「パァン、パァ〜ン、パァ〜〜〜ン!」

土曜日の午前中、いつものように自宅でゆっくりした時間を過ごしていると、突然車のクラクションが表で鳴り始めた。

ここは日ごろから交通渋滞が激しく、週末は苛立ったドライバーから耳障りなクラクション音が聞こえてくることがある。「今日は特に騒々しいなぁ」と思っていると、そのうち「ヒュ〜!ヒュ〜!」という歓声も混じってきた。

「あ!」私はすぐにツイッターを開く。タイムラインにはバイデン氏の勝利を知らせるニュースが並んでいた。

私はすぐに外に飛び出した。

この後人々はBLMのデモ行進で消えて行った。(c) Kasumi Abe
この後人々はBLMのデモ行進で消えて行った。(c) Kasumi Abe

外ではすでに「お祭り」が始まっていた。人々はじっと辛抱し待っていたこの数日間(および4年間)の蓄積された鬱憤を晴らすかのごとく、思い思いに喜びを分かち合っていた。

ある人は手作りのメッセージボードを持って、またある人は星条旗をなびかせて。

Celebration after Biden named winner

「この4年間、争いごとが多く、国が分割されていてヴィジョンも見えてこなかった。今こそ時代の変わり目だ」と喜びを表すのは、娘2人を連れて、手作りのメッセージボードを見せながら歩いていたマイク&レイチェルファミリー。道ゆく人や車からも彼らに声が次々とかかる。

大きな星条旗を頭上に掲げたまま、静かに勝利を噛み締めていたのは、エロル・デイヴィスさん。「今、とにかく幸せです。差別がはびこった4年間だった。元に戻して、共に団結する時だ」。

「悪夢の終わり」とマイク&レイチェル一家。(c) Kasumi Abe
「悪夢の終わり」とマイク&レイチェル一家。(c) Kasumi Abe
「差別の4年でした」とエロルさん。(c) Kasumi Abe
「差別の4年でした」とエロルさん。(c) Kasumi Abe

「この4年は長すぎた。これ以上の喜びはない」と言うのは、ケヴィンさんとホイットニーさん。「レイシズムで、ヘルスケアも十分ではなく、環境問題への対策、パリ協定の離脱や国立公園への対応など、現政権のヴィジョンには馴染めなかった」とケヴィンさんは語った。

「これからパーティーの準備をします」とケヴィン&ホイットニーさん。(c) Kasumi Abe
「これからパーティーの準備をします」とケヴィン&ホイットニーさん。(c) Kasumi Abe

全身コスチュームで配偶者と踊って喜びを表していたベンさん。「これこそ民主主義だ。そして今日はそれが証明された。今日は1日祝賀だ。明日からまた一生懸命に働きます」。

「今日だけは仕事を忘れます」とベンさん。(c) Kasumi Abe
「今日だけは仕事を忘れます」とベンさん。(c) Kasumi Abe
建築会社の同僚同士、サム&イベンソンさん。(c) Kasumi Abe
建築会社の同僚同士、サム&イベンソンさん。(c) Kasumi Abe

「新型コロナの対策を失敗し、金持ちにしか恩恵のない政権だった」と言うのは、同僚と共に大きな旗を掲げ歩いていたサム・サイダースカイさん。「悪い時代がこれで終わろうとしている。時間はかかるかもしれないが、共に力を合わせて元に戻す時です」。

同僚で日本人のイベンソン・アンダース泉さんは、「この4年でますます分断が進みました。国民より自分の利益しか考えられない大統領だったというのが、今回の選挙で露わになったと思います」。

すっかり日がくれたが、筆者の自宅外では、祝い酒を浴びたのだろうと思われる若い女性グループが「レッツゴーアメリカ、レッツゴー!」「レッツゴーデモクラシー、レッツゴー!」と楽しそうに歌っている。

これを書きながら、そういえば勝敗を知らせてくれたクラクションや歓声は、いつかどこかで聴いた懐かしさだなと思ったら、よく考えると今年の4月、毎晩7時に自発的に行われていたクラップ・フォー・ケアラーズと同じ音だった!自宅待機中の自室から皆それぞれが、医療従事者に感謝の気持ちを伝えるため、そして互いの安否を喜び合いより団結するために、しばらく続けられたものだった。

民主党寄りのニューヨーク市内はこのような1日だったが、赤い州ではまた状況が異なるのだろう。

ちなみに敗北したトランプ氏は今も負けを認めていない。複数の州で開票を巡る訴えを起こすなど、徹底抗戦の構えを見せているため、まだ「確定」とは言えないのかもしれないが、米メディアはこぞって「Biden will be the 46th president of the United States」(バイデンが時期大統領になる)と発表している。

バイデン氏もこのような声明を出した。

  • アメリカよ、あなたが私たちの偉大な国のリーダーとして私を選んだことを光栄に思う。我々に課せられた仕事は大変だが、私はあなたにこれを約束する:私はアメリカの全国民の大統領になります。あなたが私に投票したか否かにかかわらず。あなたが私に寄せた信念を私は守ります。

今日筆者のもとに、民主党から届いたショートメッセージの内容:

  • Joe & Kamala couldn't have done it without you. We won the battle for the soul of our nation. But our fight is not over. More soon.-DNC(ジョーとカマラは、皆さんなしではこれを成し遂げることができなかった。我々は国の魂のための闘いに勝った。しかし我々の闘いは終わっていない。続く。-DNC)

大統領選の行方から、しばらく目が離せそうにない。どのような最終結果が出ようと、分断されたこの国がどのように前進していくのか、アメリカの片隅からしっかり見届けていきたい。

(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe

(Text, photo and video by Kasumi Abe) 無断転載禁止