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両親がいるのは約7割…アメリカ合衆国の子供がいる家族の実情をさぐる(2021年公開版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 子供がいる家族のすべてが父母双方いるとは限らない。(写真:アフロ)

子供がいる家族で両親が存在しているとは限らない。死別、離別、あるいは非嫡出子の場合もある。アメリカ合衆国の子供がいる家族における実情を、同国の国勢調査局(Census Bureau)の公開値から確認する。

次に示すのはアメリカ合衆国における、18歳未満の子供がいる家族の組数動向。なお家族(Family)は血縁・法律上の婚姻関係を指し、家計や同居の有無は関係しない。類似の言葉として用いられることが多い世帯(HouseHold)は、同一住宅内に居住する人の集合を指す。また今件は「18歳未満の『子供』がいる家族」であり、両親がともにおらず祖父母が育てている場合は、祖父母と孫の関係になるので該当しない。さらに2007年から2008年にかけて調査方法の一部変更が行われたため、数字がイレギュラー的な動きを示している場合がある。

↑ アメリカ合衆国における18歳未満の子供がいる家族(万組)
↑ アメリカ合衆国における18歳未満の子供がいる家族(万組)

↑ アメリカ合衆国における18歳未満の子供がいる家族(万組)(2001年以降)
↑ アメリカ合衆国における18歳未満の子供がいる家族(万組)(2001年以降)

アメリカ合衆国では非嫡出子、特に母親のみの子供が増加している実態が、今グラフからもよくわかる。1970年代以降は夫婦がともにいる家族数はおおよそ横ばいのまま推移し、母親のみ、父親のみの家族数が増加。特に母親のみの家族は大幅な増加を示している。無論片方の親のみの家族は、非嫡出子以外に死別、離婚によって生じたケースも多分にある。ただしこの数年に限れば、母親のみの世帯数が減る動きを示している。

直近となる2020年では、子供がいる家族3346万組のうち、夫婦がともにいるのは2362万組でしかなく、747万組は母親のみ、237万組は父親のみの家族となっている。他に祖父母が同居している場合もありえるが、法的な家族構成において片方の親しかいない親子が984万組いる計算になる。

この状況に関して、子供がいる家族の総数に占める比率を算出し、その推移を見たのが次のグラフ。

↑ アメリカ合衆国における、18歳未満の子供がいる家族(比率)
↑ アメリカ合衆国における、18歳未満の子供がいる家族(比率)

↑ アメリカ合衆国における、18歳未満の子供がいる家族(比率)(2001年以降)
↑ アメリカ合衆国における、18歳未満の子供がいる家族(比率)(2001年以降)

1950年当時は夫婦がともにいる家族が92.6%、どちらか片方しかいない家族は7.4%でしかなかった。それが直近の2020年では夫婦のいる家族は70.6%、母親のみが22.3%、父親のみが7.1%。片親のみの家族が3割近く。子供がいる家族の様式がこの半世紀強の間に、大きく変化したことは否めまい。

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(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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