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小学生から高校生のインターネット利用時の無線LAN利用実情をさぐる

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 無線LANが利用できるのなら快適にインターネットを使えるのだが。(ペイレスイメージズ/アフロ)

・小学生から高校生でインターネットを利用している端末での無線LAN利用率は、スマートフォンで92.9%、ノートパソコンで86.0%、格安スマホで87.5%(2017年)。

・タブレット型端末では90.9%、携帯ゲーム機では80.5%。

家庭でインターネットを利用する際には欠かせない存在となりつつある無線LAN。子供達の間ではどこまで浸透しているのだろうか。今回は内閣府が2018年3月に確定報を発表した「青少年のインターネット利用環境実態調査」(※)の報告書から、小学生から高校生における主要インターネット接続端末でインターネットへアクセスする際の、無線LANの利用経験の現状を確認する。

今調査の該当項目では、インターネットを利用する際に、Wi-Fiなどの無線LANを使うことがあるか、「使っている」「使うことは無い」「分からない」の三択で尋ねている。これまでに一度でも利用したか否かの経験則では無く、現在のアクセス手段の一つとして認識しているか否かを聞いていることになる。

また無線LANそのものについては設問票では「携帯電話事業者の回線(3G回線やLTEなど)とは別に、自宅や店などにあるインターネットの無線アクセスポイントに接続する機能」との説明がある。例えば自宅でパソコン向けなどとして契約しているインターネット回線を用い、無線LAN接続をすれば、利用エリアは自宅内に限られる(場合によっては自宅内でも無線が届かず接続できない場合もある)ものの、インターネットにアクセスする際の追加料金は不必要となる。住宅向けの回線はスマートフォンなどの携帯電話向け回線と比べ、利用情報量などの点で制限が緩いのが常である。

まずはスマートフォンやパソコン。調査票ではスマートフォンに関して(通常型の)スマートフォンの他に「機能限定・子供向けスマホ」の項目もあり、回答値も掲載されているが、回答母数が少数で比率にぶれがあるため今件グラフには掲載はしていない。

↑ 該当端末でインターネット利用者における無線LAN利用率(スマートフォン・パソコン)(2017年)
↑ 該当端末でインターネット利用者における無線LAN利用率(スマートフォン・パソコン)(2017年)

スマートフォンは自宅外、例えば通学中や遊び先で使うことも多いが、利用率は高め。中学生から高校生で9割強、小学生で8割前後。「常に無線LANのみを利用」では無く「無線LANを使うこともある」ならば納得の値ではある。他方、携帯電話会社との契約が切れたスマートフォンは、小学生から中学生ではスマートフォンよりも高い値が出ている。

機動性の問題もあり、パソコンではノートパソコンの方が無線LANの利用率は高い。全体で7.8%ポイントの差が出ている。高校生ではノートパソコンを利用している人の9割近くは無線LANを使うことがあるとしている。

パソコンやスマートフォンではその利用スタイルは容易に想像できるが、気になるのは次のグラフの対象端末、タブレット型端末や携帯音楽プレイヤーなど。

↑ 該当端末でインターネット利用者における無線LAN利用率(タブレット型端末、ゲーム機など)(2017年)
↑ 該当端末でインターネット利用者における無線LAN利用率(タブレット型端末、ゲーム機など)(2017年)

パソコンにおけるデスクトップとノートの差異のように、機動力の低い端末ほど利用率も低い、見方を変えれば有線接続されている可能性が高いことを示唆する結果が出てもよさそうなものだが、家庭用ゲーム機では明らかな差異は生じていない。総数では携帯ゲーム機の値は据置型ゲーム機より上だが、その差は0.6%ポイント、中学生ではむしろ据置型ゲーム機の方が高い値が出ているほど。一般世帯に無線LANが普及し、性能も向上し、ゲーム機の機動力に関係無く利用できるようになった結果かもしれない。

携帯音楽プレイヤーは7割強、タブレット型端末は9割強、学習用タブレットでも7割強と高い値を示しており、いずれも屋外に持ち歩いた上でのインターネット利用としてのスタイルよりもむしろ特定拠点、特に自宅で無線LANを用いて利用されていることが分かる。逆に自宅などの屋内における無線LAN環境の整備が、タブレット型端末の利用を後押ししていると解釈してもよいだろう。

残念ながら今調査では無線LANの利用頻度は設問に無いため、これら利用経験者における詳しい利用状況までは確認ができない。ただ、実際の利用スタイルをイメージすれば、快適性や料金との兼ね合わせから、無線LANが使える環境なら(、そして安全面などを考慮して利用してもよいと判断できる場面なら)、積極的に利用する人は多数いるはず。

今後新規に発売されるインターネットへ接続できる主要端末で、無線LANに非対応のものは(子供向けなどの制限事情が無い限り)想定しにくい。来年以降はさらに利用状況は進むに違いない。

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※青少年のインターネット利用環境実態調査

直近年度分は2017年11月3日から12月3日にかけて2017年11月1日時点で満10歳から満17歳までの青少年とその同居保護者それぞれ5000人に対し、調査員による個別面接聴取法(保護者は訪問配布訪問回収法)で行われたもの。時間の調整ができない場合のみウェブ調査法(保護者は加えて郵送回収法)を併用している。有効回答数は青少年が3288人(うちウェブ経由は122人)、保護者は3469人(うちウェブ経由は44人、郵送回収法は26人)。過去の調査もほぼ同じ形式で実施されている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更を加えたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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