普段購入しているお米の価格の実情をさぐる
お米は専門店以外にスーパーやコンビニ等でも気軽に手に入るようになり、昨今ではインターネット経由での通販も盛んに行われている。普段お米を購入する人たちは、どの価格帯の商品を購入しているのだろうか。JC総研が2017年6月に発表したお米の消費行動に関する調査結果(※)から、その実情を探る。
今調査対象母集団のうちお米を購入する人に対し、普段購入するお米の価格帯(5キロ当たり)を尋ね、その回答値を基に概算の平均値を算出した結果が次のグラフ(公開回答項目のうち「購入価格が分からない」は除外した上で再計算をしている)。
既婚男女・未婚男女をすべて合わせた全体の平均は1940円。そして年齢階層別では大よそ若年層ほど安い、高齢層ほど高いお米を購入している計算になる。年齢階層間の価格格差は最大で約170円/5キロ。他の食品同様、お米に関しても歳を取るほど味にこだわりを持ち、少々高値でも妥協せずに購入するようになるのだろう。あるいはより安い場所で購入するための移動に難儀をし、近場で調達するからなのかもしれない。
これを回答者の世帯構成による属性別に振り分けたのが次のグラフ。
既婚男性がもっとも安く1897円、次いで単身男性が1928円、既婚女性が1951円で、もっとも高いのは既婚単身女性の2021円。世帯構成別では最大で100円強の差がついているが、さほど大きな違いでは無い。同じ世帯構成なら男性の方が価格が低いのは、味よりも量を優先する人が多いからだろうか。
発表報告書では経年データも掲載されているが、2010年と2011年以降では調査対象母集団そのものの属性に断絶があるため、厳密には連続性があるとは言い難い。それでも同じように算出したのが次のグラフ(過去の値に関しても「購入価格が分からない」の分は除外して再計算している)。
2013年をピークに、段々と平均価格は減少している。直近の2017年でようやく少しばかり持ち直した程度。グラフの最安値部分が1800円のため、実際の下げ具合は見た目ほどではないが、それでもピークと比べると100円強ほど落ちている。多分に標準小売価格が下落したためではある。
多様な価格を持つお米を見る機会は多々あるが、実際購入される場面を見る機会はさほど多くないため、また他人が購入したお米の価格を聞くことも無いことから、他人の動向は推し量りにくいもの。今回の各種値が、今後自前でお米を購入する際の何らかの指標となれば幸いだ。
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米類・パン類・麺類の動き…世帯単位での主食3「系統」の購入性向推移をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))
※米の消費行動調査
2017年3月10日から15日にかけて、全国の主婦既婚男性・単身(独身)女性・単身(独身)男性に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2214人。男女比は1対1、年齢階層別構成比は20代以下168人・30代316人・40代367人・50代365人・60代456人・70代以上542人。