ルリカミキリは、小さいカミキリだが、青くキラキラ輝く翅は実に美しい。これが大きなカミキリだったら、虫捕り少年たちの間で大人気になったかもしれない。しかしやつらは、最近生垣や街路樹に多用されているレッドロビン(和名ベニカナメモチ)を枯らしてしまうこともある害虫なので、体が大きくて目立っていたら、大悪党として徹底駆除されていたかもしれない。

 ルリカミキリはもともとリンゴ、ナシなどバラ科の果樹の害虫として知られていたが、都市化の進行とともに、一部地域では準絶滅危惧種になってしまった。ところが、レッドロビンの大流行とともに息を吹き返して、一気に勢力を拡大。都心の昆虫記者宅の近くでも、2つの公園で毎年相当数発生している。

こんなきれいなルリカミキリが大きかったら、子供たちに大人気だったかも。
こんなきれいなルリカミキリが大きかったら、子供たちに大人気だったかも。

 春先のレッドロビンの生垣はともかく目立つ。血のような真っ赤な葉に覆われた生垣を目にして、ギョッとした人、美しさに見とれた人も多いはず。剪定しやすく、病害虫にも強いはずだったレッドロビンだが、なぜかこの木に引き寄せられてしまったのがルリカミキリだ。

 自宅近くのレッドロビンの生垣にルリカミキリがいるかどうか、確認するのは割と簡単だ。4、5月の成虫発生時期に、枝先の赤っぽい葉の裏側を眺めてみればいい。葉裏の主脈(中心の一番太い葉脈)の一部が黒く変色していたら、それが成虫の食痕(食べ跡)。そんな葉がたくさんあれば、あのきれいな成虫が大量発生している証拠だ。

ルリカミキリはレッドロビンの一番上の方の枝先にいることが多い。
ルリカミキリはレッドロビンの一番上の方の枝先にいることが多い。

葉裏の葉脈に黒い食痕があれば、ルリカミキリがいる証拠。
葉裏の葉脈に黒い食痕があれば、ルリカミキリがいる証拠。

葉脈を食害中のルリカミキリ。
葉脈を食害中のルリカミキリ。

ルリカミキリ成虫の左右の複眼は、それぞれ上下に分断されているので4つある感じに。
ルリカミキリ成虫の左右の複眼は、それぞれ上下に分断されているので4つある感じに。

 しかし、あまり大量に発生すると、そのうちレッドロビンの木自体がボロボロになる。ルリカミキリの幼虫が木の内部を食い荒らすからだ。

ルリカミキリの幼虫に食害された木は、こんな風にボロボロになり、枯れてしまうことも。
ルリカミキリの幼虫に食害された木は、こんな風にボロボロになり、枯れてしまうことも。

木の内部を食い荒らすルリカミキリの幼虫。
木の内部を食い荒らすルリカミキリの幼虫。

 このカミキリを是非見つけたいという人は、一番上の方の枝の葉裏を見て回るといい。「何を見ているんですか」などと公園管理の人に尋ねられたら、何食わぬ顔で「赤い葉がきれいですね」などとか答えておけば、ルリカミキリたちは当分、駆除されずに生き残れるだろう。(写真は特記しない限りすべて筆者撮影)