史上初、水着審査を廃止した「ミス・アメリカ2.0」。美のコンテストに新時代が到来した

ミス・アメリカ2019、NY州代表に栄冠。(写真:ロイター/アフロ)

アメリカで1番長い歴史を持つ「ミス・アメリカ(Miss America)2.0 2019ファイナル」が9月9日(日)、ニュージャージー州アトランティックシティで開催された。

今年は、ビューティーコンテストが誕生して以来、97年間で初めて水着審査部門が廃止されて特に注目された大会となり、ニューヨーク州代表のニア・イマニ・フランクリン(Nia Imani Franklin)さん(24)が、ミス・アメリカ2019を制した。

クラシック音楽のボーカリストとして活動するニアさんは、優勝により王冠と5万ドル(約550万円)の奨学金を手に入れた。

コンテスト後のインタビューで、奨学金の使い道について、

「プリンストン大学かジュリアード音楽院で博士号を取得し、アメリカのクラシック音楽の繁栄のために貢献したい。特にアフリカ系アメリカ人としてオペラを歌うところを人々に見てもらって、たくさんの子どもたちにクラシック音楽への希望を捨てないでと伝えていきたい」

と抱負を語った。

物議を醸した水着審査廃止については、

「これは大きな変化だった。優勝するために水着を着る必要がなくてとてもうれしく思う。なぜなら私もこのステージに登場したすべての女性も、それ(水着姿を評価される)だけの人間ではないから」

とコメント。

ミス・ニューヨークになって以来、コンテスト出場について興味を持っている女性から質問を受けることが多くなったと言い、「奨学金を得るために水着姿をさらす必要がなくなったことが大きく影響しているのでしょう。自分たちも参加してみたいと思うようになったんだと思います」と言葉を添えた。

未だ賛否両論ある水着審査廃止

このように健全で華やかな印象で終わった今年のミス・アメリカのステージ脇では、さまざまなドタバタ劇が展開していた。水着審査廃止がすべての関係者や視聴者から支持をされているわけではなく、いまだ賛否両論がある。

特にミス・アメリカの新方針を打ち出して以降、ミス・アメリカ取締役会の多くのメンバーが辞任したり、新会長グレッチェン・カールソン(Gretchen Carlson)氏に辞任を求める動きが起こったり、前年のミス・アメリカの優勝者、カーラ・ムンド(Cara Mund)さんが、混乱が増すミス・アメリカのため、いかに不幸せな1年を過ごしたかと不満をこぼしたり…。

AP通信によると、ミス・アメリカの当日も、テレビ生中継が開始する前に、コメディアンがステージに登場し、水着審査のかわりに知性や素養をアピールするためのインタビュー審査が設けられたと発表すると、会場からブーイングが沸き起こったという。

そして何より数字が人々の不満を映し出した。今年の視聴者数は430万人で、昨年の視聴率から19%も減少したと発表された。

とは言え、奨学金を得るために水着姿を大衆にさらけ出すのは、#MeToo(ハッシュタグ・ミートゥー)時代に逆行する行為であることは間違いない。

見た目の美で評価されるコンテストから知性や内面の美しさが重視されるコンテストへ── 。賛否両論あれど、このようなドラスティックな変革は、常識を変えるパラダイムチェンジのために、いつの時代も必要だろう。