ロシア軍がシリア北西部にあるシャーム解放機構(アル=カーイダ)などの拠点を爆撃、少なくとも4人死亡
シリア北西部イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから221日目を迎えた。
だが、英国を拠点とする反体制系NGOのシリア人権監視団によると、ラタキア県のフマイミーム航空基地に配備されているロシア軍戦闘機複数機が10月14日、「決戦」作戦司令室の支配下にあるジスル・シュグール市近郊のハマーマ村一帯にあるシャーム解放機構などの教練キャンプや拠点を、少なくとも11回にわたって爆撃し、少なくとも4人の戦闘員が死亡した。
「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍、TFSA(Turkish-backed Free Syrian Army))などからなる武装連合体。
ロシア軍がイドリブ県を爆撃するのは、9月20日以来で25日ぶり。
一方、シリア軍も「決戦」作戦司令室の支配下にあるアーフィス村を砲撃し、住民多数が負傷した。
反体制系のEldorarによると、シリア軍はまた「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村、スフーフン村、ファッティーラ村、フライフィル村を砲撃した。
これに対して、停戦監視を口実にイドリブ県内各所に監視所や拠点を設置しているトルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約70輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。
(「シリア・アラブの春顛末記:最新シリア情勢」をもとに作成)