スマホは20代は9割近くが2時間強使用…パソコンやスマホなどの利用実態
スマホの機能の充実と普及率の上昇に伴い、パソコン離れが進んでいるとの話がある。スマホは、パソコンはどれほどの人が、どれぐらいの時間を費やしているのだろうか。総務省が2015年5月に情報通信政策研究所の調査結果として発表した「平成26年 情報メディアの利用時間と情報行動に関する調査」をもとに確認していく。
次に示すのは主要情報端末別の世代別行為者率。この行為者率とは該当期日のうち、連続して10分以上使用した人の割合を示している。例えば10代のスマートフォン(スマホ)は62.5%とあるので、10代のうち6割強は平日に1度以上スマートフォンを操作したことになる。10代の値ではやや少ないように思えるかもしれないが、今調査の対象年齢の下限は13歳のため、(所有率そのものが低い)中学生も入っていると考えれば道理は通る。また今件ではプライベートに限らず、学業や就業時に利用した場合も該当する。
全体においても世代別は10代から50代に至るまで、パソコンよりもスマートフォンの行為者率の方が高い。平日分の調査のため、多分に就業者の就業上におけるパソコン利用が含まれているが、それでも60代に入ってようやくパソコンの方が行為者率が高くなる実態は、スマートフォンの浸透が大いに進んでいることの裏付けではある。
10代ではパソコン行為者率は13.9%、スマートフォンは62.5%。4倍以上の差が開いている。また従来型携帯電話の行為者率が低く、スマートフォンが高い状況は、中堅層までを中心に従来型からスマートフォンへのシフトが進んでいることを裏付ける結果ではある。同時に50代以降の壮齢・シニア層では「これまで使っていた従来型携帯電を継続利用している」「スマートフォンは多機能に過ぎるので従来型で十分」などの理由からか、若年層よりも従来型携帯電話の行為者率が高い。1/4前後の利用状況は同世代の人数を考慮すると、決して無視できない値ではある。
続いて行為者平均時間。これは行為者限定の平均的な利用時間。行為者の人数が少なくても、使っていない人との間で平均化されて短くなってしまうことは無い。
パソコンの利用時間が長いのは就業時に仕事用として使うからに他ならない。仕事の機会がほとんど無い10代ではパソコンの利用時間は短く、1時間半程度。一方でスマートフォンは2時間以上使っている。
なお20代の従来型携帯電話の行為者平均時間が191分とパソコンに迫る長さを示しているが、これは該当回答者が12人しかいないために生じたイレギュラー値のようだ。
ちなみに同様の条件で行われた、前年分の調査結果との比較をしたのが次のグラフ。
スマートフォンがどの世代においても浸透しているが、特に中堅層で伸びが大きいのが分かる。同時に従来型携帯電話の行為者率も落ちており、中堅層で従来型携帯からスマートフォンへの移行が起きているようすがうかがえる。若年層の伸びが今一つなのは、すでに伸びしろが小さいのも要因ではある。他方、10代でパソコンの行為者率が大きく落ちているのが目に留まる。これもまた、若年層のパソコン離れが進んでいることを示す一つの指標かもしれない。
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