シリア北西部のイドリブ県に駐留するトルコ軍兵士2人を何者かが襲撃し殺害

(写真:ロイター/アフロ)

シリア北西のイドリブ県では、英国を拠点に活動する反体制系NGOのシリア人権監視団によると、イドリブ市とサルミーン市を結ぶ街道沿いに設置されているトルコ軍拠点の近くで6月5日、何者かによって襲撃されたと思われるトルコ軍兵士2人が発見された。

1人は既に死亡しており、もう1人は重態で、トルコ領内の病院に搬送されたが、7日に死亡した。

イドリブ市とサルミーン市は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握する地域。

シリア救国内閣がシャーム解放機構の委託を受けて自治を担う一方、トルコの後援を受ける国民解放戦線諸派が散在、またトルコ軍自体も拠点を設置し、部隊を駐留させている。

反体制派にとっての最後の牙城と目されるシリア北西部では、2月から3月初めにかけてシリア・ロシア軍とトルコ軍・反体制派の戦闘が発生、反体制派はイドリブ県南部やアレッポ県西部の支配地を失った。

3月5日にロシアとトルコが交わした停戦合意では、アレッポ市とラタキア市を結ぶM4高速道路沿線の南北に、それぞれ幅6キロの「安全回廊」を設置し、通行の安全を確保することが合意された。

これを受けて、トルコ軍は街道沿線に拠点や監視ポストを設置、ロシア軍との合同パトロールを開始した。

だが、シャーム解放機構、フッラース・ディーン機構、さらには中国新疆ウィグル自治区出身者からなるトルキスタン・イスラーム党といったアル=カーイダ系組織は、M4高速道路以南の反体制派支配地の閉塞をもたらすこの動きに反発していた。

(「シリア・アラブの春顛末記:最新シリア情勢」をもとに作成)