動画投稿やデジタルコンテンツの販売、ハンドメイド品のネット売買…大学生からの見方を探る
インターネットの技術の進化と普及率の向上はさまざまなビジネスを新たに生み出し、規模を拡大している。それらのビジネスに今の大学生がどれほど興味を抱き、さらにすでに実践しているか。フルキャストが2015年3月に発表した「大学生の金銭・仕事事情に関する調査」(2015年2月に実施。インターネット経由。20代の大学・短大生対象。有効回答数1000件。実家暮らし率66.5%)から確認していく。
次に示すのはインターネット技術の進歩やアクセス環境の普及により、新たに生まれた、大きく市場が広がりハードルが低くなったビジネスにどれほど興味関心を抱いているかを尋ねた結果。「実際に取り組んでいる」「調べたことがある」「憧れる程度に関心はある」「見聞きしたことがある程度」「見聞きしたことが無い」の5選択肢の中から一つを選んでもらい、前者3つのポジティブな回答値を足したもの。
動画投稿、具体的には「ユーチューバー」のようにYouTubeに自前の動画を掲載し広告を添付させる、ニコニコ動画のクリエイター奨励プログラムに参加するような稼ぎ方に興味がある人は1/3強。デジタルコンテンツの作成、例えばLINEのスタンプやスマートフォン向けアプリの販売などに関心を持つ人は4割近く。ハンドメイド品の販売も3割強、業務代行などは1/4程度、株式投資やFXなどは4割強に達している。成功には元手や資金、技術など相応のスペックと運が求められるが、いずれもインターネットの普及で参入ハードルが低くなり、可能性がグンと広がったものばかり。それなりに興味関心を持たれているようだ。
男女別では男性が動画投稿や投資に、女性がデジタルコンテンツやハンドメイド品の販売に、より強い興味関心を抱いている。確かにインターネットの通販サイトにおけるハンドメイド品の販売は女性の姿を多く見かける。
これは好意的な意見の総計。興味関心があるだけでなく、すでに実際に取り組んでいる人のみを集計すると次の通りとなる。縦軸の区切りが上のグラフとは異なる事に注意。
動画投稿ですでに実際に取り組んでいる人は男性がほとんどで、女性は0.2%のみ。デジタルコンテンツは2%強、ハンドメイド品は女性ではすでに4%が実働している。また投資活動は男性に限れば5.6%。
夢は大きいが実際には時間の浪費ばかりで結果が出せずに終わるのか、実業としてこなせるほどの成果を出せるのか、さらには日本中、世界から評価を受けるまでに飛躍できるのかは実力と努力、そして運次第。しかし少なくとも参入ハードルが昔と比べて大いに下がっているのは間違いない。大学時代というモラトリアム期間を大いに活かし、可能性にチャレンジしてほしいものだ。
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