フィンランドとスウェーデンがNATOに加盟申請をした。

加盟するためには全ての加盟国30か国の賛成が必要だ。

だが、トルコが難色の姿勢を見せている。北欧諸国は戸惑い、「狙いは何なのだ」という解説記事が現地では増加している。

ストルテンベルグNATO事務総長はノルウェーの元首相であるため、ノルウェーの公共局の分析記事ではこんな楽観的な見方も混ざっていた。

エルドアン大統領が不穏な空気を出すのはこれが初めてでなく、西洋が必ずしも理解できる行動をしない。

エルドアン大統領の理解不可能な行動の後は、事態が収束したことも過去にあったので、今回もなんだかんだで解決するかもしれない。

互いに政治のトップであり続けた、エルドアン大統領はストルテンベルグNATO事務総長を良く知っており、彼はストルテンベルグNATO事務総長に好意を抱いている

ノルウェー公共局NRK

「民主主義の基盤である話し合いで、きっとなんとかなる」というのは北欧では特に強い考え方だ。その北欧の交渉術は、外の世界でどれほどの効果があるだろうか。

ノルウェー、デンマーク、アイスランドなどのご近所の国々は加盟を応援している。フィンランドとスウェーデンが加盟を果たすと、北欧全域の安全保障が強化されるという考え方が広がっているからだ。

申請するとなると、特定の国々が障壁になることは事前に予想されていた。

予想通り、トルコは大々的に「難色を示している」態度を国際社会にアピールして、注目を浴びることに成功している。

トルコの演出劇

両国が加盟申請を正式に発表した今週に入ってから、トルコは明確に「反対している」態度を見せている。北欧2か国の代表団の派遣も断られ、トルコの反対で開始されるはずだった加盟手続きに遅れが出ている。

当初はもっと「なんとかなるだろう」という空気で報道されていたため、早急に手続きを完了させたい北欧側からすると「どうして?」と戸惑うわけだ。

「トルコはなぜ反対するのか」に関する報道が北欧現地では急増している。

トルコは自分たちの国に制裁を科す国は承認しないという考えだ。

フィンランドとスウェーデンは2019年、トルコがシリアに侵攻したことを受け、トルコに武器禁輸措置を講じた。

トルコは北欧の両国に対し、トルコがテロ組織とみなすクルド労働者党(PKK)や関連組織をかくまっていると非難している。

トルコの主な要求は、トルコ側がテロリストと指定する者たちの身柄引き渡しと、トルコへの武器売却禁止措置の撤廃だろうとされている。

また、プーチン・ロシアとの関係に配慮していること、来年にトルコで開催予定の大統領選挙も理由に上がっている。現在の世論調査ではエルドアン大統領の政党は失脚しそうで、「西洋に影響力がある」という演出をすることで、国内での支持獲得を狙っている可能性だ。

「テロリストの温床」発言に驚く北欧

エルドアン大統領は「スカンジナヴィアはテロリストのゲストハウスのようだ」とも語った。

スカンジナヴィアとは通常は「ノルウェー・デンマーク・スウェーデン」を意味するので、ノルウェーもデンマークもこれには「え?」となっていた。

エルドアン大統領の非難の的はフィンランドよりもスウェーデンに向いている。より妥協をしないといけないのではとされているのはスウェーデンだ。

クロアチア大統領も暴走

クロアチアの動きも北欧現地では時にニュースになっている。

18日の夜にはクロアチアのミラノビッチ大統領が、トルコの流れに沿って、スウェーデンとフィンランドの加盟申請に改めて反対するとも発表した。だがクロアチアでは大統領よりも議会が権力を握っている。クロアチア外相は両国の加盟を歓迎する発言をツイッターでしていることもあり、クロアチアは大きな障壁とはならなさそうだ。

トルコの駆け引きに欧米はどう対応するか

今回のトルコの演出は、「トルコ側に何か有利となるものを譲渡しないと、フィンランドとスウェーデンの加盟には賛成しないぞ」という駆け引きだ。

要求内容に応じるジレンマと、早急にNATO加盟国になる重要性の間で挟まれ、互いにどこで合意するのかが鍵となる。

参照

デンマーク公共局

ノルウェーTV2

スウェーデン公共局

フィンランド公共局