性が離婚に難色を示しているケース、実は離婚すれば子供と疎遠になるのではないかという不安を抱いて、離婚を拒否していることがあります。いつでも自由に子供と面会ができると思えば、絶対に離婚はしないと言い張っていた夫が離婚に同意し、スムーズに離婚が成立することもよくあります。

さらに子供との面会交流がうまくいくと、社会問題化している養育費不払いが解消する可能性もあります。面会交流を頻繁にしていると、親の心情として子供の養育費くらいはせめてきちんと支払おうという気になるものだからです。

離婚時の話し合いにおいて、子供に関する悩みはどんな小さなことでも話し合うことを約束し、離婚協議書の中に入れ込んでもよいでしょう。

前田敦子さんのように、3人で会う機会を作ることを決めておくのもおススメです。

離婚後も定期的にコミュニケーションが取れるのは、良好な関係を保つポイントであり、その架け橋が子供との面会交流なのです。 

フェリーチェ法律事務所 弁護士

京都生まれ。大阪大学文学部卒業後、大手損害保険会社に入社するも、5年で退職。大手予備校での講師職を経て、30歳を過ぎてから法律の道に進むことを決意。派遣社員やアルバイトなどさまざまな職業に就きながら勉強を続け、2008年に弁護士になる。荒木法律事務所を経て、2017年にスタッフ全員が女性であるフェリーチェ法律事務所設立。離婚・DV・慰謝料・財産分与・親権・養育費・面会交流・相続問題など、家族の事案をもっとも得意とする。なかでも、離婚は女性を中心に、年間300件、のべ3,000人の相談に乗っている。

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