アメリカ合衆国から見た一般の日米協力・相互理解関係の推移をさぐる(2020年公開版)

↑ アメリカ合衆国の人達から見た日米関係の実情は?(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

日米の協力関係に関してアメリカ合衆国の人達はどのような認識をしているだろうか。その実情を外務省が2020年3月に発表した「米国における対日世論調査」(※)の結果から確認する。

まずは日米の協力関係において、軍事や政治などに限定せず、一般的にどのような評価を下しているかとの質問。「極めて良好」「良好」「普通」「よくない」「分からない・回答拒否」のうち、ポジティブな意見である「極めて良好」「良好」双方を足した値の推移をグラフ化したのが次の図。有識者は1992年度から質問を設定しているため、答えもそれ以降のものとなっている。

↑ 日米協力関係一般への評価(「極めて良好」「良好」「普通」「よくない」「分からない・回答拒否」のうち、「極めて良好」「良好」の回答者合計)
↑ 日米協力関係一般への評価(「極めて良好」「良好」「普通」「よくない」「分からない・回答拒否」のうち、「極めて良好」「良好」の回答者合計)

有識者の方が一般人の10~20%ポイント程度の上乗せをしていたが、上昇の仕方は双方で変わりが無い。有識者の計測を始めた1992年度以降、一貫して上昇傾向を見せていた。一般的な協力関係については良好であるとの認識を持っていると考えてよかった。

ところが2013年度になると、一般人では前年度から22%ポイントと大きな下落が確認できる。有識者では2014年度に同じような動きが生じている。詳細を見るに(グラフ化は略)、その分「普通」の回答者が増えているのだが、この一年で日米協力関係に劇的なマイナス要因となる事態が起きたとも思えず、また仮に震災関連の反動だとしても、その勢いが大きすぎる。2014年度以降は少しずつだが持ち直しを見せ、同時に一般人と有識者との間の差があまり無い状態となっている。

直近年度では一般人の値は前年度から7%ポイントの下落、有識者は2%の下落。

一方、国全体も含めた包括的なものではなく、国民の視線に降りた形で、両国国民における相互理解度をどのように認識しているかを聞いたのが次のグラフ。「普通」との回答が多いこともあり、「よく理解し合っている」の割合は先の「協力関係一般」と比べれば低い。

↑ 日米両国民の相互理解度(「よく理解し合っている」「普通」「そうは思わない」「分からない」のうち「よく理解し合っている」の回答者)
↑ 日米両国民の相互理解度(「よく理解し合っている」「普通」「そうは思わない」「分からない」のうち「よく理解し合っている」の回答者)

こちらも1990年代前半以降漸増傾向に違いは無い。そして2013年度以降の減少傾向も、「協力関係一般」と同じ流れ。

直近年度では一般人の値は2%ポイントの上昇だが、有識者は実に12%ポイントも増加し、過去最大値を記録する結果となった。前年度では「普通」が59%だったのが直近年度では47%と12%ポイントも減少しており、実質的に「普通」の回答者がそのまま「よく理解し合っている」にシフトした形となっている。

今件はあくまでも日本全体・包括的な日本そのものについて言及していることに注意する必要がある。他の項目では一部影響が及んでいるのも確認できるが(例えばある項目では、2008年度のアメリカ合衆国大統領選挙前後に、日本への傾注度が落ちている動きが確認できる)、少なくとも今項目では各調査時期の両国の政権政党や基本政策は、影響を与えていないと見てよいだろう。

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※米国における対日世論調査

直近分は外務省がハリス社に委託し、アメリカ合衆国内において電話により2019年11月に実施されたもので、有効回答数は一般人1015人(18歳以上)・有識者200人(政官財、学術、マスコミ、宗教、労働関係などで指導的立場にある人物)。過去の調査もほぼ同条件で実施されている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。