菅首相が会見 「宣言」と「重点措置」全面解除へ(全文1)明かりは日々輝きを増している
菅義偉(よしひで)首相は28日夜、官邸で記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「菅首相が会見 「宣言」と「重点措置」全面解除へ(2021年9月28日)」に対応しております。 【動画】菅首相が会見 「宣言」と「重点措置」全面解除へ(2021年9月28日) ◇ ◇
9月30日をもって解除し、制限を段階的に緩和
司会:ただ今より、菅内閣総理大臣の記者会見を行います。初めに菅総理から発言がございます。それでは総理、よろしくお願いいたします。 菅:先ほど新型コロナ対策本部を開催し、19都道府県の緊急事態宣言、および8県のまん延防止等重点措置の全てを9月30日をもって解除し、制限を段階的に緩和することを決定いたしました。 7月以降、感染力の極めて強いデルタ株によって、全国各地でかつてない勢いで感染が拡大しました。それに伴い、病床の逼迫は非常に厳しい状況となりました。こうした中で、医療・介護関係者、飲食などの事業者、国民の皆さん、お1人お1人にご協力いただきながら、医療体制の構築、感染防止対策、ワクチン接種、懸命に進めてまいりました。 多くの皆様のご尽力により、8月の半ば過ぎに2万5000人を超えていた全国の新規感染者数は大幅な減少を続け、昨日は1128人となりました。東京では5773人から、本日は248人まで減りました。病床の利用率は、全ての都道府県において50%を下回り、重症者は9月初めをピークに減少傾向にあります。 一時は全国で13万人を超えた自宅療養者も3万人となり、なお減り続けております。現在の状況は先般、専門家から示された宣言解除の基準を満たしており、解除を判断いたしました。これまでにご協力いただいた全ての皆さま方に心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。
新型コロナとの闘いは新たな段階を迎える
その上でウイルスへの高い警戒は保ちながら、飲食などの制限については段階的に緩和することといたします。これから新型コロナとの闘いは新たな段階を迎えます。ワクチン接種が急ピッチで進む中で、感染リスクが高い場面を抑えることにより、感染者数は大きく減っています。 またワクチン接種と中和抗体薬で重症化を防ぐことができます。パネルにもありますとおり、累積の新規感染者数に対する死者数の割合は、1月から3月の3カ月は2.4%、4月から6月は1.7%であるのに対し、今回の感染拡大期に対応する7月から9月の3カ月では0.3%にとどまっております。 こうした大きな変化に対応した医療体制の構築により、一定の感染が生じても安定的な医療の提供ができるようになります。今後はウイルスの存在を前提とし、社会全体の対応力を高め、次の波に備えながら、感染対策と日常生活を両立していくことが重要です。そのためには、次の3つの方針で進めていかなければならないと思います。 第1に、医療体制のもう一段の整備です。7月以降に全国で4800病床、1万4000室の軽症者用のホテルを確保し、さらに臨時の医療施設、酸素ステーション、合わせて全国で約80施設を設置し、現在も増設を進めております。自宅で療養する方々に対しては、身近な診療所や在宅医療の専門医が健康観察や入院の判断を行い、必要な医療が受けられる体制を各地で構築しております。 私がお会いした在宅医療のチームは、勤務医の方々が交代で訪問診療に当たり、クラウドファンディングや企業の寄付も活用して、献身的に活動されておられました。また効果の目覚ましい中和抗体薬については、すでに3万4000人に使用されています。診療報酬も大幅に引き上げて、入院しなくても、自宅への往診や外来診療でも使えるようにしました。翌日には効果を現す画期的な薬を使えることについて、医師冥利に尽きる、こうした医療現場の声も伺いました。 持てる力を全て使って構築したこれらの資源をフル活用して、今後、再び感染拡大が発生したとしても、十分に機能する体制を作っておかなければなりません。各都道府県と医療機関が協議し、いざというときにすぐに活用できる病床や人材を確保できるように方針の作成を進めます。 そして皆さまには、これまで同様にマスク・手洗い・3密の回避という基本的な予防を続け、感染リスクの高い行動は避けていただくようお願いをします。昨日から抗原検査キットを薬局で購入できるようにしました。体調が気になる場合には自ら検査を行い、医療機関の受診につなげていただきたいと思います。