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日米合作時代劇『Shōgun 将軍』世界配信へ。真田広之が世界に伝えたい「本当の日本の武士道」とは

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
©Ayumi Sakamoto

世界に同時配信される新ドラマシリーズ『Shōgun 将軍』の上映会が、今月25日ニューヨークで催され、出演者らが舞台挨拶を行なった。

本作は1600年の関ヶ原の戦い前夜、窮地に追いやられた武将・吉井虎永、その家臣となった英国人航海士・按針(あんじん)、謎多い女性キリシタン・戸田鞠子らが織りなす物語。原作者・ジェームス・クラベルの1975年のベストセラー小説『Shōgun』がベースとなっている。

今月27日より世界配信されるドラマシリーズ『Shōgun 将軍』。© 2024 FX Networks
今月27日より世界配信されるドラマシリーズ『Shōgun 将軍』。© 2024 FX Networks

上映イベントが開かれたジャパン・ソサエティーのレッドカーペットには、虎永役の真田広之さん、鞠子役のアンナ・サワイさん、プロデューサー陣のジャスティン・マークスさん、レイチェル・コンドウさん、宮川絵里子さんが現れ、記者団の質問に答えた。

レッドカーペットには多くの日米メディアの姿も。(c) Kasumi Abe
レッドカーペットには多くの日米メディアの姿も。(c) Kasumi Abe

その後、一般のファンに向け、全10話のうち2話がプレビュー上映された。またキャストとプロデューサー陣が登壇し、新作にかけた意気込みを語った。

(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe

これまで海外で作られた日本の時代劇と言えば、日本人が観て違和感があったり思わず首をかしげたりするような不自然な描写も見られた。本作ではそれを改善すべく、アメリカの制作陣に加え、日本から時代劇専門の経験豊富なクルーを招集し各パートに配置するなど、東西のクルーとキャストが一丸となって作り上げた。これについて、本作でプロデューサーも務めた真田さんは「海外の人にもわかりやすく、かつ日本の時代劇ファンにも認めてもらえるよう、オーセンティックなものを作ろうと心がけた」と言う。

この作品を通じて「本当の日本の武士道」を世界に伝えようと、撮影開始前に共演者と話したそうだ。このエピソードについて筆者は真田さんに質問を投げかけた。

真田さんが考える、世界に伝えたい「武士道」とは一体どういうものか?

「日本人の根底に流れている礼儀とかなかなか現代では貫きにくい謙譲の美徳とか、誰かに仕えるといった犠牲の精神、自分が武道を通して学んだ自分に厳しく人に優しくとか、そういったものがあるのではないか」と答えた真田さん。「そのあたりをこのドラマから感じ取ってもらえればと思います。現実の生活に生かせることも多分にあると思うし、そうすることによってより良い未来を一緒に築いていけるんじゃないかという思いも制作の過程で強まりました」

本作の配信は、Disney+(日本)、Hulu(アメリカ)などで2月27日からスタートする。時代劇ファンも少なからずいるアメリカ、もしくはそのほかの国々において、日本の「サムライ」が再び脚光を浴びそうだ。

(Text and some photos by Kasumi Abe)無断転載禁止

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

米国務省外国記者組織所属のジャーナリスト。雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、有名アーティストのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をN.Y.に移す。N.Y.の出版社でシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材。日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。福岡県生まれ

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