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平均2.8合、一人暮らしだと2.5合…自炊者のご飯を炊く量をさぐる

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 自炊している人もあまり気にしないであろう、炊飯の量。その実態は(ペイレスイメージズ/アフロ)

最近では電子レンジなどを用いて一食分のご飯が炊ける調理器具も登場し、重宝されている面もあるが、世帯単位で自炊(炊飯)をする場合、その多くは炊飯器を用いてお米を炊くことになる。その炊飯器の能力上限次第によるところが大きいが、世間一般では一度にどれ位の量のご飯が炊かれているのだろうか。今回はJC総研が2017年6月に発表した、お米の消費行動に関する調査(※)結果をもとに、「一般世帯で自炊される際の、一度に炊かれるご飯の量」を確認する。

今調査対象母集団では1日平均で2食近くのご飯が食されている。その一部はお弁当やピラフなどの中食だが、多くは自宅で炊いた炊飯によるもの。

↑ 1日の主食平均食数(2017年)
↑ 1日の主食平均食数(2017年)

それでは一般の世帯で炊飯をする人は、一度にどれほどの量を炊いているのだろうか。炊飯者に限定して聞いた結果が次のグラフ。ちなみにお米1合は大よそ180ミリリットルで150グラム前後。ご飯として炊きあがると、大体お茶碗で大盛り2杯分ほど(400グラム位)となる。

↑ 世帯で1回に炊飯する量(家庭炊飯者限定)(2017年)
↑ 世帯で1回に炊飯する量(家庭炊飯者限定)(2017年)

ボリュームゾーンは2合と3合でそれぞれ3割近くの回答率。炊飯器はその能力の上限までしか炊けないこと、その能力を下回る量でご飯を炊く意味が(一度に食べきるのでない限りは)あまり無いことから、大よそこの量が各家庭にある炊飯器の大きさと判断しても良いだろう。

これを世帯人数別に仕切り分けし、さらに炊飯量の概算平均を求めたのが次のグラフ。後述する通り、一度で食べきることを前提としていないことに注意。

↑ 世帯人数別・世帯で1回に炊飯する量(家庭炊飯者限定)(概算平均)(2017年)
↑ 世帯人数別・世帯で1回に炊飯する量(家庭炊飯者限定)(概算平均)(2017年)

ほぼきれいな形で大所帯ほど一度に炊く量が多くなっている(中央値の取り方の問題からか、単身世帯よりも2人世帯の方がやや少なくなっている)。一方で、単身世帯でも一度に炊く量は平均2.52合とやや多め。上記の通りならば大体大盛りごはんで5杯分。一人で一度に食べきるのは難しい量ではある。

この疑問に答えを出してくれるのが次のグラフ。これは各炊飯世帯において、炊いたご飯をどのように食べているかを示したもの。炊く量の目安をどのようにつけているかを表しており、大よそご飯の食べ方の指針となっている。

お弁当用としてご飯を用意する場合、普通の食事同様に食事1回分に含む。例えば朝ご飯用とお弁当に詰めるためのご飯を合わせ、タイマーなどで早朝炊きあがるようにセットして炊いている場合、「2回の食事で食べ切る量」が該当する。

↑ 世帯で1回に炊飯する量の目安(家庭炊飯者限定)(2回以上はお弁当用含む)(2017年)
↑ 世帯で1回に炊飯する量の目安(家庭炊飯者限定)(2回以上はお弁当用含む)(2017年)

単身、つまり一人暮らしの場合、一度で食べ切る量を炊いている人は1割でしかない。2回分も2割強。3割近くは3回以上、そして4割近くは当座(特に指定は無いが炊いた直後の食事との意味だろう)分と、冷凍保存して食べる分を炊いていると答えている。これならば、単身世帯でも平均して約2.5合のご飯を炊くのも納得がいく。

ちなみにご飯を冷凍保存をすると(専用の容器も多数発売されている)味は少々落ちるかもしれないが、主食をいつでも手間をかけずに準備することができるため、非常に便利。一人暮らしには重宝すべき手法である。

世帯人数が多くなるにつれ、一度に食べ切る、あるいは2回の食事で食べ終える比率が高くなると共に、冷凍保存の比率は減っていく。世帯人数が多くなると一度の食自分でも大量の保存が必要となり、冷凍庫の場所が足りなくなってしまう。ならばこまめに炊いた方が良いとの判断によるものだろう。

一人暮らしの自宅炊飯者は4割がご飯を冷凍して活用している。ご飯の利用性向において、興味深い話には違いない。

■関連記事:

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※米の消費行動調査

2017年3月10日から15日にかけて、全国の主婦既婚男性・単身(独身)女性・単身(独身)男性に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2214人。男女比は1対1、年齢階層別構成比は20代以下168人・30代316人・40代367人・50代365人・60代456人・70代以上542人。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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