Yahoo!ニュース

インターネットは中高生の社会ニュース取得でどこまで重要視されているのか

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ スマートフォンを使ったネット経由の情報取得。中高生はどこまで……!?

スマートフォンが急速に普及し、中高生ですらインターネットを用いた情報の習得と社会ニュースの把握が容易に出来るようになった。しかし一方で、どこまでそれらのネット経由の情報は重要視されているのだろうか。2014年12月にベネッセ教育総合研究所が発表した調査報告書「中高生のICT利用実態調査 2014」から現状を確認していくことにする。

今調査対象母集団では中学生が87.3%、高校生は96.6%がインターネットを利用している。つまりそれだけの人たちがインターネット経由で情報を取得しうる立場にある。一方、そのインターネット経由で、社会の出来事などのニュース・情報を取得している中高生はそれぞれ5割、7割程度。インターネットの利用率を考えれば、いくぶん低めにも見える。なおこの「インターネットの利用」とは、各種サイトやソーシャルメディアなどの利用を意味する。

↑ 普段ニュースなど社会の出来事に関する情報を何から入手しているか(回答時直近一週間に利用したもの、複数回答においてネット経由を利用した者)(ネット経由=新聞社のニュースサイト、ポータルサイトの運営するニュースサイト、LINE、ツイッター、SNS、インターネット掲示板、インターネットのまとめサイトのいずれか一つ以上)
↑ 普段ニュースなど社会の出来事に関する情報を何から入手しているか(回答時直近一週間に利用したもの、複数回答においてネット経由を利用した者)(ネット経由=新聞社のニュースサイト、ポータルサイトの運営するニュースサイト、LINE、ツイッター、SNS、インターネット掲示板、インターネットのまとめサイトのいずれか一つ以上)

その詳細について複数回答で、インターネット以外のメディアも合わせて聞くと、テレビがもっとも多く、家族との会話、紙媒体の新聞が続き、インターネット系列では「ポータルサイトの運営するニュースサイト」がようやくこれらに続く形となる。

↑ 普段ニュースなど社会の出来事に関する情報を何から入手しているか(回答時直近一週間に利用したもの、複数回答)
↑ 普段ニュースなど社会の出来事に関する情報を何から入手しているか(回答時直近一週間に利用したもの、複数回答)

これらは複数回答式によるもの。もっともよく利用しているものについて尋ねると、やはりテレビの圧倒的な影響力を知ることになる。

↑ 普段ニュースなど社会の出来事に関する情報を何から入手しているか(回答時直近一週間に利用したもの、複数回答)(もっともよく利用している手段)
↑ 普段ニュースなど社会の出来事に関する情報を何から入手しているか(回答時直近一週間に利用したもの、複数回答)(もっともよく利用している手段)

テレビの圧倒感に加え、中学生では紙の新聞が意外に健闘しており、高校生ではツイッターの奮闘ぶりも目に留まる。他方、世間一般でよく話題に登っているLINEの姿が見えないのは、今件があくまでも「社会の出来事に関する情報」取得を対象としたものだからだろう。LINEなどのチャットサービスでは他愛のないやり取り、会話を楽しむためのものであることを認識しているものと考えれば、道理は通るというものだ。

■関連記事:

新聞読まない約5割、テレビは2時間以上視聴が2割近く…高校生のメディア接触時間を探る

一心同体、ネット依存、試験に失敗…高校生のスマホ生活、その悪影響の実態を探る

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

不破雷蔵の最近の記事