防衛策は購入数・頻度の減少やまとめ買い…消費税引上げ後の普段での買物での変化を探る
数や頻度を減らす、まとめ買い、比較…税率引き上げ後の防衛策
この4月に消費税率が現行の5%から8%に引き上げられることになる。当然、同じ商品を購入しても支払う金額は3%分だけ積み増しされる。その購入価格の変化で、消費者の消費行動にはどのような具体的変化が生じるだろうか。次のデータはインターワイヤード・ディムスドライブ事業局が2013年12月に実施した調査結果だが、それによれば税率引上げ後における普段の買物(例えば食料品、日用品)で、どのような変化が起きると思っているか、あるいはするつもりかとの質問に対し、もっとも多くの人が挙げた具体的変化は「購入数や頻度の減少」だった。3割近い人が税率アップに伴い、商品の購入数を減らしたり、頻度が減ることがあると答えている。
「安売り時のまとめ買いが(今まで以上に)増える」とする意見もほぼ同率の26.6%。税率引き上げ後はより賢く、よりいちどきに集中して買うスタイルが浸透しそうである。日持ちがするトイレットペーパーが好例となるだろう。
「賢く」買い物をするという点では、商品の比較検討をこれまで以上に綿密に行うとする意見も22.6%いる。「ポイント・クーポン利用をこれまで以上に」も15.2%あり、価格比較サイト、クーポン発行サイトのような、生活に密着した情報サイトが注目を集めそう。
さらに「価格の安い商品に買い替え」が21.8%、「購入を止める」が10.4%確認できる。いずれも購入対象商品そのものを変更することを意味しており、同ジャンルの商品の販売性向に動きがおきることが予見される。またこれは、アメリカ発の金融危機が発生した2008年以降、同国で流行った概念「トレードダウン」(直訳は格下げだが、意味は行きつけのお店や商品カテゴリのランクを下げ、消費を抑えることを意味する)に通じるものがある(「この頃アメリカで流行っている「トレードダウン」という考え方(2008年の記事)」)。
他方、「特に変化なし」とする意見も41.0%。3%程度の引き上げならば、あらためて気にするほどのものでもない、これまでの(賢明な)購入スタイルを維持するだけで十分とする意見。思ったより多い感はある。
高収入ほど「今まで通り」
ただし「税率が上がっても今まで通りの購入スタイルを維持」とする意見は、多分に高年収層に引っ張られている。
全体では59.0%が「何らかの影響あり」。視点を変えれば41.0%の人が影響なし、これまでと変わらないと答えている。しかし男女別では(買物をする機会が多い)女性の方が、年収別では低年収ほど「影響あり」の値が高い。例えば年収1500万円以上では40.0%が「影響あり」なので、60.0%は「特に変化なし」となり、平均値よりかなり高め(19%ポイント上)となる。年収300万円未満で「特に変化なし」は35.1%に過ぎない。
今調査の他項目、例えばお財布の引き締め度や家計への影響予想度と比べれば年収による差異は小さい。しかし、普段の買物における行動様式でも、高年収ほど変化なし・低年収ほど強い引き締め感という、年収別の影響・反応の違いが生じそうである。
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